EnB18号 目次
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■EYE詳細へ
スマート化にはエンジが必須

■REPORT
原子力計画を前進させる中国

■GLOBAL Report
米国以外のCMトップ企業はHochtief
2011年の世界エンジニアリング企業の動向(3)−CM/PM企業編

■GLOBAL Business
・AMEC・Fluor、ブラジルで合弁事業展開
…CB&I・ShawのM&A、米国反トラスト法審査終了

■TOPICS
GE〜東芝、新型GTで提携

新日鉄住金エンジ、新CI導入

産業施設のエネルギー消費実態

エンジニアリングシンポ開催へ

■NEWS Flash
・TOYO、ボリビア向けに尿素技術を供給
・新日鉄住金エンジ、欧州でガス化溶融炉初採用
・三菱商事、ヨルダンでIPP
・横河電機、インドネシア製鉄所自家発制御システム受注
・日立製作所、豊田市の低炭素社会実証PJに参画
・三井造船、木質バイオマス燃料製造実証プラント完成
・三菱重工、シンガポール事業を統合
…東芝プラント、タイで工場建設を受注
…大林組、シンガポールのケーブルトンネル受注
…サミットエナジー、男鹿市で大型風力発電新設
…住商、カリフォルニアの太陽光発電に参画
…下水汚泥原料バイオ水素実証開始

■Projects News
…アブダビ、再エネマイクログリッド実証へ
…TransCanada、Ontarioガス火力発電で合意
…AGRI LNGプロジェクトでFS開始へ
…オマーンSohar製油所、Alstomが排出物制御
…加EmberClear、ガス火力発電着工へ
…CB&I、ポーランドにコーキング技術供与
…豪GorgonLNG第4系列建設へ
…Eni、バイオ燃料プラント建設へ
…米Ergon、製油所拡張を計画
…Evonik、アラバマでMMAプラント建設
…ExxonMobil、潤滑油プラント増強へ
…FW、メキシコでHRSG2缶を受注
…FW〜現代建設、ベネズエラで製油所受注
…Technip、カザフスタンの製油所PJでFEED
…Jacobs、ペトロナスから硫黄回収設備の基本設計
…KBR、タンザニアLNGのプレFEED
…KBR、楡林のオレフィン回収設備でライセンス
…Luk Oil、ガソリン生産を強化
…NRC、GE-日立のレーザー濃縮プラントを認可
…オマーン・オイル、PTA-PETプラント建設へ
…Petrofac、クウェートで送電網EPC受注
…QP、エジプトの製油所PJに参画
…印NRL、Assamの製油所能力を増強へ
…Shaw、石炭火力の排ガス制御を受注
…豪QCLNGで、早期シビルワーク発注
…ESPOパイプラインで分岐ラインを建設へ
…Vinythai、中国でプラント増強
…Yamal LNG、CO2除去でBASF技術を導入
…イラク、造水プラントのスタディで入札

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■エンジニアリングダイジェスト

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■Editorial 詳細へ

EnB 18号 表紙

 

EYE
スマート化にはエンジが必須

 スマートグリッドやスマートハウスを見学すると、いつも感じるのが「これじゃあ、金持ちの道楽だなぁ」ということ。現在、電気メーカーやエネルギー会社が考えているのは、とかくハードウェアベースのシステム構築が中心になりがちであり、しかもそのハードウェアの価格が高い。いくら何10%の省エネできると言っても、なかなか一般人には手が出せるようなものではない。
 スマートグリッドとなると、地域内の個人の電力使用データがネットを介して中央指令所に送られることになる。ということは、個人がネットに加入していなければ成らない、というハードルも想定される。北九州のスマートシティ実証試験では900MHz帯の電波(ソフトバンクで言うところの「プラチナバンド」)で家庭用端末と結んでいるため、新たなネット契約が必要となるわけではないが、将来本格的なスマートグリッドシステムの構築となれば、専用の通信ラインの敷設が理想。そうなるとさらに、スマートグリッドへの参加のハードルが高くなる。
 現在のスマート化はまだ、ハードオリエンテッドな段階で留まっている。この状態では、スマートグリッドに参加したいと考えても、投資額で諦めてしまう個人が続出するだろう。しかし、スマートグリッドが日本のエネルギー問題解決の要だとするならば、こうした「取りこぼし」が多い状況のままで良いはずがない。そのためにはまず個々のシステム機器のコストダウンも必要だが、ハードオリエンテッドなスマートシティ構想ではなく、より効率的にシステムで、全体としてのエネルギー最適化を測っていくことで、地域住民全体がスマート化に参加できるように、システム設計しなければならない。
 こういうポイントにこそ、エンジニアリングの知見が必要となるのだが、現状のスマートシティのプレイヤーはメーカーやゼネコン、電力以外のエネルギー事業者がメインであり、エンジニアリング業界はこれから本格化するというところだ。スマートシティの構築で、エンジニアリングの必要性が認知されていない、という点が、この分野がまだ未熟である証だ。

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EDITORAL
編集後記

○…「韓国石油化学工業の曙 全民済の挑戦」(全民済著、堀千恵子訳、柘植書房新社)という本を読んでいる。全民済氏は韓国の石油精製・エンジニアリング産業の創始者として著名な人物だ。「怡堂全民済回顧録、石油そしてエンジニアリング産業への夢(第一巻)」を翻訳したもの。邦訳の石油化学よりも、原著名に見るように韓国石油精製とエンジニアリング産業の黎明期を描いた書籍だ。
 氏は大韓石油公社(油公)の設立に参加、技術理事として経営する。ところが石化工業への進出を計画するも外資(ガルフ)との関係を疑われ追放される(1章・2章)。
 次に未開の分野であったエンジニアリングに挑戦、全エンジニアりングを再スタートさせ、油公の中堅エンジニアを受け入れて国内、中東を中心に海外で石油をはじめとする多様な分野で活動する。当時のエンジニアリング建設分離の韓国国内法の制約から建設会社として、兄弟会社新韓機工を設立、全エンジニアリングと相携え成長していった。ところが全斗煥政権下で海外建設促進法改定で新韓機工の海外建設免許が取り消されたことを契機に全民済氏はエンジニアリング事業から撤退、全事業を大宇の金宇中氏に売却した(3章・4章)。
 パイオニアであり非財閥系の独立企業であった全エンジニアリングの苦闘の歴史が垣間見える好著である。

○…歌を歌うことは好きである。学校の音楽授業の成績は惨憺たるものだったが、歌そのものは好きだった。誰でもそうなのかも知れないが、いろいろな歌、メロディーにその時代を想い出されるときがある。若者にははなはだ評判の悪い“懐メロ”のなかにもそういう歌がある。感動した映画ではその主題歌は、ある場面を鮮明に思い出させる。映画のみならず、ある歌、メロディーが過去の自分自身のある経験を思い出させることもある。その対象は日本の歌謡曲であったり、唱歌であったり、歌曲、民謡であったりする。もちろん西洋音楽だったりもする。
 ところがである。考えてみると、自分はある年代を境に歌、メロディーを聞くとその時代を彷彿とさせるという経験をほとんど持てなくなってきているのだ。感動する映画が少なくなってきているのか。歌いたくなるような歌がなくなっているのか。そう思うのは年をとった証拠かもしれない。加齢とともに自分の感受性が減退してしまった現れかもしれない。
 けれど、こういうことは言えまいか。かつて未来に希望を持てる世の中があった。おおげさかも知れないが、現在の政治・経済・社会の先の展望が開けない状況が心のゆとりをなくしてしまっていることは言えまいか。心置きなく大きな声で歌を歌ってみたいものである。

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