EnB 8号 目次
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プログラムマネジメントの出番

■INTERVIEW
事業集約による効率化で業容拡大
「まず社内からグローバル化を」
IHI エネルギー・プラントセクター長
浜村宏光取締役・常務執行役員

■REPORT
急拡大する太陽光発電の課題

■GLOBAL Report
・中国海外プロジェクト受注、1-3月期35%増
・Day & Zimmermann、WorleyParsonsと合 弁
…WorleyParsons、南アフリカのTWPを買収
…WorleyParsons、ノルウェーのRosenbergを買収
・GE、油田機器メーカーLufkinを買収
…GE、石油ガスグローバル研究センターを新設
・Black & Veatch・恵生、オフショアLNGで提携
…Black & VeatchのLNG戦略

■TOPICS
日鉄住金P&E、15年度売上500億円へ

■TOPICS
汚染水処理対策委員会設置へ 5月中にも対策まとむ

■NEWS Flash
・伊藤忠、インドネシアの地熱IPPでPPA
・日鉄住金エンジ、インドでCDQ2基連続受注
・日立製作所、ギリシャ向けに超臨界圧発電設備受注
・物産〜丸紅等、ラファンリファイナリー2に資本参加
・伊藤忠、英国で廃棄物発電2件に参画へ
・JFEエンジ、秋田市向けメガソーラー受注
・タクマ、久留米市向けごみ焼却施設を受注
・東芝、アジアの社会インフラ事業で新会社
・三菱重工、中国にターボ冷凍機で会社設立
・Hitz、サウジで太陽熱発電実証プラント完成
・双日、中東で相次ぎ発電事業開始
・日立製作所、グローバルR&D体制を強化
…TOYO、BASFと包括エンジパートナー契約
…JFEエンジ、東埼玉から焼却炉受注
…Hitz、中温廃熱回収発電で実証へ
…NEDOと日立製作所、Eagle用GTクリーン燃焼技術開発
…三菱重工、中国にKUガスエンジン技術供与
…三菱電機、電力用変圧器の米国工場を稼働
…富士電機、メガソーラーを完成

■Projects News
…Sonatrach、精製能力を倍増へ
…Alstom、コネチカットでガス火力受注
…Alstom、サウジのYanbu3に機器供給
…Woodside、LNG輸出計画を棚上げ
…カリフォルニア高速鉄道で入札
…CNPC、カザフからパイプライン
…Equate、クウェートのCO2回収PJに参加
…Exxmobil、重質油プロジェクトでクヴァナに発注
…Fluor、南アからクリーン燃料PJ受注
…Technip、バーレーンの硫黄回収PJを受注
…GE、ガーナで1000MW発電プラント計画
…Jacobs、BASFのプラント向け業務受注
…三井物産、メキシコでパイプライン
…UOP、中国にMTOをライセンス
…KBR、米アンモニアプラント受注
…LyondellBasell、米国でNGL分留プラント
…Uhde、インドでPETプラント受注
…三菱ガス化学、トリニダード&トバゴでFS
…Gasprom、ガスパイプラインで合意
…LyondellBasell、ロシアにSpheripol供与
…ONGC、Khubalの尿素肥料PJでJV
…パキスタンで製油所計画
…PertaminaとPTT、ジャワの石化計画で協業
…ペトロベトナム、Dung Quat製油所を改良
…Sasol、米エチレン計画でコンプレッサー発注
…WorleyParsons、SECから発電設備受注
…Shell、シンガポール石化を拡張へ
…WilliamsとShell、ガス精製でアライアンス

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 8号 表紙

 

