EnB 04号 目次
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非科学的な安全対策

■GLOBAL REPORT
AMEC、FWの買収、33億ドルで正式契約
FW・Tecnimontの北米化学プラントでの戦略提携も成立

GE、石油ガス事業で大型技術・事業戦略を展開
Chevronと技術提携、DTS部門設立など

■GLOBAL Business
・URS、石油ガス部門の赤字ジョブで13年の業績不振
・Jacobs、パイプラインエンジニアリング企業を買収
・UOP、QPと天然ガス処理技術を共同開発

■REPORT
多様化するプラント成約

■REPORT
海外エネルギー関連、引き続き好調
エンジ業界の第3四半期

■TOPICS
世界最先端を目指す再生医療

JFEエンジ、総合アクア企業へ

2013年プラント受注、6割減少

■NEWS Flash
・日揮〜三星重工、洋上LNGプラント受注
・東芝、インドでの活動が活発化
・千代田、オフショア・アップストリーム分野で実績
・Toyoセタール、水力発電所関連業務受注
・Hitz、米国で廃炉向けキャスク24基受注
…三菱重工、スウェーデンの原子炉機器取換工事受注
…MHPS、英スコティッシュパワーから長期保守契約
…東芝、台湾高速鉄道新駅向けシステム受注
…丸紅、PertaminaとガスプロジェクトでMOU
…横河電機、海外向け制御システム連続
…川重、低NOx水素ガス燃焼技術を開発
…JFEエンジ、コージェネ優秀賞受賞
…アズビル、水島営業所を移転

■Projects News
…日揮〜韓国連合、クウートの製油所改修工事受注へ
…NWIW、米で2カ所にメタノールプラント
…Dakota Gas、尿素プラント建設へ
…CB&I、ダウの石化PJでファブリケーション受注
…コロンビアでFLNG計画
…Technip、アブダビでパイプライン受注
…ハンガリーの原発計画でロシアが建設へ
…Husky、オハイオの製油所の改良を計画
…Indian Oil、アクリル酸コンプレックスを計画
…イランNBP、インドネシアで製油所
…クウェート石油、インドで石化投資
…Linde、Nizhnekamsk製油所に水素プラント
…サウジのリン酸プロジェクトでEPC選定
…Tecnimont、カメルーンのクラッカー受注
…Phillips 66、NGLおよびLPGターミナル建設へ
…SK建設、Magnolia LNGを受注
…Tasnee、東邦チタン等、Yanbuでスポンジチタン
…CB&I、ルイジアナ州の肥料プラント受注
…斗山重工、英原発のメンテナンスを受注
…米Valero Energy、製油所改良へ
…Snohvit LNG向上計画でFWがスタディ業務
…KBR、ロシアのアンモニアPJにプロセス供与
…Petrofac、KhazzanガスPJのCPF受注
…POSEC、ペルーで発電所受注
…三星エンジ、アルジェリアでガス田開発PJ受注
…StatoilとBG,タンザニアでLNGプラント計画

■Procurement
・富士電機、アジア・中国市場向けUPS
・NEC、下水道管路調査の専用ロボット
・横河電機、無線フィールド機器に変えるアダプタ

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 04号 表紙

 

