○…環境庁が経産省に東電の石炭火力入札延期を要請した。CO2の排出量の多い石炭の地球温暖化への影響を懸念したものだ。経産省は原発再稼動のめどが立たないなかで、代替する火力の増設は急務であることから要請には応じない方針という。
石炭は最も安い燃料、安定調達できるリソース、コスト圧縮がもとめられ、また自給資源のない日本にとって最善の選択肢だ。日本の技術は高効率でクリーンな石炭火力が可能なのだ。原発事故直後から計画さるべきであったのであり、遅すぎる感がある。
中国の大気汚染が大問題となっている。北京をはじめとして、各地で重度の大気汚染、住民に健康被害など多大な影響がでている。日本へも汚染大気が飛来、パニックを起こしている。問題となったのは微粒子PM2.5で、石炭や石油燃焼時の硫黄酸化物が原因の物質で、石炭火力、自動車、暖房用石炭の排ガスなどが挙げられている。発展優先、対策・規制があとまわしとなったツケだ。中国だけでなく、インドや東南アジアなど新興国でも大気汚染が広がっている。中国同様、対応が後手になっている。
経済成長に伴う大気・水質・土壌などの汚染は、典型的公害であり、欧米・日本の先進国が経てきたもの。理念的地球環境保全は棚上げにして、公害防止ノウハウ・システムの先進国からの移転こそ、なすべき急務だ。
○…鰻丼が大好物である。だからといっていつも食べられるわけではない。食べられるのは年に数回である。なにしろ高い。特上の「松」は3千円以上、上の「竹」は2千円程度、並の「梅」にしても1千5百円程度だ。サラリーマンの昼食としては並にしても高額である。それでも近所のウナギ屋の昼時は客が溢れている。さぞやウナギ屋は儲かるだろうと思っていた。ところが、そうではないらしい。原価が高騰しているそうだ。
さる2月初め、「環境省が不漁が続く天然のニホンウナギを“絶滅危惧種”に指定した」そうである。ニホンウナギの成魚の漁獲量は、1961年の3387トンをピークに09年は267トンと約13分の1まで激減、養殖用の稚魚(シラスウナギ)も63年の232トンから10年は僅か6トンと約39分の1にまで落ち込んでいるらしい。減少の主な原因は、乱獲に加え、河川の堰やダムの建造で遡上が妨げられ、生育できなくなったことが挙げられている。また、エルニーニョ現象が起きると、産卵場が本来のマリアナ諸島沖から南下し、シラスウナギが海流に乗って北上できなくなることも影響していると考えられている。すでに成魚の漁獲禁止が各地で実施、もしくは検討されているという。
こうなると更なるウナギの高騰は避けられない。ウナギの蒲焼はあきらめて、サンマの蒲焼で我慢しよう。 |