EnB 21号 目次
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■EYE
不透明な汚染水対策

■Report
規模の拡大を約束する海洋資源開発

海外市場は好調も、利益率は低下傾向に
エンジ会社の2013年度中間期決算

■GLOBAL Report
米国シェール関連プロジェクトの建設
実現には労働力供給が鍵

■GLOBAL Business
・Jacobs、中国でエジニアリング企業買収へ
・Technip、寰球工程公司と欧・中で調達合弁
・Siemens、水処理部門を投資会社に売却
・AMEC、米国の原子力サービス企業を買収

■TOPICS
上半期産機受注2年ぶりに増加もプラントは減少-産機工まとむ

IHI NeoG、藻類バイオ燃料で実証

■NEWS Flash
・JFEエンジ、インドネシアで廃熱回収発電受注
・クボタ、インドネシアでバイオガス回収設備受注
・再生医療産業化の基準策定、年度内に提案まとむ
…月島機械、ラービグ2の廃液・廃ガス処理設備受注
…三菱重工、ブラジルで電気バスの走行試験
…大阪ひかりの森プロジェクトが開始
…IHI、ブラジル・インドネシアで技術紹介
…東芝、奥飛騨温泉郷で地熱発電
…福島復興浮体式ウィンドファーム、運転開始
…日立製作所、インフラシステム体制を強化

■Projects News
…TOYO、露MMA受注ヘ。MGCが技術サポート
…アブダビの廃棄物発電でPQ
…Ras Laffanで次期IWP
…Duqm製油所FEED入札決着せず
…アルジェリア肥料計画でKBRがスタディ業務
…BP、新技術による石化計画を来年公表へ
…Areva、ブラジルAngra3原発を受注
…CNOOC、BC州とLNG計画で合意
…EuroChem、カザフでリン鉱石採掘へ
…Exxon〜BP、Scarborough FLNG計画で承認
…Fort Hillsオイルサンド計画にゴーサイン
…GazpromとPetroVietnam、Dung Quatで合意
…GaspromとSibur、ガス処理・石化計画
…Jacobs、英原発の技術コンサル業務受注
…マレーシア高速鉄道で500億ドル
…米Luminant、原発の認可プロセスを停止
…MexichemとOxyChem、テキサスのエチレンでJV
…チリで造水プラント計画
…大日精化と三菱商事、メキシコで樹脂コンパウンド
…キプロスとTotal、LNG輸出で合意
…アルゼンチンでホウ酸プラント計画のFS
…Petrofac/Bonatti、アルジェリアでガス田設備
…PetronasとVersails、エラストマーでJV
…露PhosAgro、アンモニアプラントに着工
…米Rextac、PDH-PPプラントを計画
…Sasol、カナダのGTLを2021年に稼動へ
…Shell、イラクで石化コンプレックス

■Procurement
・アズビル、プラント重大事故を予測
・横河電機、拠点間遠隔での運転・エンジ支援を強化

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■エンジニアリングダイジェスト

■Editorial 詳細へ

EnB 21号 表紙

 

