EnB21号 目次
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貧しい資源開発政策

■REPORT
海外シフト進むも下期に案件集中
プラント業界の上半期決算

■読者寄稿
「円安政策の実行とリスク分散を」

■GLOBAL Report
中国60大コントラクター、売上増も利益は減少
2012年度双60強発表される

■TOPICS
NSENGI、鹿島が共同施工体制-具体化進む洋上風力

上半期産業機械受注、6期ぶりの減少

■NEWS Flash
・日揮、Jazan製油所FCC、芳香族設備を受注
・住商、オマーンで造水事業を受注
・クボタ、マレーシアでパーム油廃液処理設備受注
・新日鉄住金エンジ、小倉製鉄所向け新型熱風炉を初受注
・IHI、ペトロネット向けLNGタンクを完成
・トレンドマイクロ、制御分野セキュリティ本格展開
…Toyo、韓国でEO/EGプラントを受注
…丸紅、インドネシアの地熱発電でPPA
…横河電機、豪州のLNG向けにシステム受注
…五洋建設、シンガポールで大型医療施設受注
…伊藤忠、ロシアで発電プロジェクト
…日立製作所、扇島パワーステーション3号機を受注
…川崎重工、東京モノレールから蓄電設備受注
…Hitz、茨城工場の燃料転換工事を完了

■Projects News
…Toyo-Uhde、ベトナムでANプラント受注
…クウェート石油、新規プロジェクト
…ヨルダンAqabaでFRSU計画
…サウジLubref、拡張計画でJacobsをPMCに
…サウジMaaden、FluorとBechtelにリン鉱山のPMC
…サウジAl-Rajhi、製鉄所建設計画でEPC発注へ
…印Zuari Agro、UAE初のリン酸肥料プラント計画
…Borouge、フレアガス回収設備で入札実施
…アブダビのガス昇圧設備で入札
…Tecnicas Reunidas、Jazan製油所向設備を受注
…BASF、テキサスでエマルジョンポリマープラント
…CFインダストリー、米で肥料プラント計画
…神華集団、Ineosのプロピレン技術を採用
…大宇国際、アルジェリアでコージェネ受注
…大宇建設、サウジでタンクファーム受注
…斗山重工、サウジで造水プラント受注
…FW、印Rilianceからパラキシレン設備受注
…Bonaparte LNG、KBRにFLNG船体設計を発注
…ナイジェリアでメタノールプラント計画
…Tangguh LNG第3系列で認可
…Jacobs、RAPID計画向けSRUの基本設計受注
…KBR、サウジでIGCCのFEED受注
…Methanex、メタノールPJで環境認可取得
…パプアニューギニア、Gulf LNG計画を認可
…Sabic/Shell、Sadafの拡張を計画
…三星エンジ、ボリビアの肥料プラント受注
…Shell、シンガポールのオレフィンを増強

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

■最近のプロジェクト受注・契約状況

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EnB 21号 表紙

 

