EnB 18号 目次
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■EYE
復興をめぐる逡巡

■INTERVEW
INCHEM TOKYO 2013が開催
セミナー充実、国際交流の場に
日揮代表取締役会長 竹内敬介 組織委員長
‐INCHEM TOKYO 2013概要‐

■GLOBAL Report
12年世界エンジ産業、欧州低迷新興地域上昇
2012年の世界エンジニアリング企業の動向(3)‐その他編‐

■REPORT
復興に貢献する大船渡セメント工場

■TOPICS
世界市場3兆円を突破する太陽光‐エンジ会社も参入相次ぐ

■NEWS Flash
・日揮、米国で大型エチレンプラント受注
・千代化、ガボン油田会社に参画
・三菱重工、マイアミ空港APM増強工事受注
・新日鉄住金エンジ、CO2回収設備「ESCAP」1号機を受注
・月島機械、西表島から黒糖製造プラント受注
・三菱重工、ヴェスタスと洋上風力で合弁会社
…TOYO、ミャンマーの水道事業でMOU
…月島機械、都下水道局から汚泥焼却炉受注
…NEDO、インドネシア・スマコミ事業者公募
…千代化、タイの省エネ診断事業で最終報告
…豊田通商、北米最大の電力卸売市場に参入
…東芝等、宮古島のEMS実証事業の運用開始
…Hitz、ミャンマー現地法人設立
…三井造船、相次ぎ子会社
…日鉄住金P&E、中国営業所を開設

■Projects News
…Sabic、三菱レイヨン、EPCテンダー
…BASF、米でポリウレタン混合設備
…印Kochi製油所、Essar子会社がエンジサービス
…Sabic、キサンタンガム設備建設を計画
…FW、ロシアの製油所近代化PJ受注
…印HPCL、石油石化コンプレックスで認可取得
…PemexとMexichem、塩ビモノマーでJV
…Pequiven、新ポリマープラントに40億ドル
…Petrofac等、カザフで石化PJ受注
…印RCF、肥料プラント計画
…UPCとAlpek、PTAとPETでJV設立へ
…Bapco、Sitra製油所拡張へ
…Dowポリウレタン、タイで新プラント計画
…北米初の小規模GTL計画
…FW、ペルーでパイプラインPJでコンサル
…Gazprom、LNG輸入ターミナルを計画
…ICA Fluor、PEMEXの製油所再構築PJ第1段階を受注 …Ineos PhenolとSinopec、南京PJを推進
…露Far East LNGでFEED
…パキスタンでLNG輸入ターミナル計画
…Pertrobras、PdVSAとの協業を解消
…Shellの米GTL計画、サイトはBaton Rouge
…米Trunkline LNGが前進
…ドバイ政府、製油所建設でSonangolとMOU

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■エンジニアリングダイジェスト

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■Editorial 詳細へ

EnB 18号 表紙

 

EYE
復興をめぐる逡巡

 東北の被災地を見て回る機会を得た。
 復興工事は確かに始まっている。だが、まだまだ初期段階に過ぎない。港に面した市街地は、一部のコンクリート構造物を残して、ほぼ一面の平地となっている。そこに生え茂るセイタカアワダチソウの合間から除くコンクリートの基礎が、そこにかつて住宅があったことを示している。そんな場所がいくつもある。巨大なクレーンが港で復興工事を進めているその手前には、そうした平地が広がっている。港の工事現場のなかに、ポツンと立っている「奇跡の一本松」の姿は、港を復興させても、人が戻るのか?という不安を感じさせるようであった。
 陸前高田や南三陸町はよく紹介されているが、被害を受けたのはそこだけではない。もっと小さな港も、軒並み家が流されている。そのような、家が流された小さな港は、リアス式海岸の美しさを皮肉にも際立たせているようにも感じた。
 復興作業があまり進んでいないのは、工事の作業員が確保できないからではなく、用地の確定が出来ないためだという。死者、行方不明者が多く、土地の所有権がはっきりしないからだ。自治体は鋭意、所有権者を探し出し、用地の取得に関する交渉を進めようとしているが、難航している。そして時間が立つにつれて、地権者の考えも多様化してくる。
 例えば、盛り土に関しても、その量は実に膨大ものとなる。その土砂をどこからもって来るのか?近隣の山を崩すしかないが、風景をそこまで改変させてもよいのか?また、場所によっては12mもの防潮堤を築く計画となっているところもある。だが、美しい海の風景を覆い隠すような、圧迫感のある防潮堤では、観光収入は期待できなくなる。漁船の操業にも支障がでるという懸念もある。これらの復興案は確かに津波被害を避けるためには有効なのかもしれないが、同時に何かを失うことになる。レジリエンス工学に基づく街づくり、という概念の導入が必要なのかも知れない。

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EDITORAL
編集後記

○…最近、月2回は映画を観ている。といっても、映画館に行くわけではなく、DVDを借りてきて近隣の集会所の大画面で鑑賞している。10人近くで2010年から始めたこの映画会では、既に約80作品を上映した。数回を除きほとんどの上映会に参加しているので、それ以前、自身の半世紀近くで観た映画の本数に匹敵するのではないかと思う。毎回、順番に上映作品を推薦するから自分の好みのジャンルではない作品もある。反面、自分一人では絶対に見ようとは思わないであろう作品だが、感銘を受けたこともある。
 ここ2〜3カ月で上映した作品をあげると、ビルマの竪琴(1956年版、日)、鍵泥棒のメソッド(日)、恋する惑星(香港)、英国王のスピーチ(英豪)、ユージュアル・サスペクツ(米)などだ。古い映画があり、新しいものもある。歴史もの、恋愛もの、ミステリーありとバラバラだ。ところが、これらはそれぞれに興味を惹く作品であったし、感銘を受けた映画もある。発足当初は欧米の名画といわれる作品を推薦する人が多かったが、最近は邦画が増えている。また、時々マニアックな作品も上映する。まだまだ、観たい映画は一杯ある。
 ただ、一つだけ学んだことがある。いわゆる評論家といわれる人たちが高い評価を与えた映画が必ずしもいいとは限らないことだ。映画だけではないが…

○…趣味の日本古代史について、最近の学説・通説を知ろうと、岩波新書のシリーズ日本古代史を読もうと考えている。うち前半の3冊、奈良時代直前までの日本史。
 ①「農耕社会の成立」は弥生考古学者石川日出志による弥生時代までの歴史。弥生時代は渡来人が縄文人にかわり、西日本中心に新文化を築いたというイメージでなく、縄文・弥生の連続性を強調するものという。しかし縄文は東日本に中心、クニの成立に繋がる弥生とは異なり、縄文は王の出現しない社会、縄文と弥生の断絶は大きい。このアポリアを解決しているのだろうか。
 ②「ヤマト王権」は文献史学者吉村武彦による邪馬台国などから倭の五王、仏教伝来までの歴史。この時代は最近古墳時代として考古学者によるのが普通だけに文献史学者によるのは期待できる。文献は前半部中国正史、後半部日本書記が主。中国正史による時期での日本側の記録伝承として日本書記に役割が与えられていない。日本書記の復権がこの時期では未だしなのは残念だ。
 ③「飛鳥の都」は推古帝の即位から、大化改新、律令体制確立までの7世紀史。著者吉川真司は早くから大化改新を復活させた文献史学者だ。戦後日本書記は忌避されてきたが、発掘・木簡の解読により日本書記の信頼性は揺らぐどころか回復してきているという。この書は読み応えがありそうだ。

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