EnB19号 目次
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日本はグローバル化できるの?

■REPORT
新会社で社会インフラ事業拡大を
統合のシナジーで事業規模倍増へ
千代田システムテクノロジーズ代表取締役社長

■GLOBAL Report
世界エンジニアリング、国別ではスペイン企業など躍進
2011年の世界エンジニアリング企業の動向(4)

韓国中国の海外プロジェクト受注、3四半期は低迷

■TOPICS
サイバー攻撃に狙われるプラント

ロシアが急ぐ東方開発

■NEWS Flash
・JGCガルフ、ラービグ2期のエチレン増設受注
・千代田、海外で相次ぎ契約
・三菱重工、ノルウェーで世界最大のCO2回収装置
・焼却炉発注相次ぐ
・JFEエンジ、塩釜港でアーク矢板ジャケット受注
・三菱ガス化学と日揮、独でDME製造プラント完成
・丸紅、チレボン火力発電所を完成
・新日鉄住金エンジ、フィリピンで建築・鋼構造合弁
・日立プラント、微生物迅速検査装置を本格展開
…IHI、台湾CSMCからアルミコイル自動倉庫受注
…横河電機、ラービグIIで制御システムベンダーに
…日立プラント、サウジでインフラ分野のエンジ会社
…千代田、ASEに資本参加
…東芝、ShawのWH持分を取得
…日立造船と神港精機、真空装置事業で提携
…神戸製鋼、雲仙市にバイナリー発電納入
…福山プラスティックマテリアル工場が稼動

■Projects News
…ウズベキスタンでGTLプロジェクト
…North Slope PJ、総額650億ドル超へ
…Alliance、Bakkenパイプラインで認可取得
…豪Pacific LNGで資金調達
…BASF、インドで触媒生産へ
…メキシコのエチレンXXIでEPC発注
…CB&I、中国のPPプラントでソフトサービス
…CB&I、BASFからブタジエン抽出プラントのEPCm受注
…ENI、Venis製油所をバイオ製油所に転換へ
…Flint Hills、テキサスの製油所に2.5億ドル
…Fluor、カナダのCCSプラントを受注
…Fluor、ロシアで銅プロジェクト受注
…仏中JV、英ホライゾン入札から撤退
…CB&I、印Kochi製油所にライセンス
…Jacobs、Shelと欧州の設備でEFA
…FW、シンガポールのPBRでEPCm
…CB&I、OxyChemのエチレンPJでソフトサービス
…Technip、Relianceのオフガスクラッカー受注
…IFFCO等窒素肥料プラント建設へ
…GE、バングラデシュで9FGT受注
…現代重工、サウジ大型発電所受注
…KBR、オルドスのCTMプラントにライセンス
…Technimont、エジプトで石化プロジェクト受注
…METKA、ヨルダンのGT発電所受注
…FW、Sadraのパッケージングセンター受注
…JX、三洋化成、SCG、タイでENBのFS
…Sibur〜Solvay、ケミカルプラントでJV
…Siemens、アルゼンチンでコンバインド化PJ受注
…Siemens、ブラジルでコンバインドサイクル受注
…Uhde Inventa-Fischer、ベルギーのPETプラント受注

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 19号 表紙

 

EYE
日本はグローバル化できるの?

