○…いまはやりの「アベノミクス」の効果、副作用について正確に判断できるほどの経済知識を持ち合わせていない。けれど、一抹の不安が残る。安倍首相は効果について夏過ぎから賃金上昇などの影響が出始めるとの見通しを示した。第1の矢「金融の大胆な緩和」は円安株高をもたらし大成功を収めているとマスコミは囃す。世論調査では安倍内閣支持率は高く、国民はこの政策を評価しているという見方だ。これが本当に実現すればそれに越したことはない。
一抹の不安とは、果たして政治家の掛け声で民間賃金が上がり景気が回復することなどあるのだろうか、そして金融政策は順調に推移するのだろうかという疑問である。
ある実務者は「かつて日銀国債保有高は50%以下、マネタリーベースは約40兆円が常識だった。それを2年後に270兆円にするとしており、実務家としての私の感覚ではとんでもない数字だ。7倍にマネタリーベースを増やすことは、天と地がひっくり返るようなオペレーション」と嘆く。国民はハイパーインフレで地獄を味わうという見方。
ある人は上記意見を「うがった見方だ」と言った。この意見を「疑う」と否定的に捉えたのだ。多くの人は「うがった見方」をこういう言い回しで使っている。しかし、「うがった見方」とは「正確に物事を捉えている見方」が正しい。
○…今年の桜は気温が高くて例年になく咲き始めが早く、花見が心配されたが、咲いた後の寒の戻りで、散るのが遅く、結構長く楽しめたようだ。我が家の近くの桜の名所も、寒い中花見が賑わい、区や町会の恒例のイベントも花のなかで実施できた。
桜の名所の近くには、ハナミズキの並木がある。ハナミズキは米国の木でワシントンに桜を贈った返礼に日本に初めて導入されたという。例年なら桜が散って1・2週間経って白やピンクの花が咲くのだが、今年は桜の散ると間もなく咲き始めた。
それだけでなく、近所の散歩途中にはツツジ、チューリップ、タンポポなどなど同時に咲き誇っている。近所のツツジの名所は5月の連休を当て込んでいるのに、早咲きは終わり、すでに遅咲きしか残っていないそうだ。一気にいろいろの花を楽しめるのはいいのだが、例年の花暦が狂っているのはどこか居心地の悪さを感じる。
これを異常気象のためとか言うのは言い過ぎで、少々長いスパンで見れば自然のことだからこんな年もありと思う。しかし当今の経済動向ないしムードは異様だ。急激な金融緩和が進められているだけの段階で、明るいムードが振りまかれているのはどうもなじめない。脱デフレというが、庶民にとっては、物価が安い方が、インフレよりはるかにましなのだが。 |