EnB 13号 目次
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■EYE詳細へ
未来は発送電分離のなかに

■INTRERVIEW
エンジニア育成し、海外事業拡大へ
国内は統合効果でプロジェクト的メンテナンスに注力
日揮プラントイノベーション代表取締役社長 吉田健一氏

■GLOBAL Report
2012年米国の代替実施方式・フィーCM市場も好転
2012年の米国エンジニアリング企業の動向(3)-代替実施方式・専門サービス編-

■REPORT
2012年度プラント成約、高水準を維持

■TOPICS
千代田化工、水素チェーン構築へ

ENAA新理事長に高橋誠社長

■NEWS Flash
・重工/双日、ロシアでアンモニアプラント受注
・三井物産、チェコで上下水事業に参画
・Midrex、米国で還元鉄プラント受注
・Hitz、焼却炉大規模改修とO&Mを受注
・三井造船、エンジニアリング事業拡大が最重点
・蒸留工程で50%以上の省エネ化技術を開発
…JFEテクノス、奈良でメガソーラー受注
…月島機械、甲府の汚泥焼却施設増設工事受注
…千代田化工、英アップストリーム会社と資本提携
…新日鉄住金エンジ、フィリピンに設計、建設会社
…千代田化工、溶融塩トラフCSP発電でデモプラント
…川崎重工、シンガポール向けシールド掘進機完納
…ATMEA、カナダ原子力委員会で妥当性確認

■Projects News
…ABB、イラク電力にコミュニケーションシステム
…カリフォルニアで地熱計画
…Alstom、インドで火力発電
…Bechtel、原発リプレース工事を受注
…Kinder Morgan、パイプライン増強
…CNOOC、Spherizoneプロセス採用
…QP/QAPCO、ラスラファンPPでUnipol技術
…Eastman Chemical、熱伝導流体プラントに着工
…Fluor、NatrefのCF2プロジェクトで基本設計
…米FLP、1,277MWのGTCC建設へ
…米HF、苛性ソーダプラント建設へ
…Ineos、米湾岸地域でLAOプラント建設へ
…SaBuCo、サウジアラビアでブタノールプラント
…タンザニアでアンモニアプラント
…Marafiq、造水設備をVeoliaに発注
…Williams、NGL/オレフィンパイプラインを発注
…QP、プロピレン/アロマコンプレックスでFS
…キプロスでLNGプロジェクト
…大林産業、クウェート重油分解設備リバンプ受注
…Sadara、105億ドルの追加プロファイ
…Exxon、加政府にLNG輸出許可を依頼
…L&T、パラキシレンプラント受注
…Petronas、RapidコンプレックスでITB
…Rosneft、ナホトカ近郊の石化PJで詳細決定
…Rabigh2発電所で再入札
…ヨルダンでシェールオイル発電所
…Sabic〜三菱レイヨン、Jubailでテンダーへ

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■エンジニアリングダイジェスト

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■Editorial 詳細へ

EnB 13号 表紙

 

EYE
未来は発送電分離のなかに

 残念ながら、発送電分離を目指した電気事業法改正法案は、与党の審議拒否に起因する首相問責決議で廃案となってしまった。もっとも、秋の通常国会では再び国会に提出される見込みであり、発送電分離の方向性は基本的に踏襲されていくことになりそうだ。
 なぜこの法案がそれほど重要かと言えば、もちろん電力事業をより効率的な経営体制とするためのインフラを整備することにつながるからだ。これまでの戦後復興体制で日本の電力事業は、各電力会社がそれぞれに発電設備および送電網を整備してきた。各電力会社内に限定してみれば、その配電網は世界的に見ても、かなり信頼性の高いものとなっている。
 しかし、同時に各電力会社が電力インフラ整備を自区域内のみに集中してきたが故に、電力会社間の連携については非常に貧弱なまま、それぞれが孤立した状態が続いているのだ。グリッドが分断されているため再生可能エネルギーの普及拡大に限界が生じる。そのため再生可能エネルギーを最大化するには、どうしても発送電分離によってグリッドを広域化していくことが必須条件となる。自然条件に左右されて変動の大きい再生可能エネルギーも、広域グリッドであれば、変動が相殺され、平準化されていく。そうした条件が揃ってはじめて、再生可能エネルギーの導入を最大化することが可能となる。
 その上、発送電分離では新たなビジネスチャンスが多数、生まれてくる。電力供給だけでなく、各種のサービス事業が生まれる可能性がある。サプライヤーとユーザーの間を取り持つサービスプロバイダーのような存在が、時々刻々ともっとも安い電力とクリーンな電力を、ユーザーの需要にこたえる形で供給する、というような事業も生まれるかも知れない。それこそ、電力事業の本当の付加価値だ。電力はこれまで硬直した形態を保ってきた。それは一定の意味を持っていたが、未来にまで残すべきものでは無い。

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EDITORAL
編集後記

○…日常的に海外エンジニアリング企業のM&Aを追いかけている視点から日本のM&Aも見ている。先号で、M&A案件を報ずる大手報道機関の報道内容、報道姿勢に感ずる疑問を提示した。その後もKJ-MZ案件について、特集・座談会と大手N紙の報道はとめどがない。株式会社としての説明責任は果しているのに、当該案件の内密を暴かれ、ガバナンスに問題があるかの如き報道されている当事者に同情を禁ぜざるをえない。
 欧米のM&Aは規模の大小に関わらず、シナジー効果が明確である。自社にない事業分野、技術、地域をカバーする企業と統合する。最近の大型エンジニアリング企業統合であるCB&IのShaw Group統合では、競合するSW部門を事前に売却、エネルギー部門などのシナジーを目指している。また、近未来での効果を見ているのも特徴である。したがって株主の了解も得やすい。
 これに対し近年の日本の大型M&Aを見ると、この2つが明確でない。KJ-MZ案件はその典型、破談とともに、KJ株上昇、MZ株下落に如実に現れている。日本の同業者同士の統合で、国際競争力が得られるとの神話が重工業業界でいぜんとして存在しているようだ。しかしこれが通ずるのは10年前の話だ。
 同業者間の統合は合理化の基盤として機能する。近年のSN社SK社も世界的な設備過剰の中で、合理化止むなしだろう。

○…最近、コンビニ等のパンに針を混入させるという事件が立て続けに起こった。そして、犯人が捕まり一件落着かと思ったら、今度は模倣するものが出て同様の事件が発生した。これを伝えるテレビのワイドショーでは、「困った若者ですね…」と言いながら、事件発生の原因がどこにあるのかを突き詰めようとはしない。正しいかどうかは別にして、この事件に言及している意見をみつけた。少し長いが紹介する。
 「無責任な大人の利己主義的な教育の陰の成果が出現してきたと言って過言ではない。ついに社会を崩壊させ若い稚拙な人間を生み出した政治の責任は大きい。もう打つ手は少ない。旧態依然とした復古調の教育制度を掲げ、教育利権を食い物にする政治家と日教組が対立しながら『妥協』し共存共栄を謀っていった結果がこれだ。『軽薄な若者、社会不安と落ちこぼれの不満の表れだ困ったもんですね…』といえば済むと思っている大半の大人に、責任がある。ホームレス狩りをする中学生も、いくら禁じても河川ゴルフをする老人もただの軽薄な馬鹿者というだけではなく『ここまでならいいだろう』と細かく計算してやっている。そこには卑劣な安心感が漂っている。ダメなものはダメとか、違反は違反という断固たる姿勢が欠落している。この堕落がいつかは社会を次第に破滅させていくのだ」と主張している。

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