○…KJ社とMZ社の合併報道に納得がいかない。大マスコミNK紙がこのM&Aをリークしたものだが、結局KJ社トップの暴走だったらしく、取締役会で大差で否決され、あっけなくこのM&A取引は消えてしまった。
NK紙は造船部門統合の動きとして高く評価していたらしく、その後も長いこと後追い記事を流し、KJ社のこの取引の開示が遅かったことなどで株主無視と批判している。
NK紙は何か勘違いしているのではなかろうか。そもそもM&A取引は会社トップなど執行部の責任で交渉し、取引を取締役会が承認して、公開され、株主総会の承認と各国規制機関の認可で成立する。今回はKJ社の取締役会で不成立となったケースだ。
NK紙の取引成立以前のリークが問題を混乱させた。リークで株価が混乱、未定案件だから両社が否定したものだ。その後KJ社の取締役会はいわば公開の形で、社長を更迭、M&Aを否決した。この段階でM&A交渉があったと認めざるを得なかった。
この事案、リークさえなければ、通常の執行案件としてM&Aを否決、事案の責任をとって期末に社長退任という筋書きという、よくある社長交代にすぎなかったろう。
こう見ると、今回のケースで株式市場などに混乱を起こしたのはNK紙ではないか。未定M&A案件のスクープは混乱を招くだけ、大新聞の公的責任を自覚すべし。
○…最近、公の場などで「ウソ」が横行している気がしてならない。もちろん、「嘘も方便」と言う場面があるのは承知しているが、「ここでウソを言っちゃおしまいよ」という場面で平気でウソをつく。
それがフェアプレイを身上とすべきスポーツの世界で、だとしたらファンはなおさらガックリだ。日本野球機構が今季から統一球を飛びやすく変えていたこと。もちろん、規定の反発係数に合わせるために修正を行うのには何の問題もないが、それによってプレイ、成績に大きな影響が出るのは当たり前のことだ。その変更を公表しなかったのは言語道断。それどころか「仕様は変更していない」とうそをついていた。さらにメーカーに口止めもしていた。
しかも、外務官僚出身の加藤良三コミッショナーは記者会見でまるで吐き捨てるような調子で発言していた。「私は知らなかった」「これは不祥事ではない」という主張だ。責任あるトップのとるべき態度とは到底言えない。そういえば、全柔連もそうだ。ファン、選手をないがしろにした閉鎖的な組織は、スポーツの世界でしばしば見られる。そして彼らは不祥事を糊塗するために平気でウソをつく。もっとも、腹の中と公の場で言っていることが違う「二枚舌」などを平気で使いこなせないと政治家、官僚の世界では出世はできないのかもしれない。 |