EYE
非科学的な安全対策

 原子力発電の安全対策に、確率論的リスク評価(PRA)を導入していく、という動きが出ている。福島第一原発事故により、これまでのリスクマネジメントが不十分であった、という認識のもとに、新たな手法として米国で構築されてきたPRAを国内の原子力事業者に導入すべく、日米ラウンドテーブルがこのほど初めて開催された。
 原子力発電におけるPRAは、原子力施設で発生する、あらゆる事故を対象に、その発生頻度と発生時の影響を定量評価し、その積であるリスクの大きさで安全性を評価するもの、と説明している。要するに、ごく一般的に言われているリスク評価手法を原子力発電に適用しよう、というだけのことである。むしろ、どうして今までこんな普通のことが原子力では研究すらされてこなかったのだろうか?という疑問の方が先に立つ。
 これまでの日本の原子力発電の安全性は「決定論的」な個別対応で終わっていた。これは過去の知見をもとにある程度対象範囲を絞ったうえで対策を行うというもので、効率は良いが、想定を超えた事象には対応できない。通常は、この決定論的アプローチと確率論的アプローチの双方を組み合わせてリスクを評価し、対策を講じていくのだが、日本の原子力事業者は決定論的アプローチに偏重してきた。しかしそれはしばしば、プラントでの事故と一致しない、と言われる。また複数の安全対策で多重防護を作っても、そのどれもにも穴があり、事象によってはそれらの穴が繋がって、重大事故に繋がっていくことになる。「スイスチーズモデル」である。
 これに対して確率論的アプローチはより広い範囲での事象を対象にすることができる。ただ、研究が進まない限り、現実に近いリスク評価をすることが出来ない。従って、不断の研究が必要となるが、日本はこれを怠ってきた。「安全神話」の内側に閉じこもり、多重防護を築き上げることで、安全が確立されたと思い込んできたのだ。日本の原発の安全に対する姿勢は科学的ではなかった。

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EDITORAL
編集後記

○…今年の二月の首都圏は、二週にわたり大雪にみまわれた。実に数十年ぶりに雪かきをした結果、二回も腰痛に悩まされることになった。雪国の人たちの大変さを身にしみて味わった。今後も大雪の日がないとはいえないだろう。大雪になると、雪に弱い東京は交通網が麻痺して、その後遺症は数日に及ぶ。東京で積雪が観測されるのは年に数回だろうと思うが、その影響は小さくない。
 その数が少ないだろうと思う雪の日に、政治的な大事件がいくつか。昭和史における大事件、2・26事件。雪の早朝、陸軍青年将校が1483名の兵を率い“昭和維新”と称して政府中枢を襲ったクーデター未遂事件である。決起直後の雪が降り積もった半蔵門付近の写真が残っている。
 もう一つは、絵でしか様子が知れない。安政7年3月3日(1860年3月24日)に桜田門外で水戸藩、薩摩藩の脱藩浪士が彦根藩の行列を襲撃して、大老・井伊直弼を暗殺した事件である。当日は季節はずれの大雪で視界は悪かったらしい。安政の大獄で恐れられた井伊直弼は、日米修好通商条約に調印し、日本の開国近代化を断行している。彦根藩では名君とうたわれた。茶道に由来することわざ「一期一会」を世に広めたのは井伊直弼である。今後も何度か大雪に見舞われるかもしれないが、是非とも大雪に会うのは「一期一会」であって欲しい。

○…現在の通説では、天皇称号の成立は7世紀末の天武朝とされている。しかしこれは大化改新の再評価が進む中で疑問だ。天皇称号成立を金石文などと日本書紀から推古朝(7世紀初頭)としたのは大家津田左右吉である。津田説は、現時点で見ても妥当な結論だ。しかし、この時期の天皇はスメラミコトではなく、隋書のアメタリシヒコ。これは天から下った子の意味と隋書はいう。聖徳太子の主導する倭国は隋との対等外交を目指したが、隋に拒絶され、その後の倭・日本は天皇・天子という中華帝国の皇帝と対等な称号は認められることなく倭王・日本王であった。
 日本の遣唐使が日本の君主を唐に称したのはスメラミコトであった。聖武朝(8世紀)の国書で唐の玄宗か主明楽美御得と呼んでいるのがその証拠だ。日本国内で天皇でも唐には皇帝と対等ではない称号としてスメラミコトを考えたのだろう。それが天武朝以降というのはあり得ることだ。
 スメラミコトのミコトは尊者の言葉で、尊者を指す。スメラは江戸時代から言われているように統ぶ(下二段)の類語(動詞の変化形ではない)で統率、支配の意味。スメは皇孫皇祖など皇室関連の意味がほとんどとなったが、スメガミに皇祖神以外に万葉集などをみるとある領域の支配神という意味があることが、この意味を裏付けている。

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