EYE
貧しい資源開発政策

 日本のどこに「エネルギー政策」があるのだろうか? −かつてサウジアラビアでは油田権益を失い、イランでは米国の横槍で中国に権益をさらわれた。身近な資源国であるロシアとのパイプラインガス輸入の道は途絶え、中東に依存するLPG価格は一方的な通告価格のみ。米国のシェールガス革命に期待はしても、FTAすら結んでいないので、日本への輸出はごく限られた量しか期待できず、中東依存度の高さが維持されつつ、投機筋のエネルギー資源の先物市場への流入が続いたまま、電力会社は燃料費の高騰を理由に電気料金の値上げに走る。
 もちろん、エネルギー問題には外部要因も大きいので、一概に国内政策が悪いと弾劾するのも良くないことは承知している。だが、国の政策と一番の課題であるエネルギー資源の「調達」に対する姿勢がこれまであまりにもひ弱であったのは間違いない。「原油は市場から調達すればいい」といいつつ原油価格の指標は米国のWTIに依存したまま。原油価格決定に買い手である日本が関われないのは、日本が積極的に権益を獲得することをしてこなかったからだ。というよりむしろ、日本が権益を保有することを政府はジャマしてきたとすら思える。石油公団やJBICの独立性を失わせリスクマネーの供給を制御しようとしてきたのだ。サウジの油田権益の継続の条件は貨物鉄道の敷設プロジェクトだったが、せっかくのプロジェクトのチャンスを拒絶したのも政府である。
 電気料金は総括原価と燃料費調整制度によって、原油価格という外部要因に合わせて自動的に変動するように出来上がっているが、その外部要因を日本はコントロールする術を全く構築してこなかったのである。
 日本企業が主体の資源開発プロジェクトとして、漸くINPEXのイクシスLNGが動き出したが、あまりにも遅い。資源開発投資の消極性が、地下資源に関する日本のエンジニアリング業の遅れの原因の一つだ。現在、中国や韓国企業が積極的に資源開発プロジェクトに参加している。この流れでいけば、資源開発に関するエンジニアリングもそう遠くないうちに中韓に抜かされていきそうに思う。

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EDITORAL
編集後記

○…沢昭裕氏(通産のエネルギー関係の要職を経て現在シンクタンク)の「精神論ぬきの電力入門」によると、エネルギー政策の基本は3つのE、すなわち①エネルギー安全保障(EnergySecuruty):エネルギー供給の対外依存度、供給先の不安定性の低減、②経済性(Economy):エネルギー価格の低減 ③環境性(Envirobment):環境汚染の最小化、温室効果ガス排出削減(地球温暖化問題への対応)とする。
 オイルショックの起きた1970年代までは①が最優先、1980-90年代は②が叫ばれ、2000年代には地球温暖化により③に重点と推移した。原発は3Eを満たすものと評価する。
 そして現在は①つづいて②とする。原発の安全性を問題視した現在の政府などが安全性をエネルギー政策の基軸にしようとしているのは誤りとする。安全性は選択の対象ではなく、必ず守るべきものだからという。
 氏のこの立論はおかしい。必ず守るべきものであるからこそ、安全性がエネルギー政策の基本なのだ。環境性は公害対策が基本で、これは必ず守るべきものだ。社会の安全性を損なうのが公害であり、今回の事故は放射性物質の拡散をもたらし、巨大な被害をもたらした公害だ。原発は環境性を満たすというのは地球環境問題に矮小化し、「安全神話」のもとでのまやかしであることを今回の福島事故は明らかにしている。

○…300世帯以上が居住する我がマンションでは、毎年「餅つき大会」を実施している。30年近くのあいだ、毎年「餅つき」を行っているのも自治会行事の中で一番人気だからである。当日は朝早くから三つのかまどで火をおこし、せいろでもち米を蒸す。そして二つの臼でもちをつく。居住者に配布するもちの種類は「あんこもち」、「きな粉もち」、「からみもち」、「ネギもち」が定番。一番人気は大人、特に酒飲みに好評な「ネギもち」だ。このほか、「お雑煮」と「お汁粉」を集会所で食して貰う。
 問題は「お雑煮」である。作成するのは女性役員と女性班長さんである。しかし、その方々の出身地によって毎年「だし汁」、「具」が違うのである。丸餅か角餅も違う。特に年配の方々にはこだわりがある。関東地方の削り節を使ったすまし汁で、鶏肉と小松菜などを使ったシンプルなお雑煮の頻度が高いが、関西、九州、北海道などの出身者も多く、その土地の「お雑煮」を味わうことになる。味噌味としょうゆ味、丸餅と角餅などの東西のお雑煮の違いはばかりでなく、小豆〔あずき〕汁、納豆汁の地方もある。いままで一番印象に残ったのは福岡近隣食べられる「博多雑煮(アゴだしとブリが特徴)」だ。全国各地の雑煮が食べることができる「餅つき」が今から楽しみだ。

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