EnB 05号 目次
詳細 のマークがついているものは記事の内容がご覧になれます。

 

■EYE詳細へ
エネルギー政策の現実味

■REPORT
実現迫る?水素社会

■GLOBAL REPORT
米国EC企業の2013年業績と石油ガス分野
 Fluor、石油ガス分野好調で利益上昇

AMEC、FW統合で欧州トップ級ENG企業を目指す
 AMEC・FW統合2013年計数による業績・事業規模

■TOPICS
エネルギーコンシャスOfficeの形- 静岡ガス本社ビル

資源エネルギー関連で受注増へ-産機工受注見通し

Hitz、韓・中向け都市ごみ焼却炉完成

■NEWS Flash
・日揮、マレーシアのLNG再生PJ受注
・三井造船、シンガポールで化学プラント受注
・伊藤忠、カナリア諸島で水道事業参入
・三菱重工、トルコでGTCC発電事業
・JFEエンジ、ヤンゴンのフェリー桟橋改修を受注
・日揮、中国にプロセス供与
・神戸製鋼、Paul WurthとMidrex法でライセンス契約
・Hitz、再エネによるメタネーション開発フェーズ1を完了
・ジンコソーラー、双日グループと提携
…JFEエンジ、気仙沼港の防潮堤受注
…大成建設、シンガポール地下鉄工区受注
…新日鉄住金エンジ、新しい免震装置開発
…清水建設、シールド工事のヒ素土壌浄化技術開発
…三菱電機エンジ、メカトロセンターを竣工
…「三菱重工メカトロシステムズ」が発足

■Projects News
…三菱日立、NTE EnergyのGTCCを受注
…Sabic、鉄鋼プラントで入札へ
…Agrium、テキサスで尿素プラント
…BASF、南京で特殊Amineプラント
…JacobsとPertrofac、KhazzanガスPJ受注
…コロンビア、シェール油探鉱で入札
…ケンタッキーのガスパイプライン計画が遅延
…Worley Parsons、ビチューメン設備を受注
…Ma'adan、Dupontの硫酸プロセス採用
…Eastman、カルボン酸設備を拡張へ
…Enbridge、パイプラインのリプレースを計画
…FW、クウェートのLNG輸入ターミナルでFEED業務
…FreePort LNGにIFMが投資
…ウラジオストックLNG、1年程度遅れへ
…GazpromとShell、サハリン2第3系列で合意
…Genesis、新規の石油ターミナル建設へ
…現代建設、イラクKarbara製油所受注
…IneosとSinopec、フェノールでJV
…パナマ運河拡張、コストとスケジュールで合意
…Bazian製油所拡張でEPCへ
…露Rusal、インドネシアのアルミナ生産でMOU
…Technip、世界初の商用CCSのFEED受注
…タイBangchak石油、製油所を改修
…Total、イラクで石化コンプレックスを計画
…イラク、IPPプロジェクトを推進

■Procurement
…横河電機、ネットワークベース生産システムの機能強化
…TMEIC、新型高圧モータ駆動用インバータ
…ハネウェル、プロセス産業に向け管理ソリューション

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■エンジニアリングダイジェスト

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■Editorial 詳細へ

EnB 05号 表紙

 