EYE
プログラムマネジメントの出番

 これで間に合うのか?というのが本音のところだ。経済産業省の廃炉対策推進会議は、福島第一原発の汚染水漏洩問題に対応して汚染水処理対策委員会を設置するが、既に破綻しつつある汚染水問題に対して、委員会を立ち上げて呑気に議論している場合だろうか。
 当面の切り札だった地下貯水槽。廃棄物の管理型最終処分場に近い構造だが、より簡易化されているので、漏水しないと考える方がどうかしている。漏水しない形にするならばコンクリート構造物として、雨水の流入を避けられるよう、屋根を設置する「遮断型最終処分場」と呼ばれるものとほぼ同等の構造を構築しておく必要があったはずだ。
 しかし東京電力も当時の原子力安全保安院もこうした知識を持ち合わせてはいなかった。当然である。原子力や発電設備以外のことを碌に知らない東京電力にそんな知見があるわけがない。原子力安全保安院にしても同じことだ。
 ここに原子力の弱みがある。原子力工学は独立した体系だが、プラントというのはそれだけでは成立しない。各種の異分野の知見を集めて、一つの構造とするのがプラントエンジニアリングであるが、原子力工学はどういう訳か、異業種の知見に対して目を向けようとしない。もんじゅ事故にしても六ヶ所村の再処理施設のトラブルにしても、他の分野で既に経験済のトラブルであるにも関わらず、その知見が生かされない。「原子力工学は総合工学だ」と当時の原子力安全保安院長が述べたが、これが全く空しく思い起こされる。
 福島第一原発の廃炉は、汚染水処理だけでなく燃料デブリの取り出し、安全な解体手法、放射性物質の海洋流出防止など複数の問題に並列的に対処しなければない。これが終わるには長い時間が必要となる。これらの複数のプロジェクトを取り纏められるのは、プログラムマネジメントの力である。オペレータ企業である東京電力にそれを期待するのは難しい。廃炉はエンジニアリング産業に主導権を渡してみてはどうか?

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EDITORAL
編集後記

○…いまはやりの「アベノミクス」の効果、副作用について正確に判断できるほどの経済知識を持ち合わせていない。けれど、一抹の不安が残る。安倍首相は効果について夏過ぎから賃金上昇などの影響が出始めるとの見通しを示した。第1の矢「金融の大胆な緩和」は円安株高をもたらし大成功を収めているとマスコミは囃す。世論調査では安倍内閣支持率は高く、国民はこの政策を評価しているという見方だ。これが本当に実現すればそれに越したことはない。
 一抹の不安とは、果たして政治家の掛け声で民間賃金が上がり景気が回復することなどあるのだろうか、そして金融政策は順調に推移するのだろうかという疑問である。
 ある実務者は「かつて日銀国債保有高は50%以下、マネタリーベースは約40兆円が常識だった。それを2年後に270兆円にするとしており、実務家としての私の感覚ではとんでもない数字だ。7倍にマネタリーベースを増やすことは、天と地がひっくり返るようなオペレーション」と嘆く。国民はハイパーインフレで地獄を味わうという見方。
 ある人は上記意見を「うがった見方だ」と言った。この意見を「疑う」と否定的に捉えたのだ。多くの人は「うがった見方」をこういう言い回しで使っている。しかし、「うがった見方」とは「正確に物事を捉えている見方」が正しい。

○…今年の桜は気温が高くて例年になく咲き始めが早く、花見が心配されたが、咲いた後の寒の戻りで、散るのが遅く、結構長く楽しめたようだ。我が家の近くの桜の名所も、寒い中花見が賑わい、区や町会の恒例のイベントも花のなかで実施できた。
 桜の名所の近くには、ハナミズキの並木がある。ハナミズキは米国の木でワシントンに桜を贈った返礼に日本に初めて導入されたという。例年なら桜が散って1・2週間経って白やピンクの花が咲くのだが、今年は桜の散ると間もなく咲き始めた。
 それだけでなく、近所の散歩途中にはツツジ、チューリップ、タンポポなどなど同時に咲き誇っている。近所のツツジの名所は5月の連休を当て込んでいるのに、早咲きは終わり、すでに遅咲きしか残っていないそうだ。一気にいろいろの花を楽しめるのはいいのだが、例年の花暦が狂っているのはどこか居心地の悪さを感じる。
 これを異常気象のためとか言うのは言い過ぎで、少々長いスパンで見れば自然のことだからこんな年もありと思う。しかし当今の経済動向ないしムードは異様だ。急激な金融緩和が進められているだけの段階で、明るいムードが振りまかれているのはどうもなじめない。脱デフレというが、庶民にとっては、物価が安い方が、インフレよりはるかにましなのだが。

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