○…アベノミクス、常識の枠を超えた規模・速度で金融緩和が進められ、円安・株高が進行している。世界的にもデフレ退治という不可避な対策への果敢な挑戦であり、同時に高いリスクのある不安定な一歩として注目されている。
現在の日本経済の不振の根幹にあるのは日本経済が得意としてきた製造業の衰退があるのは周知のことだ。
著名なコンサルタント大前研一によると、日本の製造業は従業員数の減少、生産付加価値の低下、事業所数の減少の現状が統計的に明確になったとする。最近の円安で製造業の輸出条件が改善されても、製造業は一旦海外へ移転すると戻ってこないから事態好転しない。製造業の衰退は一時的な円安では解決できない構造問題とする。
安部内閣には第3の矢として、成長産業の促進があるが、大前は農業の輸出産業化程度の貧弱な内容という。事実政府の唱えるインフラ輸出、公共投資復活など見ても日本の構造を支えるものは見当たらない。大前は衰退している製造業でも世界シェアを握る日本製品は多いという。こうした製品をもつ日本企業は確実に生き残る。しかし日本経済を支えるものとは言い難い分野がほとんどだ。大前のいうように、加工貿易モデルからの脱却が必要だが、具体的イメージを描くのは極めて困難だ。
○…最近「日本はそう遠くない将来、滅んでしまう」と思うようになった。といえば「何を大げさに」と言われるかも知れない。別に、核戦争の脅威を考えているのではない。また、原発事故、地震など天変地異を考えて言っているのでもない。自分自身も含めた「家庭」のありようの変化が、もしかすると国の将来に大きな影響を及ぼすのではと思っている。この変化が「少子化」を加速している。
「家庭」という家族の単位が時代とともに変わってきたのは明らかだ。高度成長とともに家族の単位が小さくなってきたことが、「少子化」と密接につながっているような気がしてならない。介護、教育など現代の社会問題が、単位が小さくなった「家庭」にのしかかっている。自戒も含めて言うのだが、その構成員は「大人になりきれていない大人」が増えているのではあるまいか。精神的に自立していない、あるいは自己中心的な大人が増えている。なぜ、こうなったのか。携帯電話や、インターネットなどITの普及も一因では?
こうなると、人との対話があまり得意ではない子供が増えるばかりだ。二人でしなければならない「恋愛」も面倒になるだろう。価値観を共有する訓練もなされない。たとえ結婚しても離婚する率が増えている。これでは、少子化が加速するばかりだ。実は、私の子供も中年に近くなったが当分結婚する気配はない。 |