EYE
エネルギー政策の現実味

 2015年にも燃料電池自動車が商用化されると言われている。その環境を整備すべく経済産業省は全国に100カ所の水素ステーションの整備を目指しており、4月からその公募が開始されるという。コストは1ステーション当たり2億円。全体で約200億円の投資により、水素ステーションの整備を進めるきっかけとする考えだ。
 また経済産業省では、水素・燃料電池戦略協議会を開催、今年に入ってワーキンググループも行われている。傍聴ができないので、どのような議論となっているかは、経済産業省のHPで議事録を見るしかないのだが、配布資料を見るに、検討の基本的視点のトップに「水素エネルギーのコストも踏まえたエネルギー政策上の意義を可能な限り定量的に把握する」というのが掲げられていて、少々ズッコケてしまった。「既に水素ステーションの整備を進めようという時期に至っているのに、何を今さら…」という感じである。
 もちろん、新技術の登場や機器の改良に伴い、水素システムのコストは評価が変わってきた、ということはある。それを反映させつつ、さらにコストダウンの可能性を見据え、日本にとって意義あるエネルギーシステムとしたいというのは解かる。だが、それならば、これまでの水素システムの政策上の意義は何で、どういう理由で推進が決まってきたのか、良くわからなくなってくる。
 頭を整理してみると、まずは燃料電池の実用化、それに続く燃料電池自動車の開発、さらに家庭用燃料電池コージェネの普及などから、水素社会への期待が膨らんだが、この時点では非現実感がどこかにあったのは確かであり、コスト削減策も量産効果しかなかった。それが最近ではコスト低減化につながる技術開発が進んできたため、水素エネルギー政策が息を吹き返した、と見ている。つまり多少、非現実的でもエネルギー政策は政策として成立してしまうのだ。原子力でも再エネでも同様である。どれかがヒットすればそれで良いのかも知れない。

最新号目次へ

 

EDITORAL
編集後記

○…福島事故から3年、原発に対する国内外の反感が弱まったきているように感ずる。都知事選では脱原発が最大の争点にはならなかった。世界で建設中の原子炉は1989年以来最高となったと言う。
 自民党は原発をベースロード電源とした。ベースロード電源とは安定電源でかつ発電コストが安いと定義している。原発再稼働が原発稼働停止後の電力コスト上昇を救う手段ということだろう。しかし原発は後処理・処分、事故被害を考えると社会的にはとても安いコストとは言えない。
 脱原発の手段としてソーラーや風力という再生エネルギーが挙げられている。これらは不安定性・コスト両面からベースロード電源とはなりえない。脱原発に再生エネルギー戦略をとるドイツに関し、多国籍調査企業IHSが「ドイツの再生エネルギー政策が経済を押し潰す」というレポートを発表している。低炭素エネルギー政策への代替パスとして天然ガス、そのためのシェールガス開発を主張している。
 地球温暖化が止まった現時点では低カーボン路線は間違い、ドイツは自給できる亜炭による火力発電で脱原発が図れる。日本では残念ながら自給エネルギー源に乏しい。シェールガスに押されている石炭による火力をベース電源にするしかない。自給エネルギーは地熱・バイオマスに注力すべきだ。

○…免許取り立ての頃だから、今から40年近く前のことだと思うが「陸前浜街道」を一昼夜かけて走ったことがある。多分、友人3人と代るがわる運転したと思う。もちろん、常盤高速道路はまだ出来ていない。終点の岩沼まで行きつけたのか、はたまた仙台まで行けたのか、全く記憶がない。真っ暗闇をただひたすら走ったのだけは覚えている。なぜ、「陸前浜街道」を走ったのかといえば、ただ名前に惹かれたなど単純な動機だったと思うが。
 その後、十数年経ってから家族旅行で会津の「東山温泉」に行ったことがある。その時泊まった格安旅館で観たテレビ番組を何故か記憶している。天気予報である。県内の会津、中通り、浜通りの各予報は、これこれ云々であると予測していた。福島県内を三分割した言い方をはじめて耳にしたことから記憶に残ったのだろう。今もどこの地区、市がそのどこに入るのか、厳密には分からない。
 ただ、昔走ったことのある「陸前浜街道」周辺が浜通りなのだろうとは理解できる。そこは水戸から入り、いわき市を経て広野町、楢葉町、大熊町、双葉町、浪江町なども通過して原町市、相馬市などの福島県の海側に近い道をひた走る。これらの地区では、津波、原発事故で大きな被害を受けいまだに復興の兆しさえ見えない地区もあるという。その街道名は、いまや悲しみとともに記憶に残る。

最新号目次へ

Copyright (C) 2002 ENGINEERING JOURNAL CO,.LTD. All Rights Reserved.