EnB 9号 目次
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■EYE詳細へ
国を超えたベンダー支援へ

■GLOBAL Report
米国デザインファーム、遅い回復のテンポ
2013年の米国のエンジニアリング企業の動向(1)−デザインファーム編−
 ・SAIC、2社に分割
 ・Black & Veatch、世界初のFLNGプラント受注

■REPORT
世界の石化投資、アジアと米国で増加

■TOPICS
日鉄住金P&E、15年度売上500億円へ

■TOPICS
トルコSinop原発、課題は価格か?

欧州CHP市場、2025年までに倍増予測も

■NEWS Flash
・日揮、千葉でメガソーラー受注
・商事、イラクでガス回収・利用PJを開始
・Hitz、アブダビで海淡パイロットプラント建設へ
・三菱重工、中国向け原子力機器を出荷
…Haldor Topsoe博士、100歳に
…東芝、シンガポールの郵便自動処理システム受注
…東電からスマートメーター用通信システム受注
…三菱電機、寧徳原発の計装制御システムを稼働
…横河電機、韓国の発電所向け制御システム受注
…日鉄住金エンジ、DHL物流センター受注
…JFEエンジのハイブリッド防潮堤、初採用

■Projects News
…千代田化工〜CTCI、Ras Laffan製油所受注へ
…Aramco、Jizan IGCCで入札
…Bapco、Sitra製油所でPQ開始
…米メリーランドでガス火力発電
…Air Products、CovepointLNG向けに熱交受注
…豪BrowsePJ、FLNGを検討
…ブルネイのアロマでUOPプロセス採用
…Dominion、ESBWRを採用
…Fluor、南アでクリーン燃料PJのFEED受注
…Fluor、Dowのエタンクラッカー受注
…LyondellBasell、中国にLDPE技術ライセンス
…Rosneftと物産、極東石化PJで合意
…印Aarti、グジャラート州で肥料プラント計画
…Alstom、ブラジル向け水力発電受注
…Alstom、印BHELに800MW2基のボイラ供給
…BASF〜Petronas、アロマコンプレックスを計画
…米Enbridge、天然ガス処理プラント建設へ
…Technip、バーレーンで硫黄回収設備受注
…Mott MacDonald、Khafjiで5年間のエンジサービス
…CB&I、中国に固体酸アルキル化でライセンス
…Midyanガス処理PJでL&Tが優位に
…オマーンで砂糖プラントで入札へ

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■エンジニアリングダイジェスト

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■Editorial 詳細へ

EnB 9号 表紙

 

EYE
国を超えたベンダー支援へ

 円安の進行で韓国企業の価格競争力が弱ってきている。韓国紙によると、中国向けの半導体設備入札で、韓国企業よりも日本企業が25%も安かったという。相手が交渉巧者の中国企業であるから、この数字をそのまま鵜呑みにするわけにはいかないが、韓国の価格競争力が弱ってきているのは事実のようだ。この影響はあらゆる輸出分野に亘っているようで、日本の価格競争力は高まっている。当初は韓国でも円安の影響は限定的と見られていたが、この8カ月で30%の円安となり、その影響は予想以上に深刻な状況という。海外のバイヤーから「日本と同程度の価格に下げるよう要求され、泣く泣く輸出している」という話も出ている。まるで、しばらく前の日本のような状況だ。
 韓国政府はこの状況に有効な政策を打ち出せていない、との批判が韓国内で出ている。ただ、為替レートに対しては、基本的にドルと連動している韓国では、具体的な対策と言われても難しいだろう。しかしこのまま円安が110円まで進めば、韓国輸出は11.4%減少することが予測されている。
 円高状況下で日本のプラント業界は、コストの見直しや技術のブラッシュアップを進め、受注の拡大そのものが難しいなかでも利益水準の確保に努めてきた。それが円安に振れている現在、円高状況下での努力の成果が、より増幅された形で享受できるということで、業界全体で業績の改善が期待されるところだが、韓国にとっては逆に再び競争力を見直す機会となれば良いと思う。
 これまでの韓国プラント業界のコスト競争力を支えていた中小企業も、コスト低減圧力でウォン安の中でも厳しい経営が続いていたと聞く。それが為替によって収益低減が進めば、韓国のプラント産業を支える企業が撤退を余儀なくされる。それは日本のプラント業界にとってもあまり有り難くはない状況といえる。韓国や中国の信頼できるベンダーの存在は、日本の業界のコスト競争力の一部であるからだ。国を超えた中小優良ベンダー支援を考えていく必要はないだろうか。

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EDITORAL
編集後記

○…世間は「アベノミクス」一色、政府や大手経済紙は、誇らしげにバラ色の希望を歌い上げている。株価は確かにブームになっているが、いまのところめだった成果が見えるわけではない。円安は輸出製品の競争力を回復させ、一部大手企業にはメリットだが、もはや国内にその成果が還流する構造にはなっていない。むしろエネルギーなど輸入製品高となって、貿易赤字の拡大が懸念される。
 アベノミクスは3本の矢−金融政策、財政政策、成長戦略から成るが、金融緩和は所詮一次的なもので、引き時を誤るとハイパーインフレに繋がる。財政拡大は金利高騰の懸念を孕んでいる。ようやくインフラ投資に民間資金を投入する、PFI・PPP・コンッセッションが有望な選択肢と考えられるようになったのは喜ばしい。
 持続的な経済成長のためには成長戦略こそ本来の政策だ。現在報道されている成長戦略の内容は、医療など新産業育成、女性活用などだが、あいかわらず、官庁の予算確保の手段でしかない。経済学者野口悠紀雄は現在必要な成長戦略の目的は「雇用確保・拡大と所得引上げ」であり、そのために「製造の位置づけとエネルギー戦略」の検討が必須であるという。製造業をとりまく環境が基本的に変化したことを認識し、どう対処するかがが基本的論点なのだが。

○…先日、「久し振りに飲まないか」と友人に誘われた。このところ飲む機会はめっきりと減っている。たまに飲むにしても、カウンターのある焼き鳥屋くらいがせきのやまだ。高級料理店はいざ知らず、軒並み増えている居酒屋チェーン店にさえ、覚えている限りでは足を踏み入れたことはない。
 ところが、その友人とたまたま行ったのが全国チェーンの居酒屋。そこで驚いたことが一つある。料理の値段の安さ、美味しさなどでは決してない。店員の妙な言葉遣いに驚いたのである。どうもその店員だけがその言葉を使っているのではないらしい。お客から注文を受けた時、そのと言葉を発するようにマニュアル化しているようだ。
 その店では料理・酒の注文を受けた時、「喜んで!」と叫ぶのだ。注文を受けた「喜び」から思わず発したのかと思ったくらいだ。こういう時は、「承りました」「承知しました」が普通だろう。このチェーン店、全国で「喜んで!」を発しているのだろうか。
 最近はあまり聞かないが、以前はコンビニのレジなどで「100円からお預かりしました」というマニュアル用語を何度か聞いた。「○○円から預かる」はないだろう。「お客様から○○円を預かりました」ならわかる。
 こういことを気にするのは歳のせいなのか。時代とともに言葉の使い方も変わっていくのだとあきらめよう。

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