EnB 7号 目次
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電力改革はフロンティア

■REPORT
厳しくなる?国内ごみ焼却炉市場

■GLOBAL Report
韓国1-3月期プラント・建設輸出、順調に推移

■GLOBAL Business
CB&I、合成ガス技術を買収
Technip、ノルウェーENG企業を買収
韓国の三星物産、英国Whessoeを買収
韓国STX造船海洋、銀行に自発的協約を要請

■TOPICS
質が低下した原子力プロジェクト

ENAA、海外危機管理強化で政策提言

新日鉄住金エンジ、ジェイコンビ受注

■NEWS Flash
・日揮、ヤマルLNG設計・調達業務を受注
・IHI、米Cove Point LNGを受注
・TOYO、エジプトのPEプラント受注
・川重、蒸気タービンを相次ぎ受注
・都市ごみ処理工場の受注続く
・Hitz、環境プラントを相次ぎ完成
・アルジェリア鉱業大臣と茂木経済相が会談
・PMAJ、学生対象のPM資格制度を新設
・日鉄住金P&E、プラント建設事業部を発足
…IHI、タイ向けアルミ圧延設備受注
…三菱重工、BHELに排脱技供与‐日本初
…川重、東邦ガス向けにLNGタンク受注
…千代田化工、CCCと合弁会社設立
…日立と東電、海外送配電コンサル会社設立
…東芝、太陽光発電事業に参入
…月島機械、熊本市下水汚泥固形燃料化事業を開始
…Hitz、沖縄向けスラリーアイスプラントを完成
…三井造船、リン酸鉄リチウム工場を完成

■Projects News
…モロッコでCSP第二フェーズ
…BP、オマーンのタイトガスで水処理設備入札
…Ma'aden、リン酸塩プラントでPQ
…アルジェリアでグラスルーツリファイナリー
…イラクNasiriya油田開発で12月に入札へ
…アブダビMirfa発電PJで丸紅優勢
…Hanwha建設、サウジでゴールドバー製造プラント
…米AlphaPet、PET樹脂プラント拡張へ
…Browse LNG、6月までにFIDが必要
…Chesapeake、Eagle Fordのガス生産設備の設計開始
…Shell、中国のシェールガス開発でPSC締結
…Dow、Freeportで4つのポリマープラントを計画
…EEP、エタンパイプラインを計画
…ExxonMobil、SasolにLDPEプロセスを供与
…ExxonMobil〜BHP、西豪州でFLNG
…FW、チリのSNGプロジェクトでスタディ業務
…FW、エジプトで技術コンサル
…現代建設、UAEの原油生産設備受注
…Petrofac、アブダビでオフショア設備のEPIC受注
…韓国電力、ベトナムで石炭火力事業
…PT Pertamina、石化コンプレックス建設で合意
…サウジアラビア、シェールガス開発に着手へ
…ThyssenKrupp、インドネシアのセメントプラント受注
…UOP、ブルネイの石油石化PJにプロセス供与
…Williams、NGLパイプラインを計画
…Posco、タイとインドネシアで自動車用鋼板
…POSEC、ラオスの水力発電所受注
…現代ロテム、印デリーで地下鉄車輌受注

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■エンジニアリングダイジェスト

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■Editorial 詳細へ

EnB 7号 表紙

 

