EnB20号 目次
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■EYE詳細へ
もっと文学的な講演に

■REPORT
進むエネルギー新技術開発

■GLOBAL Business
・中東石油・石化プロジェクト、韓国企業が上位独占
…AMEC、韓国三星グループとオフショアで合弁
・M+W、電力プラント専業RPSを買収
・UOP、天然ガス技術のThomas Russellの株を買収
・Siemens、ソーラー事業から撤退
…Alstom、太陽熱のBrightSourceに追加投資

■TOPICS
日鉄住金P&E、まず会社の統合を−小野原社長

日立製作所がホライズン原発を買収

IHI、営業利益倍増へ「経営方針2013」を発表

■NEWS Flash
・JFEエンジ、ベトナムで潤滑油設備受注
・三井造船、米国で化学プラント設計業務受注
・三菱重工、ベトナム・オモン火力設備受注
・富士電機等4社、インドネシアでスマコミ実証
・川崎重工、相次ぎエネルギー設備受注
・Hitz、新エネルギーで積極展開
・愛知県の太陽・風力事業が着工
・山田豊前ENAA理事長が藍綬褒章
…三菱重工、マレーシアで鉄道システム受注
…新日鉄住金エンジ、釜石でごみ処理施設受注
…JFEエンジ、6地区でメガソーラー

■Projects News
…Air Liquide、ガス化学コンプレックスにライセンス
…Aker 、ShetlandガスプラントのO&M受注
…Alliance、ノースダコタのパイプラインで認可取得
…Aramco、Jazan製油所のEPC発注
…Bonaparte FLNG、環境認可取得
…カナダでLNG輸出計画
…キプロスでLNGプロジェクト
…大宇建設、アルジェリアで複合火力受注
…Dominion、複合火力で認可申請
…Technip、DowのエチレンPJを受注
…Dow、EPDMプラント建設へ
…マレーシアでバイオベースポリオールプラント
…バングラデシュで複合火力
…Inventa-Fische、ベルギーに欧州最大のPETプラント
…Ansaldo Energia、アルジェリアでGT発電所受注
…Fluor、オイルサンドのPMサービス受注
…KNPCの製油所PJでAmecとFWがコンサル
…Gasprom、Eastern Gas Programを前進
…GS建設、タイで製油所受注
…イラク、ナシリヤ油田、製油所で入札招聘
…Jacobs、印硫酸プラント拡張PMCを受注
…Sempla、メキシコのガスパイプライン受注
…露NKNH、ポリスチレンの増強を計画
…Sibur、LDPE/PP増強を計画
…Hanwha建設、オマーンでEDCプラント受注
…三星エンジ、UAEでカーボンブラックなど受注
…シンガポール、LNGターミナルを増強
…Uhde、米で肥料プラント受注

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル
・2012年度第2四半期の重電機器受注実績

■エンジニアリングダイジェスト

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■Editorial 詳細へ

EnB 20号 表紙

 

EYE
もっと文学的な講演に

 色々とスケジュールが重なったため、今回のエンジニアリングシンポジウムは半分も出席できなかったが、プログラムを見ても、エネルギー関連の話題が多かった。それに対して参加者も前回を越えており、やはりエネルギーへの関心はまだ高い。学生の参加者も前回を越えていたようで、業界への関心度が徐々に高まっているようで喜ばしい限りだ。
 特に今回、エンジニアリング功労者賞の記念講演がプログラムに組み込まれていたので、2件の講演を聴いた。いずれも関心を持って聴いてみたが、その内容にはちょっと物足りなさを感じた。
 いずれの講演も、プロジェクトの背景、その概要の紹介のあとは、技術的な内容に終始したのである。プロジェクトの目的の達成のためには、技術面の工夫は欠かせないものであるのは理解出来る。しかしプロジェクトは技術だけで遂行できるというものでないのも事実だ。現地の許認可関係、資機材の調達およびハンドリング、作業員の確保とコミュニケーション、安全確保、スケジューリングからコスト管理など、様々な要素で構成されるのがプロジェクトだ。今回の講演では確かに、技術面の説明は詳しくなされていた。しかしあまりにも技術に偏った説明が続き、その分野に関わっている人以外には、よく解らない内容となっていたように思う。技術の重要性は認識しているが、それだけでは、プロジェクトの持つダイナミズムは聴講者には伝わらない。ましてや、そこにはエンジニアリング業界の将来の戦力となるやも知れぬ学生さん達も含まれている。
 海外プロジェクトが如何にダイナミックな仕事であり、魅力のある仕事であるか、それをプロジェクトに携わった人から、直接聴く事ができる、というのは、学生さん達にとっては、数少ない機会であろう。プロジェクトに何が求められ、それに技術で如何に応え、さらにどんなリスクをどうヘッジし、多国籍の作業員を如何にマネジメントし、安全にプロジェクトを遂行させ、如何に品質をまもり、納期を守りプロジェクトを完成させたか。そうした文学的な部分の説明がもっとあって良かったのではないだろうか。

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EDITORAL
編集後記

○…脱原発を進めているドイツが苦闘している。昨年メルケル首相が脱原発を宣言したとき、原子力の代替電源ををソーラー・風力など再生可能エネルギーに求めるとしていた。達成のためのシナリオも提示されたのだが、再生可能エネルギーの実情を考えれば現実的なプランとは思えなかった。
 最近のドイツの状況を見ると、脱原発が現実路線で進められているようだ。ドイツの電気料金は、再生可能エネルギーが増大することで電気料金が高騰する。全量固定価格買取制度の改革が政治課題となっている。すでにソーラーへの助成は段階的に削減され、能力が200万KWに達すれば廃止される。メルケル首相は従来路線を堅持としているが、現実は異なるようだ。
 ソーラーに代わってブームとなった風力も問題が多い。建設は北部、需要は南部、その間に送電線がなく、多くの送電プロジェクト計画があるが、その多くが遅延、現在は生産された電気は隣国に送られている。
 結局、ドイツが依存できるのは火力発電、かつ自国資源である石炭である。ドイツ連邦水道エネルギー協会は、今後の電源計画として、70%が石炭としている。このためには低炭素路線の棚上げが必要となる。
 自給資源のない我が国の脱原発も世界的に最も安価で量的に安定した資源である石炭の確保が必須条件でとなろう。

○…「またまたやったか」と最初は思った。
 田中真紀子文科相が3大学の開学申請にノーを突きつけた件だ。文科省の指導や審議会の審査を経ての申請だから、テレビや新聞のほとんどは「暴挙」報道である。大学側は「唐突だ」、「納得できない」と訴訟も辞さない構えだった。「暴走おばさん」と評した人もいる。確かに、大学設置・学校法人審議会の答申を覆して、3大学の新設を不認可としたのは、従来の慣例から言えば異常な事態だそうである。結局、1週間ほどで「認可」という結論が出て騒ぎはおさまった。
 だが、待てよと思う。この「暴挙」は正しかったのではなかろうか。大体、大手マスコミ、テレビが横並びで一斉に非難する事態、人はそれほど間違っているのだろうかと思うことがはなはだ多い。
 4年生大学はいまや740校に及ぶという。私立大学の5割が少子高齢化などで定員割れだ言われている。それなのになぜ新たな大学をつくるのか。1つは「大学屋」と言われる「学校経営」を商売にしているプロのビジネス集団の「大学新設利権」である。大学設置審議会メンバーのほとんどは大学関係者であり、官僚の天下り先にもなっている。審議会というのは名目だけなのだ。第一、設立が正式に認可されていないのになぜ教室を作り、オープンキャンパスを始めるのか。田中大臣は問題点に一石を投じたと思う。

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