○…震災・原発事故から2年、原発事故の解明もいくつかの事故調があるものの、いま一つ、もっともましなのは国会事故調、この国制の最高機関である国会の機関に対して、東電が虚偽説明で1号機原子力建屋での調査を拒んだ事件がある。非常用復水器が地震で破壊されたものかを調べるものだ。国会事故調が地震による破壊があったというのに対し、政府や東電はない、事故原因は津波のみという対立の一つだ。原子力規制委がこの復水器を近々に調査を開始する。
原子力関連の委員会に携わってきた武田邦彦氏は日本の原発は原子炉が震度6で設計されているのに対し、配管・電源・計測などは震度3-5で設計されているという。福島1原発の場合具体的にどうなのか発表されていないが、今回の地震の震度からいって、原子炉は地震で破壊されなかったとしても地震で配管・計測が破壊された可能性はかなり高く、地震発生後原子炉は計測機能を失った状態の可能性がある。
これは今回の事故でも見えた、原子力の場合の、原子炉という基幹機器のみに焦点がおかれ、プラント全体のエンジニアリングの欠如が伺える状況の一つだ。
原子力規制委の活断層の調査で、危険な原発が多発している。地震国日本の原発の安全担保には対地震だけでも相当な追加投資が必要となり、原発のコストは高騰する。
○…「春宵一刻値千金」とうたわれた時代は遠く過ぎ去ってしまったようだ。いま、ようやく春が到来したというのにわれわれ現代人が目にするのは、花粉、黄砂などの飛来である。そして、ところによっては福島の放射性物質の飛来がいまだに継続しているはずである。もはや、「げに一刻の眺めを何にたとうべき」などと悠長なことを言ってはいられない。なるべく家に閉じこもっているのが賢明なようだ。
なぜ、このような悲観的なことを言うのか。実は、風邪だと思っていた症状がどうやら現代人の仲間入りのあかし、花粉症にピッタリのようなのだ。この二三日、くしゃみ、鼻水がでるばかりか目の周りが痒い。友人に言わせると典型的な花粉症の症状だそうである。本人としては、「田舎者の俺がかかるはずがない」と未だ半信半疑である。
今後、毎年春先に継続することを考えると、「何とか一過性の風邪であって欲しい」などと病気を歓迎する心境になっている。しかし、あきらめて花粉症対策にこれから取り組まなければならないようだ。まず、黄砂対策も考慮して、少し値の張るマスクを買わねばなるまい。いい薬も開発されていると聞く。ただ、われわれのような高齢者はいいとして心配なのは子供達である。家に閉じこもり春の素晴らしさを実感できないのは何とも気の毒だ。 |