 経団連はグローバル人材の育成に向けた提言」の中で、期待されるグローバル人材を定義した。その内容がネット上で少々、話題になった。グローバル人材の中身をかいつまんで紹介すると、①社会人としての基礎的能力を持ち、②様々な障害に臨機応変対応すべく既成概念に捉われず、チャレンジ精神を持ち続け、③多様な文化・社会背景を持つ人々との意思疎通ができ、④異文化との差異に関心を持ち柔軟に対応する−というものだ。
 これに対してネットでは「スーパーマンか!?」という声も出ていた。確かにこれは学生にはハードルが高すぎる。「日本人ですらいろんな背景を持っている人がいるんだから、一般的なコミュニケーションができて、英語が喋れる、でいいんじゃないか?」というネットでの指摘にも頷かされた。
 実際には学生は内向き傾向が強まっているように見える。プラントエンジニアリング会社を就職先に選ぶ新人ですら、海外での仕事に難色を示す昨今の事情から考えると、学生のうちにこうした素養を身につけられるだろうか?
 それでなくても、長引く不況が家計を圧迫し、海外留学もままならなくなっている。海外を知る機会が制限されてきているのだ。それに加え、昨今の過度な愛国心への要望も問題である。折角、学校が海外修学旅行を計画しても、それが韓国、中国であるというだけで、全くの第三者が中止に追い込む事例もある。
 世の中は異文化との差異に関心を持ち柔軟に対応するどころか、異文化を積極的に排除する方向に向かっているようにすら見える こんな状況の中で、グローバル人材の育成を経団連が声高に叫んで見たところで、学校だって腰は引けてしまうだろう。
 海外のプラント建設の経験者の口からは、異文化の人々と同じ場所で良質の仕事をしていくことが、如何に大変であるか、そして、プロジェクトが成功裡に完了したときには、それが如何に素晴らしい体験であるか、がしばしば語られる。重要なのは、他者とのコミュニケーションを取ろうとする意思そのものだが、それが出来ない状況が広がりつつあるように感じる。

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EDITORAL
編集後記

○…2010年ギリシャの巨額の財政赤字隠蔽が発覚して、ユーロ圏全体に亘るソブリン危機へと発展した。それから2年以上となるが、その火種は決して収まってはいない。ギリシャにしても数ヶ月前に財政赤字削減を約束して収束に向かったかに見えたが、財政再建の2年の延長を申し出、「労働改革」を条件にIMFなど国際支援機関は認めたらしい。しかし改革要求はギリシャ国内の紛争の種となっているという。
 この国際支援による財政再建がギリシャの競争力再建につながり、経済が回復するならいいのだが、実はユーロ圏の競争力の弱いギリシャの回復には決して繋がらない。緊縮財政はただ経済が縮小するだけだ。共通通貨ユーロ圏にある限り、生産性の高いドイツなど中北欧諸国、中国など新興国からの輸入を防ぐ手段がない。とくに為替レートによる競争力回復ができない構造になっている。この本質的な問題を解決しない限り、ソブリン危機の解決はありえない。
 あれほど財政破綻国の再建に緊縮財政一本やりで進めてきたIMFが先ごろ東京で開かれた会議で現在の経済情勢では財政と成長の両立を図るには、ひとまず財政再建は後回しにしようと述べている。
 中国など新興国も含めて世界的に経済は悪化している。財政再建を第一と考えている日本は誤った道に向かっているのではないか。

○…いよいよ「秋冷え」が本格的にやってきた。秋という季節は、真冬よりも「冷える」季節だ。この時期、体はまだ夏の傾向が残っており、感覚面ではあまり「冷える」という実感がない。しかし、本格的に寒くなる真冬より、暖かいことになれていた体が急に冷たくなる時期の方が、かえって「冷え」の影響を大きく受ける。いわば、体が想定していない冷えについていけない状態であろう。この「想定外」は個人ベースの些細な出来事かもしれない。
 しかし、「想定外」も国家を揺るがす大事件で発せられると、簡単にはうなずけない。東日本大震災の際、行政、学者などが津波、原発事故を「想定外の事態」と言い訳にしか聞こえない言葉を多発したのは記憶に新しい。大津波もしかりだが、原発メルトダウンも人類は経験している。なぜそれが「想定外」なのだろうか。
 そして、また最近「想定外」という言葉を聞いた。次々に被害が明るみになったパソコンの遠隔操作による犯罪。警察・検察にとっては「想定外だった」ようである。「IPアドレスが判明すれば、捜査は半分終わったようなもの」という思い込みが冤罪を生んだ。さらに、沖縄での米兵による事件を、野田総理は「あってはならない」ことと発言した。「想定外」が「あった」のだから問題なのだ。まして過去同様の事件はいくつかある。秋冷えが昂進してきた。

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