EnB 19号 目次
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■EYE
不透明な原発事故処理

■GLOBAL Report
韓国の第3四半期海外プラント・建設受注、増加に転ず
1〜3四半期累計でプラント462億ドル、建設448億ドル

■GLOBAL Business
・Jacobs、オーストラリアSKMと買収契約に調印
・Jacobs、南アフリカエンジニアリング事業を拡大
・FW、中国で新規合弁E&C企業を設立
…FW、メキシコのエンジニアリング企業を買収
…FW、英国の上流コンサルタント企業を買収

■REPORT
日本の廃炉市場参入を図る仏原発産業

東北復興PJ来年度にも本格化へ
セメント流通体制の増強へ

■TOPICS
電力システム改革ビジネスが始まる

シェールガスのインパクト-エネ研、2040年迄の見通しまとむ

■NEWS Flash
・JICA、TOYO等の海外PPP案件8件を採択
・IHI、メキシコ向けEOリアクタ2基受注
・川崎重工、インドネシア向け石炭焚きボイラ受注
・横河電機、海外プラント向けに受注相次ぐ
・JFEエンジ、国内最大のバイオマスボイラ受注
・環境施設発注相次ぐ
…クボタ、米向けMBR水再生処理施設を受注
…日立製作所、リトアニアエネルギー公社と協業
…川崎重工、米向けグリーンGE初出荷
…三菱重工など5社、ブラジル造船に資本参加
…東芝、インドネシアの電力需給緩和の事業性調査
…新日鉄住金エンジ、北海道PCB施設を納入
…新日鉄住金、津波堆積物の建設資材化技術を確立
…PMシンポジウム2013開催

■Projects News
…タイPTT、マイクロGTLでFIDへ
…日揮、ベトナム製油所のFEEDを受託
…日揮、Ras TanuraのO&Uで単独ビッダーに
…FW、サウジJazan石化PJ業務を受注
…Sasol、米エチレンでTechnipにFEED
…Alaska LNG、サイトを決定
…CNPC、ウズベクのガス石化PJに参加
…Enterprise、新規LPGターミナルを計画
…FW、クウェート・アロマPJのFS受注
…ThyssenKrupp、ベラルーシの肥料プラント受注
…インドで新規PDHプラント計画
…Pertamina、製油所近代化でFS
…Kinder Morgan、パイプラインを延長へ
…Kentz、カタールLR2で受注
…Shell、台州の製油所計画から撤退
…Technip等、CPChemのPEプラント受注
…Wison、中国のCTMプロジェクト受注
…Wison、ベネズエラの製油所建設業務受注
…モロッコの揚水発電設備入札に3グループ
…新疆邦友、石油・石化コンプレックス計画
…Sinopec、カンボジア製油所PJに参加
…カタールAl-Sejeel石化コンプレックスでテンダー
…仏Total、アブダビで化学EOIを実証へ
…Gazprom、イラクのタンク設備で再入札

■Procurement
…横河電機、アンテナ一体型無線通信機
…ケミトックス、太陽電池モジュールの試験サービス
…アズビル、高精度計測の渦流量計を販売開始
…ノルトロック、スーパーボルトを国内販売

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

■Editorial 詳細へ

EnB 19号 表紙

 

EYE
不透明な原発事故処理

 「日本の廃炉市場は閉鎖的で、江戸時代の鎖国を思わせる」。原子力・廃炉分野のフランス企業来日ミッションの冒頭で、参事官の口からこうした発言が飛び出した。
 「2011年の末から2012年にかけて、多くの外国企業が日本政府に様々な技術提案を行った。しかし2013年、米仏の企業で福島第一原発の処理に入っていった協力企業はない」という。
 確かに、仏アレバやShawグループなどが汚染水処理装置で技術供与しているが、現地には入っていない。安倍首相が「世界の英知を集めて」という割には、世界から技術だけ拝借し、外国企業が直接、協力会社として現地に入ったことはない。その点に対する不満の表れである。
 先般、福島原発の汚染水処理対策事業で二件の入札が行われた。凍土壁および高性能多核種除去設備の二つに対して入札が行われた。その結果、凍土壁の実証事業は東京電力〜鹿島建設の1件のみの応募で、高性能多核種除去設備については14件の応札に対して、東京電力〜東芝〜日立GEニュークリア・エナジーが採択された。
 気になるのは、いずれの採択事業者にも東京電力が入っている点である。実証事業であるから、当然東京電力は関わるにしても、東京電力が入ったコンソーシアムのみが落札しているのは、違和感を覚える。
 担当部署では「開発案件なので、どこの企業が入っていても構わない」「厳正に審査した結果」としている。確かに、開発案件なのでオペレータが入っていても良いのかもしれない。しかし問題は、その選定理由が開示されていないことである。選定理由だけではない、選定者の情報も、14件の応募者も、そして外国企業数も何も開示されないのである。表面的に見て、これは東京電力ありきの結果と捉えられても仕方のない案件だ。公正性に疑義が生じる結果となったものに対して、何の説明もされない。鎖国状態にある、といわれても仕方がない。公正だ、と胸張って証明できない。

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EDITORAL
編集後記

○…「ガス業界は、個人宅の中の部屋のガス管まで管理責任を問われる。しかし電力会社は個人宅の配線までは責任を問われない形になってる。日本では毎年、漏電による火災が多く発生しているが、電力会社はその責任を問われないことになっている」と、ガス業界の人に指摘された。この話の内容の事実関係を確認してはいないのだが、確かに、ガス会社がガス漏洩に関しては一定の責任を問われているのに対して、漏電火災で電力会社の責任が問われたというのは聞いたことがない。漏電遮断機が配電盤についているので問題ないということかとも思うが、火災が多く発生しているのであれば、漏電遮断機は普及してないか、あまり役に立っていないということになる。
 電力会社がリスクを外部に押し付けて、できるだけノーリスクで経営しようとしているのは既に知られている。
 例えば、メンテナンスや調査を受託した企業が、設備の問題を指摘しようものなら、指摘した会社の方がその責任を問われるような状況では、誰も問題を電力会社に報告しようとは思わない。それが原子力発電所における「データ隠し」の背景でありながら、電力会社は外注先企業だけに責任を押し付けてしまった。
 こうした電力会社のノーリスク志向は、原発事故でも遺憾なく発揮されているのも、既に目の当たりにしている。

○…10月半ばにスポーツ選手・指導者を主人公とする二つの話題があった。危機管理という面から正反対の対応であったように思われる。
 一つはプロ野球千葉ロッテマリーンズの選手が、三鷹ストーカー殺人事件の被害者をツイッター上で揶揄したとされる問題。球団も事態を重く見て、本人を自宅謹慎処分にして事情聴取を行っていた。しかし本人は「友人に管理を任せていた」と発表した。まず第一に、第三者に自分の名をつかわせるなど論外だ。ツイッターの内容をみたが、被害者を貶める内容なのは間違いない。だが、素直に謝罪して身を慎むことですんだ問題だと思う。最悪なのは第三者に責任を転嫁したことで、別の問題を起こしてしまった。
 もう一つは、元サッカー日本代表の前園選手が起こした事件だ。酒に酔った上でタクシー運転手に暴行したという。少年サッカーチームの指導を行っている前園氏は、初めから素直に謝罪し、タクシー会社が出した声明も、殊更相手を非難するものではなかった。双方が危機がおきたときにどう対応するかということをわきまえていたといえよう。その後、前園選手は指導している少年、保護者を前に反省、謝罪の弁を述べて、受け入れられたという。
 危機のとき、人と組織がどのように対応するかで問題は全く違ってくるようだ。

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