○…オバマが再任をかけて、ロムニーとの激しい選挙戦を繰り広げている。オバマは4年前グリーンニューディールなるエネルギー環境政策を掲げて実行を図った。地球温暖化問題・エネルギー安全保障・雇用創出を一挙に実現しようという世界の潮流に乗った一見賢明に見える政策であった。
しかし現在ではオバマの演説から消えてしまった。風力・太陽光などの再生可能エネルギーの振興は図ったものの、さしたる成果はなく、補助金スキャンダル・中国製品の跋扈といったマイナス面が生まれた。結局シェールガス革命が米国のエネルギー問題を解決し、産業復興で雇用創出も生まれそうだ。炭化水素エネルギーへの回帰だ。
欧州の再生可能エネルギーも問題はらみだ。スペインなど財政危機にある国は再生可能エネルギーへの補助金カットに乗り出している。ドイツは原子力撤退、代替として再生可能エネルギー増大を政策として掲げたが、ドイツは既に太陽光・風力が高度に普及している国だ。ドイツも太陽光補助金の縮小が予定されている。再生可能エネルギーのコスト競争力は依然として高くない。コストが低下していることに中国製品の力が少なくない。税金や料金による補助金が他国に持ちさられるというのは自国民にとって不条理だ。ドイツにしても結局は自国の資源=亜炭に回帰するのではないか。
○…まもなく小中学校、高校も夏休みに入る。1カ月以上も休みがあるのだから、生徒にとっていろいろなことを体験できる絶好の機会だろう。有意義に過ごすか、否かは本人のこころがけ次第だ。とはいえ、有意義かどうかの価値判断は個々に違うのは当然だ。一見、周囲の大人にとって無意味に見える行動も、本人にとっては大事な経験になるかもしれない。
「思いっきりゲームをやる」とか、「遊びまわる」、あるいは「本を読む」、「旅行する」等々いろいろある。どれが有意義で、有意義でないかなど軽々に判断できない。休みの期間中にも生活のリズムを狂わせないためもあってか登校日も設定されている。一方で田舎を持っていない生徒にとっては、日常と違った異空間を体験できる「林間学校」なども思い出深い時間を過ごせるかもしれない。
だが、今だから貴重な体験を得ることができる対象がある。東日本大震災の被災地に出かけることだ。放射線被ばくの問題もあるから場所選びは慎重にしなければならない。けれど、岩手、宮城などには、被災の爪痕がいまだに生々しく残っているが、被ばくの恐れがまずない地域もある。避難生活を余儀なくされている人々の体験を聞くのもよい。修学旅行として行ってもよい。何ものにも代えがたい体験が得られるのでは。 |