○…数字の中では、何故か「2」が好きである。単に2月は自分の生まれた月であるからなのかも知れないが。2月は気候的には甚だ寒い日が多く、雪の日が1年で最も多い月だ。体感的には決して過ごしやすい月とは言えない。けれど、正月気分が抜けきれない1月を経て、やっと新たな年を迎える「きっぱりとした」気分を感じる。「2番じゃダメなんですか」ではないが、個人的には2番の方が1番よりはい心地がいい。
さらに2月のいいところを探してみた。他の月が、30日、31日なのに比べて28日か29日しかなく、他の月の責任をすべて2月が引き受けているという気がしないではない。さらに、春を迎えるにあたっての息吹きを感じることができ、すごし易い季節を迎える準備期間なのだろう。
だが、「二」という数字がついた文字はいい表現が少ないようだ。例えば、「二重人格を顧みず、二心を抱いてことに臨んでみた。二足の草鞋をはき、二枚舌を駆使して、二番煎じを承知の上で、二兎を追ってはみたが、やはり二束三文で売り払う結果になった」と、むりやり「二」のつく漢字を並べてみたが、どうしてもいい表現にはならないようだ。一方で、数は少ないがいい表現もあるにはある。「二世を契り、二人三脚で人生を歩む」というくらいしか思いつかないが。二者択一を迫られれば、一より二がいい。
○…今の高校日本史では聖徳太子とは教えない、代わって厩戸皇子というそうだ。聖徳太子は憲法17条など国家制度、法隆寺など多数寺院、そして日本仏教とあまたの文化・制度・文物の創始者とされてきた。近年では最高額紙幣の肖像として7度登場した。歴史的に日本文化を象徴する人物の一人である聖徳太子という名前を教えないのは愚挙としか言いようがない。
学者は、聖徳太子は生前の名前ではない、後年カリスマ化されたあとの名前だから、厩戸皇子を採用するということのようだ。これは理屈にあわない、歴史上の天皇名はすべて薨去後の諡(おくりな)だ、聖徳太子で良いはずだ。他にも大山某という歴史学者の聖徳太子抹殺論(関連の日本書紀や金石文などの記事を消去することで成立する暴論、ただし宣伝効果抜群、世間的影響大)への配慮や政治的背景もありそうだ。
聖徳太子は仏教儒教に精通し、為政者として各種制度制定、隋との国交、歴史書の編纂など革新的政治を主導した賢人政治家であり、寺院創立ともに仏典に通じた仏教指導者であったことが、日本書記や金石文などから知られている。とくに法隆寺創立の経緯を述べた法隆寺薬師如来光背銘で太子を「東宮聖王」と呼んでいる。これは聖徳太子と同義だから、生前から聖徳太子にほぼ類似した名称・評価があったといえる。 |