○…北海道を何度か訪れたが自然が豊かで限りなく広いところに惹かれる。一度は観光客が少ない真冬に北海道を列車でひた走る体験をしてみたいと思っていた。ところが、その夢の実現は難しい。
今回のJR北海道によるトラブルの多発である。記者会見の場で謝罪・説明している最中にも不祥事が発生したりして、「一体どうなっているの」と多くの人が呆れているようだ。官房長官も怒りを露わにしている。だが、ちょっと待ってほしい。国の自らの統制力不足を、さて置いている。朝日新聞と連携している「ハフィントンポスト日本版」がその辺の事情を明らかにしている。
JR北海道は形だけ民営化しているものの、実際には旧国鉄時代と何ら変わっていないというのだ。「JR北海道は基本的に自力経営とはほど遠い状況。同社の2013年3月期の鉄道事業の売上げは約780億円だが、経費はなんと1100億円。赤字額は300億円を超えてている」というのだ。なぜ倒産しないのか。「経営安定化基金からの運用益は300億円あり、4.1%もの高利回りで運用されている。このカラクリは、実質的な国庫補填にある」というのだ。「つまりJR北海道は民間企業などではなく、形を変えた国鉄であり、しかも鉄道事業としてまともに継続できる状況にはないのだ」。異常な経営体質を放置した責任は国にあるのだ。
○…プロ野球のコミッショナーが、統一球問題の責任をとり日本シリーズ開幕前までに辞任する。統一球問題が発覚した時点の辞任ならともかく、現時点の辞任は極めて無責任だ。後任選定は難航すると見られる。
米国のコミッショナーが大リーグの最高経営者(CEO)であるのに対して、日本のコミッショナーは実権はないに等しい。このことは米国と異なって、日本のプロ野球球団がオーナー企業から自立していないことの反映である。プロ野球ビジネスだけで成立している球団はほとんどない。超優良球団といえども、事業としては親企業の広報媒体に過ぎない。球団の経営は異種事業である親会社に依存しており、プロスポーツ特有の経営力には疑問がある。
その一つが選手の健康管理である。米国ではレギュラー選手に定休を与えるなど健康管理を重視している。この点では当面の戦力優先の現場と、長期的観点の球団経営とで利害は一致していないことも多い。
某SL球団を事例にとると、若手エースに成長したK投手の故障発見の遅れ、希代のホームラン打者N‐昨季の故障時の出場による手術の回復が遅れ、おまけに現場の要請で回復しないままの出場など健康管理のひどさが目立つ。企業経営であれば莫大な投資をしている選手は富を生む財産であり、中長期的観点から、健康管理すべきなのだ。 |