EnB 03号 目次
詳細 のマークがついているものは記事の内容がご覧になれます。

 

■EYE詳細へ
もんじゅを捨てろ

■REPORT
拡大期迎える?水インフラ輸出

■GLOBAL REPORT
Bechtel、2012年もE&Cランキングで世界トップ級
ENR誌データによる企業ランキング
(プロセスE&Cコントラクターランキング②)

■TOPICS
世界の再エネ、2030年までに3倍に

海洋エネルギー市場、9兆円超に

JCCP国際シンポジウム開催

■NEWS Flash
・日揮、SRCの製油所改修PJを受注
・三菱商事〜東芝プラント、比ミンダナオ島で発電プラント
・新日鉄住金エンジ、印JSWの高炉改修工事受注
・日立製作、アモナックス菌で省エネ水処理
・メガソーラー等、新エネ関連が活発
・2013年建設受注、2割増加
…三菱重工、米国向け初のJ形GT受注
…JFEエンジ、香南清楚組合のごみ処理施設受注
…タクマ、木質バイオマスボイラ受注
…三菱日立パワーシステムズが営業開始
…三菱〜日立、中国でガスエンジンで協業
…Hitz、インドネシア法人設立
…東芝、ロシアに電力用変圧器工場
…東芝、京浜にグローバルエンジ・製造センター

■Projects News
…Aramco、Ras Tanura製油所で再入札か?
…アラスカ州、North Slopeに出資
…印Reliance、藻類バイオでパイロットプラント
…ロシアでPTA・PET計画
…アルゼンチン石化セクター、シェール開発へ
…バングラデシュでLNG受入ターミナル計画
…印BPCL、製油所能力増給へ
…米NTE Energy、Daytonにガス火力
…Ineos、Vung Ro Petroleumにライセンス
…Jacobs、オイルサンドのメンテマネジメント受託
…マレーシアFLNGでFID
…Ophir、赤道ギニアFLNGでパートナー探し
…Pemex、グアテマラとガスパイプライン建設へ
…露PhosAgroのアンモニア計画で日本が融資
…Tecnicas Reunidas、ペルーの製油所を受注
…Tecnimont、ロシアで肥料プラント受注
…内モンゴルの石炭-オレフィンプラントで認可
…Abengoa、チリで太陽熱発電を計画
…BASF、アラバマにTrilon Mプラント計画
…Honeywell、中国にUOP技術をライセンス
…NWIW、オレゴンとワシントンでメタノール
…Dakota Gas、尿素プラントを建設へ
…イラン、製油所改修に80億ドル投資
…CPECC、カザフの製油所近代化を受注
…POSCO E&C、ペルーで発電プラント受注
…Sabic、今年中にも米市場に参入か
…Valero、ルイジアナの製油所拡張計画を改訂

■Procurement
…横河電機、最適オペレーション推進支援ソリューション
…トプコン、インフラ設備等の動態変異監視用測定器
…神戸製鋼、熱回収運転に適した小型容量機

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■エンジニアリングダイジェスト

■データ・ファイル

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■Editorial 詳細へ

EnB 03号 表紙

 

