EnB 2号 目次
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無念でならない

■REPORT
見通し明るいプラント市況

大型案件増えるプラント成約

■Global Report
中国海外プロジェクト受注、1500億ドルを突破
 2012年対外承包工程受注10%増
…韓国建設・プラント大型受注

Sinopec、上流のエンジニアリング企業設立 国際級のオイルサービス企業が目標

■GLOBAL Business
・E&C業界のM&Aの動き、引き続き活発
…CB&IによるShaw Groupの買収の進行状況
…CGGVeitas、Fugro事業部門を買収
…Waste Connections、R360を買収
…Schlumberger、GeoKnoeledgeを買収
…Granite、Kennyを買収
…Balfour Beaty、米国Subsurfaceを買収
…上場廃止を迫られるMichael Baker
…FW、医薬バイオのYonkersを買収
…DPR、Haldin買収合意
…ACS、Hochtief経営支配を強化

■TOPICS
東芝/日揮など、YSCP実証を開始

発送電分離、方向性まとまる

■NEWS Flash
・Nghi Son製油所・石化PJ、EPCへ
・INPEXのアバディFLNGプロジェクトがFEED開始
・日立造船、Ras Abu Fontas海水淡水化プラント受注
・三井造船、相次ぎプラント受注
・東芝とGE、GTCCで戦略的提携構築
・日立造船、世界最大の泥土圧シールド完成
…JFEエンジ、イーレックスからバイオマス発電受注
…IHI等3社、大水深用セミサブリグを共同設計
…三菱重工、世界初の油圧ドライブトレイン風車で試験
…三菱重工、中国でタービンの設計・販売会社
…Hitz、米NAC社を子会社化
…東芝、スマートシティプロジェクトに参加
…タイコ・コントロールズ、社名変更

■Projects News
…GDF Suez〜住商、Al Zour North IWPP獲得
…Luloil、イラク西Qurnaの原油収集設備で入札
…Aramco、Jizan発電でFA入札
…Midyanガス処理で入札
…KBR、Jubail製油所のメンテナンス業務受注
…WorleyParsons、バスラのリハビリでPM
…BP、オマーンのガス処理で入札
…ドーハメトロ、システムパッケージでPQへ
…KNPC、Mina al-Ahmadiのクリーン燃料PJで新規入札
…サウジアラムコ、リヤド製油所で入札実施
…オマーンセメント、拡張を計画
…Alstom、リビアにGT11台供給
…CB&I、豪州でガスプラント受注
…中国、石島湾原発建設開始
…KBR、カンボジアの水素化分解装置受注
…大宇国際、ケニヤで火力発電受注
…Petronet、GangavaramにLNGターミナル
…Pertamina、ナフサクラッカー計画
…Technip、ルイジアナのアンモニアプラントでFEED
…Alstom、ベトナムで水力発電
…大林産業、サウジからブタノールプラント受注
…韓国、1,580万kWの火力発電建設へ
…三菱ガス化学、トリニダッドでDME検討
…印Kakinadaの肥料プラント前進へ
…オマーン石油とLGがPET/PTAコンプレックスで合意
…PetronasとEvonic、Rapid計画でLOI
…SADAF、ポリオール/SMPO建設へ
…Shell〜QP、三菱化学のオキソアルコールプロセス採用

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 2号 表紙

 