EYE
不透明な汚染水対策

 福島原発の汚染水対策がチグハグだ。先般、国際廃炉研究開発機構(IRID)は、汚染水対策の技術提案を世界から募集。779件の応募を得た。これをベースに、汚染水処理対策委員会は「予防的かつ重層的な対策を講じるという視点から」実施可能な対策を行って行くとしており、年内にも対策を取りまとめるとしている。
 ただ、この中には地下水遮水壁に関する技術提案も多く寄せられている。周知の通り、地下水流入抑制として凍土壁を構築することが決められているが、この規模では実績もなく、実際に流入抑制に役立つかどうかわからない。しかも効果があっても、冷凍機に多くの電力を要するというデメリットもある。それに対して、寄せられた提案には、コンクリートや鋼製の地中連続壁など、既に多くの実績を持っている「常識的」な技術が含まれている。だが、既に決まっているという理由で、凍土壁の採用を再評価することはないという。これには違和感を禁じえない。
 振り返ってみれば、凍土壁の採用が決まった際には、わずか4つという、極めて限られた提案の中から、実績の無い凍土壁が採用されたのである。これに対して今回は、世界から多くの実績ある技術が提案されている。しかし委員会では凍土壁の採用を再評価しない。
 FSすら終わっていない未知の技術Aと、既知の実績のある技術Bを同じ土俵で比較評価することなく、未知の技術Aの採用を前提とし、その予防的、重層的対策として既知の実績のある技術Bが採用される。未知の技術Aを採用して効果がなかった場合に、代替として既知の技術Bを使うというのは、どう考えても論理的とは言えない技術決定プロセスだ。
 しかもこれは東電のカネではなく、税金で支払われるプロジェクトである。実は、凍土壁の採用には自民党議員の意向が働いたという話も流れている。こんな方法で恣意的に決められた対策に、税金を投入するのは問題だ。

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EDITORAL
編集後記

○…法隆寺(西院伽藍)は世界最古の現存木造建築であるが、建設年代については、見解の相違が明治以来ある。日本書紀に670年に法隆寺が全焼との記事がある。現在の法隆寺は8世紀に再建されたという再建説と、焼けたのは別の寺で現在の西院金堂は聖徳太子薨去後の620年代に立てられたという非再建説である。今は前者が学界などでは優勢だが、両者の論拠、さらに最新の年輪年代の成果をみると、非再建説が正しい。
 建築史からみて西院伽藍が7世紀前半の飛鳥様式なのは間違いない。その金堂には本尊の釈迦三尊など飛鳥金銅仏があり、移動は考えられない。一方、若草伽藍跡と呼ばれる地区の発掘により670年の焼失が事実ということが判明している。
 日本書紀には法隆寺とは別に聖徳太子家の私寺として斑鳩寺がある。本尊の釈迦像の光背銘は聖徳太子薨去直後の造像を述べており、この像を本尊として金堂が作られたと見られる。年輪年代学の成果は西院伽藍の使用材が6世紀末以降7世紀代の年代を示し、7世紀飛鳥時代の西院伽藍の存在を示している。
 金堂にはもう一つの本尊薬師仏があり、その光背銘は用明帝の勅願寺としている。薬師仏は飛鳥仏ではなく、後代のものだ。用明帝の勅願寺として法隆寺(若草伽藍)が立てられ、焼失後、法統を斑鳩寺が継ぎ、焼失した薬師仏を再造して安置したと見られる。

○…先日まで、大いに世情をにぎわしていた問題がある。食べ物に関わる表示の偽装だ。有名ホテル・レストラン・高級旅館など、出て来るは、出て来るは、食材偽装が次々と明らかになった。ホテル側は「誤表示」と言い訳したが、結果的には偽装だろう。かつて餃子を代表とする中国製食品の危険性が言われたが、国内産表示でも安心していられない。
 発覚した例をいくつかあげてみよう。高級旅館による牛脂注入の“霜降り肉”、会席料理の「和牛ステーキ」も、結構な値段を取りながらインチキだった。和牛でなくても、せめて国産牛(国内で一定期間飼育)と思いきや、これが格安の豪州産冷凍物だった。有名ホテルでは 「フランス産フォアグラ」は別の産地で、「和牛」は豪州産牛肉と悪質。さらに「サーモン」(サケ)と表示しながら、海水中で養殖された「トラウト」(マス)を提供していたことを謝罪した。そのほか、人工フカヒレも典型的なフェイク食材。それを使うかどうかはホテルの格に関係なさそうだ。酒飲みにショックだったのは「純米酒」偽装だ。
 こうなると、あらゆる食材を疑りたくなる。提供する方は競争の激化で、何でも有りになる。「黒毛和牛」のハンバーグが、この値段ならお得とか、「手造りハム」がこの値段ならとか。更には、安ければ安い方が良い、という消費者の誤った判断も大きく作用しているかも知れない。

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