○…このところ寒さが厳しく、外出も億劫になっている。そうすると、ただでさえ運動不足気味なのにますます体全体を動かす機会がめっきり減っている。当然、体のあちらこちらにガタがきているような感じが増してくる。寒さのせいばかりとも言えまい。歳をとるにしたがって、動きが鈍くなっているのは確かだ。しかし、これまでは暖かい春の到来とともに運動不足が解消されてきた。
それにしても、若い頃よりは寒さにめっきり弱くなった。暖かいところへ行きたいが到底無理だ。生活地点を変えられない身としては、悪者になっている「温暖化」にせめて期待する他ない。それにしても温暖化はどうしたのだろうか。世界各地で寒波到来のニュースは聞かれるはするが、温暖化の進展はあまり聞かなくなった。
2013年9月26日に国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が「第5次評価報告書」を発表した。大手新聞社は社説で「温暖化対策」の緊急性を訴えた。「しかし、報告書には問題が多く、事実から目を背けた部分や、第1〜4次より劣化した部分もある」とする説もある。事実、1998年以降の16〜17年間は、権威ある数機関が発表する地上気温も、1979年以来の衛星観測気温も、横ばいのまま推移しているらしい。いわば「CO2は増えているのに温暖化は停止している」そうだ。やはりコタツで丸くなる他ない。
○…昨年発覚した食材表示偽装に関して消費者庁がガイドラインを作った上に監視業務を実施するという。大した被害があったとも思えない、提供者のブランドの問題で官でなく民間レベルで解決すべきだろう。
世の中にはもっとひどいウソ、危険なウソが蔓延している。生物学者の池田清彦が「この世はウソでできといる」という本を書いているが、取り上げている項目のほとんどに賛成だ。エネルギー環境関連では原発、ダイオキシン、地球温暖化、自然エネルギーなどをやり玉に挙げている。ウソが正しいとされると制度が作られ、それに依存する人が出現する。ウソとわかっても制度を廃棄できなくなる。まさにエネルギー・環境関連はその典型だ。
生物学者の発言として相応しい項目にiPS細胞関連がある。一般向けにiPS細胞については問題点を指摘したものとして極めて有益だ。各種機関に分化以前の細胞としてのES細胞が胎児殺しという倫理問題があるのに対し、分化した本人の細胞を初期化してつくるiPS細胞には倫理問題はない。しかしiPS細胞はがん化確率が高い。がん幹細胞というのは同じく分化した細胞が活性化したものだ。iPS細胞とがん幹細胞が近い関係にあるのは間違いない。iPS細胞には未解決の問題が多く、iPS細胞を使った治療の実用化には相当時間がかかるだろうとしている。 |