EYE
無念でならない

 アルジェリアの人質事件では、痛ましくも多数の犠牲者が出てしまった。無念でならない。無くなられた方々と、そのご家族の方々に対して、深く深く、哀惜の意を伝えたい。
 日揮はアルジェリアで30年ほど、各種のプラント建設を継続してきた。アルジェリアの石油・ガス施設の多くは日揮が建設に携わってきたもので「アルジェリアの発展に貢献してきた」との自負は強いだろう。しかも日揮はアラブの発展に情熱をもち、奨学金を通じて人材育成にも貢献してきた。イスラム社会とも友好関係を育んできた。だからなおさら、今回の事件は残念でならない。
 こうした事件の影響で一番怖いのは、「だから、国内でおとなしく事業を展開していればいいのだ」という無責任な批判と、こうしたリスクを目の当たりにした人材流出だ。
 だが、国内だけでは日本企業はもはや生きてはいけない。海外展開の手を止めることはできない。海外で様々なリスクを取りつつ、事業展開していかなければ、事業の継続ができなくなってしまう。
 海外のプラント建設で通常予測されるリスクといえば、予算オーバー、工事遅延、調達品の不良、事故の発生、仕様変更にともなう設計のやりなおし、工事品質などが挙げられる。これらのリスクのマネジメントだけでも、工学的な知識体系と、職人的な経験が必要となるが、そのうえ、今回のようなテロ、戦争などのリスクもかかってくる。だが、今回の件は、こうした通常のリスクマネジメントの範疇を超えている。一企業で完全に対処できる性質のものではない。
 今後、日揮をはじめとして、エンジニアリング各社は改めてテロに対するリスクを見直していくことになるだろう。過激派の攻撃を予測し、事前に避難を可能とする手法が取られていくような新たなリスクマネジメント、より高度な危険回避の手法が確立されていくかもしれない。だが、そこには日本政府側の情報収集力、危険予知力の高度化も不可欠なのではないか。

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EDITORAL
編集後記

○…例年にない正月の寒さをひきずって如月を迎えた。暦の上では4日が立春だが、春とは名ばかり、寒さは当分続くのだろう。今後も雪の日も何日かあるだろう。防寒対策を考えねば…と思う。ところで、「きさらぎ」の語源については諸説あるようだが、その筆頭に「旧暦2月は、まだ寒さが残っているので、衣(きぬ)を更に着る月であるから「衣更着(きさらぎ)」とある。
 そういえば、齢を経るごとに着るもののボリュームが確実に変わった。若いころの下着は、上は半そで、下はパンツ1枚だった。それがいつのまにやら長袖となり、若い女性に軽蔑されるらしい「もも引」も着用するようになった。それでも足りずに、いろいろと重ね着をする。どうも私だけではないらしい。高齢になればなるほど、寒さに敏感になるのであろうか。それとも、単にこらえ性がなくなったのか。やはり若者は、肉体的には耐久性に優れている。そういえば老人とは肌のはりも艶も大いに違うのだ。
 だが負け惜しみかもしれないが、防寒対策にいそしむ我々は「消費」という観点では、大げさに言えば日本経済に大いに貢献していることになる。重ね着をし、厚いコートをはおり、首にはマフラー、手袋を着用する。それでも足りずに、衣類に貼り付ける簡易保温を利用する。そして夜は熱燗で一杯だ。厳しい寒さも利点はある。

○…国内外の情勢、日本や世界の政治経済情勢、そしてエンジニアリング業界に事件が多発しているのだが、状況をうまく掴みとることができないので、今回はあまり注目されていない日本の考古学的発見について、考えて見たい。
 福岡市の元岡古墳から発見された鉄刀の背に金象眼(刻まれた文字に金を埋め込む)の刻文が見つかった。その銘文に、西暦570年にあたると見られる「庚寅」という紀年が刻まれていたことが発見されたというものだ。
 問題はその解釈だ。これを発見者の福岡市教委などが日本で暦が使われた最古の例としていることだ。日本書紀によると563年に百済から、暦博士を呼んでいることから日本での暦使用例としている。果してそうだろうか。
 この刀以前に明らかに日本国産のいくつかの刀剣の刻文が知られており、なかでも埼玉県行田の稲荷山古墳の鉄剣は同じく金象眼で、「辛亥」という紀年が刻まれている。これは471年に当たるというのが定説。これは倭の五王の最後である雄略天皇の時代だ。つまり程度はともかく、100年以上前から暦はすでに使われていたのだ。
 570年なら、仏教伝来(538or552年)から6世紀末以降の仏教興隆の飛鳥時代の中間、この時代の金石文として注目すべきだ。

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