EYE
電力改革はフロンティア

 電力システム改革が閣議決定された。これによりまず2015年に広域系統運用機関が設立、2016年メドに電力小売りが全面自由化され、そして2018〜2020までを目途に電力会社の送配電部門の法的分離と、小売料金の全面自由化が実施される。
 電力会社にとっては、わが身を切り刻まれる思いであろうが、日本全体にとって電力自由化は歓迎されるものだ。従来各電力会社に設備形成を任せていたことで、会社間の送電線連携が貧弱なままであり、それが東日本大震災後の計画停電の実施を余儀なくさせた。送電部門が別会社化し、統合されれば送電線連携がより進みやすくなり、全国規模の充実したネットワークが形成されることに繋がる。これにより再生可能エネルギーの導入が進み、現在の欧州に見られるような電力コストの低減につながっていくと期待される。
 もう一方で、電力事業に、電力にさほど詳しくない企業が参加していくことも考えられる。そうした企業により効率的、低コストのシステムおよび運営ノウハウの提供という市場の創出も期待できる。その中で、長期にわたり、低迷を続けてきた地方経済にとっても、自由化電力市場は新規産業・新規雇用の創出効果が大きく期待される。
 しかしそうした期待に対して懸念の声も聞かれる。自由化市場の形成までの時間が長く、電力会社の抵抗によって、改革が形骸化されるのではないか、ということだ。実際、これまでの自由化市場でも新規参入がたった2%と、まさに形骸化していた。そうした形骸化によく使われるのが「電力の安定供給」である。安定供給のために電力会社が設備を保有すべき、というものだ。しかし本来、自由化市場における安定供給は、参入障壁を最小化することで実現されるべきものだ。新規参入者への参入障壁を取り除き、メガ電力との公正な競争ができるようにしなければならない。そうすることで自由化市場が成長し、電力会社に集中していた富が、地域経済に開放される。これが実現すれば、日本にとって大きなフロンティアとなるだろう。

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EDITORAL
編集後記

○…アベノミクス、常識の枠を超えた規模・速度で金融緩和が進められ、円安・株高が進行している。世界的にもデフレ退治という不可避な対策への果敢な挑戦であり、同時に高いリスクのある不安定な一歩として注目されている。
 現在の日本経済の不振の根幹にあるのは日本経済が得意としてきた製造業の衰退があるのは周知のことだ。
 著名なコンサルタント大前研一によると、日本の製造業は従業員数の減少、生産付加価値の低下、事業所数の減少の現状が統計的に明確になったとする。最近の円安で製造業の輸出条件が改善されても、製造業は一旦海外へ移転すると戻ってこないから事態好転しない。製造業の衰退は一時的な円安では解決できない構造問題とする。
 安部内閣には第3の矢として、成長産業の促進があるが、大前は農業の輸出産業化程度の貧弱な内容という。事実政府の唱えるインフラ輸出、公共投資復活など見ても日本の構造を支えるものは見当たらない。大前は衰退している製造業でも世界シェアを握る日本製品は多いという。こうした製品をもつ日本企業は確実に生き残る。しかし日本経済を支えるものとは言い難い分野がほとんどだ。大前のいうように、加工貿易モデルからの脱却が必要だが、具体的イメージを描くのは極めて困難だ。

○…最近「日本はそう遠くない将来、滅んでしまう」と思うようになった。といえば「何を大げさに」と言われるかも知れない。別に、核戦争の脅威を考えているのではない。また、原発事故、地震など天変地異を考えて言っているのでもない。自分自身も含めた「家庭」のありようの変化が、もしかすると国の将来に大きな影響を及ぼすのではと思っている。この変化が「少子化」を加速している。
 「家庭」という家族の単位が時代とともに変わってきたのは明らかだ。高度成長とともに家族の単位が小さくなってきたことが、「少子化」と密接につながっているような気がしてならない。介護、教育など現代の社会問題が、単位が小さくなった「家庭」にのしかかっている。自戒も含めて言うのだが、その構成員は「大人になりきれていない大人」が増えているのではあるまいか。精神的に自立していない、あるいは自己中心的な大人が増えている。なぜ、こうなったのか。携帯電話や、インターネットなどITの普及も一因では?
 こうなると、人との対話があまり得意ではない子供が増えるばかりだ。二人でしなければならない「恋愛」も面倒になるだろう。価値観を共有する訓練もなされない。たとえ結婚しても離婚する率が増えている。これでは、少子化が加速するばかりだ。実は、私の子供も中年に近くなったが当分結婚する気配はない。

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