○…最近、月2回は映画を観ている。といっても、映画館に行くわけではなく、DVDを借りてきて近隣の集会所の大画面で鑑賞している。10人近くで2010年から始めたこの映画会では、既に約80作品を上映した。数回を除きほとんどの上映会に参加しているので、それ以前、自身の半世紀近くで観た映画の本数に匹敵するのではないかと思う。毎回、順番に上映作品を推薦するから自分の好みのジャンルではない作品もある。反面、自分一人では絶対に見ようとは思わないであろう作品だが、感銘を受けたこともある。
ここ2〜3カ月で上映した作品をあげると、ビルマの竪琴(1956年版、日)、鍵泥棒のメソッド(日)、恋する惑星(香港)、英国王のスピーチ(英豪)、ユージュアル・サスペクツ(米)などだ。古い映画があり、新しいものもある。歴史もの、恋愛もの、ミステリーありとバラバラだ。ところが、これらはそれぞれに興味を惹く作品であったし、感銘を受けた映画もある。発足当初は欧米の名画といわれる作品を推薦する人が多かったが、最近は邦画が増えている。また、時々マニアックな作品も上映する。まだまだ、観たい映画は一杯ある。
ただ、一つだけ学んだことがある。いわゆる評論家といわれる人たちが高い評価を与えた映画が必ずしもいいとは限らないことだ。映画だけではないが…
○…趣味の日本古代史について、最近の学説・通説を知ろうと、岩波新書のシリーズ日本古代史を読もうと考えている。うち前半の3冊、奈良時代直前までの日本史。
①「農耕社会の成立」は弥生考古学者石川日出志による弥生時代までの歴史。弥生時代は渡来人が縄文人にかわり、西日本中心に新文化を築いたというイメージでなく、縄文・弥生の連続性を強調するものという。しかし縄文は東日本に中心、クニの成立に繋がる弥生とは異なり、縄文は王の出現しない社会、縄文と弥生の断絶は大きい。このアポリアを解決しているのだろうか。
②「ヤマト王権」は文献史学者吉村武彦による邪馬台国などから倭の五王、仏教伝来までの歴史。この時代は最近古墳時代として考古学者によるのが普通だけに文献史学者によるのは期待できる。文献は前半部中国正史、後半部日本書記が主。中国正史による時期での日本側の記録伝承として日本書記に役割が与えられていない。日本書記の復権がこの時期では未だしなのは残念だ。
③「飛鳥の都」は推古帝の即位から、大化改新、律令体制確立までの7世紀史。著者吉川真司は早くから大化改新を復活させた文献史学者だ。戦後日本書記は忌避されてきたが、発掘・木簡の解読により日本書記の信頼性は揺らぐどころか回復してきているという。この書は読み応えがありそうだ。 |