EnB 4号 目次
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■EYE詳細へ
声を聞く時

■GLOBAL Business
・CB&I、Shaw Group買収が完了
・FW、Shellと下流部門で総括技術提携

■Global Report
Fluor、北米市場にブーム到来を語る
好調の続くFluorのビジネス展望

■REPORT
福島第一原発作業ロボット開発が進展
東芝が除染ロボ、三菱重工が作業ロボ

■REPORT
プラント業界、業績は堅調を維持
第3四半期決算の概要

■TOPICS
2012年プラント受注、3.5倍に拡大

■NEWS Flash
・住友商事、オマーン/豪州で案件獲得
・大氣社グループ、ブラジルで自動車塗装工場受注
・東芝プラント、タイでGTCC工事受注
・JFEエンジ、地熱バイナリー発電設備受注
・米日立パワーシステム、脱硝装置受注
・Hitz、亀岡市からごみ処理施設改良工事受注
・三井造船、製鉄所向けアンローダ受注
・日立造船Inova、スイスとフィンランドで焼却炉完成
・千代田化工、渋谷新社長「変革の先頭を」
…三菱重工、サウジでタービン発電機
…原電〜丸紅、カザフの原発計画でMOU
…JFEエンジ、ハイブリッドケーソン受注
…新日鉄住金エンジ、事業を再編
…タクマ、放射性セシウム除去システム開発
…神戸製鋼、真岡市でガス火力発電

■Projects News
…ウラジオストックLNG、2018年稼動へ
…カタール、RO造水・発電計画
…サウジRabig2発電、AcwaPowerが優先権
…エジプトDairut発電PJで技術コンサル入札
…サウジRas Tanura製油所、O&UでPQ
…Kogas、イラクAkkasガス処理でEPC入札へ
…カナダ、KitimatLNGに輸出許可
…ExxonMobil〜Rosneft、サハリンでLNG
…フィンランド、原発計画を延期
…Hanwha化学、米国でエチレンプラント計画
…KBR、ボリビアの肥料プラントにライセンス
…ロシアMethafrax、肥料プラントを計画
…Occidentalの米エチレンPJ、2014年着工へ
…PTT、チモールでコンデンセートスプリッター
…三星エンジ、イラクでガスセパ受注
…Uhde、トルコの肥料プラント受注
…タイ治水事業で韓国が優先権
…オマーン石油、Duqm製油所で設計入札実施

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 4号 表紙

 

EYE
声を聞く時

 ちょっと意地の悪い見方をすると、日本企業なんて実は大したことはないんじゃないだろうか?実際、様々な分野で日本企業は韓国など新興国企業の後塵を拝していることが多くなった。しかもこれまで日本は、韓国企業に負ける原因を価格差だとしてきたが、はたしてそうだろうか?むしろもっと基本的なところで、日本は負けてきているのではないか?
 例えば、自動車。価格差は当然あるが、性能の差については一般ユーザーにはもうわからなくなっている。日本の自動車メーカーは「10万km以上乗れば違いがわかる」というそうだが、そもそも10万kmも乗り続けるユーザーはごく一部だ。家電製品でも、海外製のものが人気を集めてきている。LG製のテレビ、ハイアールの洗濯機など。特に最近はやりのスマートフォンでは、日本製の評判はあまり良くない。iPhoneの販売台数がスマートフォン全体の半分を占め、アンドロイドでも台湾HTCや韓国サムソン製が人気を集めている。パソコンに至っては、確かに日本製は不具合が極めて少ないので評判は高いが、数年で基本性能が陳腐化してしまう世界なので、コストパフォーマンスとしては台湾製、中国製にはなかなか勝てない。むしろ、日本製のパソコンはプレインストールされているソフトが多いので、パソコンのユーザーからはむしろ敬遠される傾向もある。
 日本のものづくりはニーズにダイレクトに応えていないのではないか?と思えてくる。韓国企業がインドで冷蔵庫を売るときに鍵を付けたらヒットした、というような話も聞く。その国の事情に合った、必要な製品を、適正価格で供給するという、基本的な仕事をおろそかにしているようにも見えてしまう。こうしたことの背景には、技術に対する過大な自信があるのではないか?技術に絶対の自信をもち、その技術に拘るあまり、ユーザーの声が聞こえなくなっているのではないだろうか?
 TPP協議への参加が決まろうとしている。基本に戻って、自らを省みることも重要だろう。

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EDITORAL
編集後記

○…「春は名のみの・・」早春賦、今の季節にぴったりの名曲であり、歌詞だ。ただこの曲、日本オリジナルではないようだ。音楽家の青島広志氏が、モーツァルトの「春への憧れ」が原曲と明言していた。このことは音楽業界で昔から知られていたことだそうで、この作曲者の息子2人が著名な童謡・唱歌作曲家で、この人達が亡くなった現在では解禁に問題なしと青島氏は判断している。「春への憧れ」という曲も日本でよく知られており、インターネットでも両者が似ていることはよく話題となっている。実際に聞いてみても、青島氏の「春への憧れ」が原曲は、納得できる。
 唱歌の歴史をみると、1900年代までの「蛍の光」など西洋音楽の翻訳が中心の翻訳唱歌の時代から、1910年以降のオリジナル曲中心の文部省唱歌の時代に替わる。「早春賦」は文部省唱歌の代表的作詞家の詞に新進作曲家が曲をつけた新作唱歌の一つとして発表されたもの。一時代前なら、原曲モーツァルトの翻訳唱歌となっただろう。
 実は「早春賦」のメロディーで、全く違う曲がある。森繁久弥が作り歌う、多くの人の知る「知床旅情」だ。但し、夏の知床の歌だ。「知床旅情」には元歌がある。それは「オホーツクの舟歌」、凍てつくオホーツクで春を待つ歌詞だ。日本一遅い春を迎える最果ての地の「早春賦」なのだろう。

○…デフレ脱却が日本経済の喫緊の課題になっているようだ。内需拡大のためには消費者の所得を増やさなければならない。先ごろ安倍首相は経済団体の代表者達に異例の「賃上げ要請」を行った。まるで連合のような労働団体の役割りを担ったようなものだ。翻ってみれば、それは労働団体・労働組合のどうしようもない退潮を物語ってているのかも知れない。
 「賃上げ要請」に応えて早速名乗りを上げた企業が現れた。ある大手コンビニが従業員の賃上げを発表したのだ。景気回復のためには評価できる取り組みだと思う。しかし、伝えれるところによると「賃上げの対象として考えているのは、20万人近くいる従業員のうち正規社員3300人だけで、残りの非正規雇用の賃上げは考えていない」なのだという。確かに、何もしないよりはいいのだろう。けれど、本当にデフレ脱却を考えるのなら、非正規雇用の従業員を外すことは理屈に合わない。
 現在、日本企業の非正規雇用の比率は35%以上に達しているらしい。この人たちの賃金が低く抑えられている間は、とても消費の伸びも期待できない。したがって、本当に有効なデフレ対策を取ろうとするのなら、非正規雇用者の賃金底上げを図る事が重要であるはずだ。今回の発表が単なるパフォーマンスに終わらないことを願う。

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