EYE
もんじゅを捨てろ

 日経新聞が1面トップで「もんじゅ「増殖炉」白紙 政府、エネ計画から削除」という記事を載せた。直後に菅官房長官はこれを否定した、がその全て否定し切った訳ではなく、見直しの可能性については含みを残している。
 日本の核燃サイクル構想のなかで、もんじゅは中核と位置付けられている。政府が原発再稼働に向けて動きつつある今、もんじゅが次期エネルギー基本計画から削除されることとなれば、日本の核燃サイクルは事実上、終了し、原子力のメリットが減価されることになると考えられている。
 だが、もんじゅは1995年にナトリウム漏れ事故を起こして以来、トラブルも続き、まともに運転などできていない。毎日数千万円の維持費をただ消耗していくだけで、プロセスの実証すら出来ていない。管理体制にも不備あるなどで、昨年5月には原子力規制委員会が運転再開準備の停止命令を出しており、再稼働のメドも付いていない。
 この状態でもんじゅを維持していても、徒に税金を消耗していくだけで、もんじゅによる実証など、今後も見込めないのは事実だ。プロジェクトマネジメント能力など無い学者が寄ってたかって、コールドアイレビューもなしにプラントの設計をもとにつくられたもんじゅは、構造物としてはポンコツであり、実証の目的を果たす望みは無い。むしろ、もんじゅに拘っていることで、いつまでたっても核燃サイクルが夢の状態であり続け、その夢に無駄に資金が供給されている悪循環を断ち切らなければならない。もんじゅを捨てた上で、核燃サイクル全体を見直すべきだろう。
 先ごろ、米国が日本の所有するプルトニウムの返還を求めてきたという報道もあった。世界の日本を見る目は厳しくなっている。
 いつまでも実現しない核燃サイクル開発を続け、余剰プルトニウムを抱え続けることは、「日本の真の目的は核燃サイクルではなく核兵器だ」と、米国をはじめとする国際社会から、あらぬ疑いをかけられることになるだろう。

最新号目次へ

 

EDITORAL
編集後記

○…数字の中では、何故か「2」が好きである。単に2月は自分の生まれた月であるからなのかも知れないが。2月は気候的には甚だ寒い日が多く、雪の日が1年で最も多い月だ。体感的には決して過ごしやすい月とは言えない。けれど、正月気分が抜けきれない1月を経て、やっと新たな年を迎える「きっぱりとした」気分を感じる。「2番じゃダメなんですか」ではないが、個人的には2番の方が1番よりはい心地がいい。
 さらに2月のいいところを探してみた。他の月が、30日、31日なのに比べて28日か29日しかなく、他の月の責任をすべて2月が引き受けているという気がしないではない。さらに、春を迎えるにあたっての息吹きを感じることができ、すごし易い季節を迎える準備期間なのだろう。
 だが、「二」という数字がついた文字はいい表現が少ないようだ。例えば、「二重人格を顧みず、二心を抱いてことに臨んでみた。二足の草鞋をはき、二枚舌を駆使して、二番煎じを承知の上で、二兎を追ってはみたが、やはり二束三文で売り払う結果になった」と、むりやり「二」のつく漢字を並べてみたが、どうしてもいい表現にはならないようだ。一方で、数は少ないがいい表現もあるにはある。「二世を契り、二人三脚で人生を歩む」というくらいしか思いつかないが。二者択一を迫られれば、一より二がいい。

○…今の高校日本史では聖徳太子とは教えない、代わって厩戸皇子というそうだ。聖徳太子は憲法17条など国家制度、法隆寺など多数寺院、そして日本仏教とあまたの文化・制度・文物の創始者とされてきた。近年では最高額紙幣の肖像として7度登場した。歴史的に日本文化を象徴する人物の一人である聖徳太子という名前を教えないのは愚挙としか言いようがない。
 学者は、聖徳太子は生前の名前ではない、後年カリスマ化されたあとの名前だから、厩戸皇子を採用するということのようだ。これは理屈にあわない、歴史上の天皇名はすべて薨去後の諡(おくりな)だ、聖徳太子で良いはずだ。他にも大山某という歴史学者の聖徳太子抹殺論(関連の日本書紀や金石文などの記事を消去することで成立する暴論、ただし宣伝効果抜群、世間的影響大)への配慮や政治的背景もありそうだ。
 聖徳太子は仏教儒教に精通し、為政者として各種制度制定、隋との国交、歴史書の編纂など革新的政治を主導した賢人政治家であり、寺院創立ともに仏典に通じた仏教指導者であったことが、日本書記や金石文などから知られている。とくに法隆寺創立の経緯を述べた法隆寺薬師如来光背銘で太子を「東宮聖王」と呼んでいる。これは聖徳太子と同義だから、生前から聖徳太子にほぼ類似した名称・評価があったといえる。

最新号目次へ

Copyright (C) 2002 ENGINEERING JOURNAL CO,.LTD. All Rights Reserved.