EnB 10号 目次
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■EYE詳細へ
日本発の資源開発技術を

■REPORT
海外展開、分野拡大へ向かうプラント業界

■GLOBAL Business
・GE、小規模LNG技術のSalof買収
 …GE、非在来型エネルギー分野提供技術拡張を発表
・Bechtel、UAEにエンジニアリングセンター設立

■TOPICS
国内地熱発電ビジネスが拡大

グローバル化、領域拡大目指す各社

skwid、佐賀県で実証ヘ

非鉄分野の可能性示したJ-Summit

■NEWS Flash
千代田化工、カタールで相次ぎ受注
・千代田、ウランバートル国際空港を受注
・Toyo、米国とブラジルで受注
・日揮、カナダのLNGプロジェクトのFEED受注
・三菱重工、シンガポール新交通増強工事受注
・川崎重工、国内外で鉄道車両受注
・タクマ、バイオマス発電設備受注
・日揮、大分メガソーラーを完成
・HItz、メガソーラー建設へ
…東京電力火力入札、応札は3件
…JFEエンジ、西条市でメガソーラー受注
…川崎重工、ベトナム向け天然ガスコンプレッサー出荷
…三菱重工、PWPS買収を完了
…IHI等、バイオ医薬品工場を竣工
…IHIインフラ、釜石湾口ケーソン引き渡し
…横河電機、Petrobrasとパートナー契約

■Projects News
…伊藤忠など、トルコ・Aliaga製油所受注
…三井物産、Celaneseとメタノールで合弁
…三菱化学など4社CPCと高付加価値製品で協業
…エアプロ、IHI E&CにLNG液化機器を供給
…Aker Solutions、世界初のセメント産業排ガスCO2捕集
…ノース・ダコタで肥料プロジェクト
…Shah Deniz、Azeri〜欧州PPLでエバリュエーション
…CNOOC、豪QCLNGに資本参加
…Ecopetrol、Cartagena製油所をアップグレード
…Wison、Puerto La Cruz製油所アップグレードで受注
…Enbridge、東テキサスにクライオプラント建設へ
…Evonik、シリカプラントのエンジ業務開始
…QPとExxon、Golden Pass LNGで協業
…仏Total、米でクラッカー検討
…Gazprom、モスクワ製油所改良計画でFWにFEED
…ICA Fluor、DuPontからメキシコの酸化チタン設備受注
…インドがイランで尿素プラントを計画
…Koch、米で尿素プラント建設へ
…米NPN、150億ドルで窒素肥料プラント
…オマーンでオレフィンコンプレックス計画
…Rosneftと三井物産、ナホトカの石化PJでMOU
…Technip、カナダのポリエチレンプラント受注
…Terchnip、アブダビでフレア改良計画受注
…Technip、カナダLulu島のLNGで設計業務
…PTT、ベトナムの石油石化PJを推進
…オマーンSohar製油所拡張で長納期機器入札
…大林産業、クウェートのCFPで優位に
…KNPC、CFPで入札へ

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

■Editorial 詳細へ

EnB 10号 表紙

 

EYE
日本発の資源開発技術を

 最近になって、日本企業の資源獲得に向けた動きが活発化している。だが資源開発分野は日本が欧米に大きく遅れを取っている分野であり、ノウハウの積み重ねが貧弱であることは否めない。事業運営としても、開発技術も、サービス事業もいずれも乏しい。その状況のなかで、日本企業による資源確保は進むのか?
 米シェールガス関連では、日本も権益確保に動いており、米国も日本へのLNG輸出を認めたというが、日本企業は開発そのものを手掛ける訳ではない。三菱商事、三井物産はキャメロンLNGに出資し製造委託する形だ。開発を行っているのはJAPEXやINPEXといった一部の会社だけ。しかもその規模は世界のメジャーに比べてまだ小さい。これでは資源開発に関する日本企業の技術やサービスが大きくなりようがない。
 これには「石油は市場から買えばよい」という一般の認識が背景にあったように思える。資源開発には大きな資金が必要でありながら、大きなリスクを伴う。政府にとって、失敗した場合を考えれば、積極的にはなれなかっただろう。行政の怠慢、と批判することもできるが、今より遥かに石油価格が低かったこともあり、わざわざリスクを取っていく必要もなかった。しかも太平洋戦争が日本による資源確保が一因であったことを鑑みれば、積極的に資源確保に打って出て、欧米からの反感や危惧の念を引き起こすようなことは、国益にはならない、という判断もあり得ただろう。しかし、エネルギー資源が有限であり、低コストの資源開発が限界にきていることはかなり以前から把握されていた筈だ。少なくとも、資源確保に打って出るタイミングは遅れ、世界の資源開発に日本が参加できる余地は限られている。
 今後、日本がこの分野で力を発揮していくには、日本発の開発技術の確立が最も近道だ。欧米企業があまり手を出していない、中小規模の油ガス田の低コスト開発技術などが確立出来れば強みとなろう。

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EDITORAL
編集後記

○…教わった日本史が年代によって変わっているということがある。例えば大化改新が重要視されなくなった、鎌倉時代の開始時点が変わった、歴史的人物の画像が違っていたとかである。新史料など歴史学の進歩から止むをえないものもあるが、大化改新のように最近の考古資料の発掘で元通り重要な位置づけを与えるべきものも多い。
 明治維新から現在にいたる近現代の書き換えを論じた「近現代日本史と歴史学−書き換えられてきた過去」を読んだが、著者の学び、関心方向以外は見事に排除した駄本。歴史学における著者の反対派、経済学など他の学問、ジャーナリストなどの著作には注目すべきものが少なくない。問題はこの本が歴史教師養成講義ということ、養成された歴史教師を憂わざるを得ない。
 この書も述べているが最近の歴史学では鎖国ではなく、海禁というのだそうだ。当時の東アジア各国が欧州各国との関係で同様な政策をとった、日本では長崎などが開かれており、鎖国とはいえないという論旨のようだ。東アジアと共通であろうと部分的に開かれてあろうと、人・物の自由往来を禁じたことにかわりない。この体制のもと江戸期日本は、輸入品の国産化を進め、日本一国の閉鎖商品市場が発展し、幕末の日本側に貿易ニーズはなかった。従来通り鎖国体制と呼ぶのが適切なのだ。

○…論語の「子曰く、後生畏るべし。焉んぞ来者の今に如かざるを知らんや」は、“無限の可能性を秘めた若者の存在は恐ろしいものだ。今の我々の水準に及ばないなどと、どうして言えようか”という意味。「後生」とは「先生」に対比する言葉だ。ところが、たまに「後生」を「後世」と誤用する場合がある。こうなると意味が違う。「後世」とは後の世、または後の世代ということだから、今のことではなく、将来ないし将来世代の可能性を述べたことになる。
 後生-校正など音が同じだけで、字形も意味もまったく違う。出版・広告などに携わる関係者の間で、上記格言を援用して「校正恐るべし」ということがある。編集者の端くれとして「校正」に何度泣かされたか。何度読み返しても誤植はある。特に最近、ワープロの普及とともに“変換ミス”がでる。校正で一番有名な話は1631年の“姦淫聖書”。旧約聖書十戒の「なんじ姦淫するなかれ」 の「not」が何故か落ちてしまい「なんじ姦淫せよ」になった。印刷者は処罰され、印刷物はすべて焼き捨てられたという。
 時々、電車の中に掲示されている広告などにも誤植がみられる。その担当者は処刑はされないだろうが、身の細る思いをしているに違いない。人の書いたものは誤りを見つけ易い。ところが、自分が書いたものとなると見過ごすことが多い。自戒しなければ…。

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