EnB 3号 目次
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原子力の正常化を

■REPORT
進まない?水インフラビジネス

■GLOBAL Business
・Bechtel、Chevronから技術取得
・Alstom、潮流発電のTGL買収完了
・石油下流建設コスト、ここ半年同レベル

■Global Report
Bechtelも、2011年E&Cランキングトップ
ENR誌データによる企業ランキング

■TOPICS
日鉄住金P&E、新戦略策定へ‐小野原社長

エネルギー事業増える経産省

■NEWS Flash
・千代田化工建設、太陽石油のTAU装置受注
・住友商事、タイEGAT向けGTCC受注
・神鋼環境、ベトナムで水インフラ整備へ
・IHI、タイでGT長期保守契約
・横河電機、制御システム相次ぎ受注
・WH、三門原子力発電所格納容器の上蓋設置完了
・JFEエンジ、タイで水和物スラリー空調システム納入
・三菱重工、次期社長に宮永副社長
・日立製作、日立プラントを吸収合併
…住友商事、英水事業会社を買収
…明星電気、中期計画を策定
…千代田化工建設、新社長に渋谷常務

■Projects News
…Upper ZakumでPetrofac〜DSMEが優位
…Laffanコンプレックス拡張で入札
…アブダビMirfaIWPP、3月締め切りで事業権入札
…アブダビUmm al-LuluでEPC入札
…アブダビNasr油田開発で入札へ
…BASF/Sinopec、茂名のINAでFS完了
…Evonik、ロシアでアミノ酸プラント
…Fluor、WilliamsからPDHプラントで初期設計受注
…Gasprom、ヘリウム鉱床開発へ
…GDF-Suez、トルコで大規模石炭火力
…現代建設、ノルウェイのプラットフォーム受注
…ENI/Petronas、イラク設備のEPC延期
…天津製油所、6月に着工へ
…UOP、中国にイソブチレン技術供与
…カタール、石油・石化事業でマレーシアに投資
…エストニアで製油所計画
…Technip、印PTAのエンジサービス受注
…KBR、ハンガリーでアンモニアリバンプ受注
…Shell等、Elba島でLNG計画
…Technip、ケンタッキー州のエチレン拡張を受注
…韓国、フィンランド原発に応札

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■エンジニアリングダイジェスト

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■Editorial 詳細へ

EnB 3号 表紙

 

EYE
原子力の正常化を

 原子力規制委員会の新規制案が出された。「世界一厳しい」と田中俊一原子力規制委員長が自ら評する新規制案は、その対策は技術的には可能だが、費用面では大きな負担となる。一部の試算では全原子力発電所で総額1兆円規模の投資が必要とも言われ、原子力発電の採算性が厳しくなるという見方もある。
 だが、福島第一原発事故という、過去最大の原子力事故を起こしてしまった以上、原子力の安全対策費用が嵩むのは当然である。多少、採算性が落ちたところで、安全確保が出来なければ再稼働するべきではない。そこは電力会社も腰を据えて取り組んでいくべきだ。安全性がトッププライオリティでなければならない原子力発電において、諸外国で導入が進んでいるフィルター付きベントすら設置していなかった、というのは電力会社の怠慢と謗られても仕方がない。それでなくとも日本は世界有数の地震国であり、そこで本質的に危険な原子力発電を運転するのだから、最初っから世界一厳しい規制が必要だったのだ。その意味では正常化させるに過ぎない。今までが甘すぎたのだ。
 一方で電力システム改革の議論が進んでおり、全面自由化と法的アンバンドリングへと方向性が固まってきた。原発ゼロを否定する安倍政権でも、この電力システム改革に関しては「しっかりと進めていく」と茂木経済産業大臣もやる気マンマンだ。
 この、全面自由化とアンバンドリングが実現すると、原子力発電もその本来の経済性が見えてくるようになることになる。これまで立地対策や研究開発などで多額の外部コスト(すなわち税金投入)があって初めて経済性が成立している、といわれているが、これが全面自由化のなかではより明確になるだろう。過酷事故の際の賠償金・廃炉費用などはこれまで非常に甘く見積もられていた。しかし既に賠償は実例ができつつある。それらを保険化やファンドなどで電力会社は担保しなければならない。そういう条件のなかでも経済性を確保でき「正常な」電源となっていくことが原子力の未来を築く。

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EDITORAL
編集後記

○…環境庁が経産省に東電の石炭火力入札延期を要請した。CO2の排出量の多い石炭の地球温暖化への影響を懸念したものだ。経産省は原発再稼動のめどが立たないなかで、代替する火力の増設は急務であることから要請には応じない方針という。
 石炭は最も安い燃料、安定調達できるリソース、コスト圧縮がもとめられ、また自給資源のない日本にとって最善の選択肢だ。日本の技術は高効率でクリーンな石炭火力が可能なのだ。原発事故直後から計画さるべきであったのであり、遅すぎる感がある。
 中国の大気汚染が大問題となっている。北京をはじめとして、各地で重度の大気汚染、住民に健康被害など多大な影響がでている。日本へも汚染大気が飛来、パニックを起こしている。問題となったのは微粒子PM2.5で、石炭や石油燃焼時の硫黄酸化物が原因の物質で、石炭火力、自動車、暖房用石炭の排ガスなどが挙げられている。発展優先、対策・規制があとまわしとなったツケだ。中国だけでなく、インドや東南アジアなど新興国でも大気汚染が広がっている。中国同様、対応が後手になっている。
 経済成長に伴う大気・水質・土壌などの汚染は、典型的公害であり、欧米・日本の先進国が経てきたもの。理念的地球環境保全は棚上げにして、公害防止ノウハウ・システムの先進国からの移転こそ、なすべき急務だ。

○…鰻丼が大好物である。だからといっていつも食べられるわけではない。食べられるのは年に数回である。なにしろ高い。特上の「松」は3千円以上、上の「竹」は2千円程度、並の「梅」にしても1千5百円程度だ。サラリーマンの昼食としては並にしても高額である。それでも近所のウナギ屋の昼時は客が溢れている。さぞやウナギ屋は儲かるだろうと思っていた。ところが、そうではないらしい。原価が高騰しているそうだ。
 さる2月初め、「環境省が不漁が続く天然のニホンウナギを“絶滅危惧種”に指定した」そうである。ニホンウナギの成魚の漁獲量は、1961年の3387トンをピークに09年は267トンと約13分の1まで激減、養殖用の稚魚(シラスウナギ)も63年の232トンから10年は僅か6トンと約39分の1にまで落ち込んでいるらしい。減少の主な原因は、乱獲に加え、河川の堰やダムの建造で遡上が妨げられ、生育できなくなったことが挙げられている。また、エルニーニョ現象が起きると、産卵場が本来のマリアナ諸島沖から南下し、シラスウナギが海流に乗って北上できなくなることも影響していると考えられている。すでに成魚の漁獲禁止が各地で実施、もしくは検討されているという。
 こうなると更なるウナギの高騰は避けられない。ウナギの蒲焼はあきらめて、サンマの蒲焼で我慢しよう。

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