EnB13号 目次
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倫理が足りないのでは?

■REPORT
2011年度プラント成約、過去最高を記録
中韓との差は拡大

■GLOBAL REPORT
2011年米国、デザインビルド・リスクCMも好転
2011年米国エンジニアリング企業の動向(3)
-代替実施方式・専門サービス編-

■TOPICS
世界で進むCCT案件形成調査

インフラ輸出“All Japanから脱却”

ENAA、第32回功労者賞を決定

■NEWS Flash
・千代田化工建設、東京ガスからLNG設備受注
・双日、モンゴルの石炭火力で優先権
・神鋼環境ソリューション、ベトナムで水処理設備
・豊田通商、イラク24カ所の変電所PJ受注
・三菱重工、Statoilの世界最大CO2回収装置実証試験受注
・住友重機械、韓国向け廃タイヤボイラ受注
・JFEエンジ、国内発電関連で2013年度受注400億円
・新日鉄・住金、パイプライン事業を統合
・三菱重工、コンテナガス発電ユニット開発
…Hitz、ベトナム初の廃棄物発電事業開始
…日立プラント、中国で上水道運営事業
…三菱重工、PUBと水処理技術開発でMOU
…Hitz、1000カ所のGEONET更新を受注
…IHI/横河電機/ゼネシス、海洋温度差発電実証
…MHI、グローバル拠点会社設立へ
…Toyo、新シンボルロゴ制定

■Projects News
…Qapco、新規石化PJは2018年運開予定
…Agrium、米国内で肥料プラントを計画
…Aither Chemical、エチレンPJ計画
…リライアンス、Technipのエチレン技術採用
…CB&I、リライアンスにパラキシレン技術
…CB&I、ロシアでエチレンプラントFEED
…Celanese、テキサスでメタノールプラント
…英原発計画に中国参加へ
…ConocoPhillips、APLNGの第2系列を推進
…KBR、ウズベクのエチレンプラント受注
…Jacobs、テキサスのPEプロジェクトでFEED
…福建の石油・石化PJ、近くFID
…Enterprise、テキサスでPDHユニット
…仏GDF Suez、潮流発電でスタディ
…ナイジェリアで75億ドルの石油プロジェクト
…GS建設、Rabig2の石化PJ受注
…KBR、Floating LNGのFEED受注
…IFFCO、カナダの肥料プラントで入札へ
…オマーンの製油所でJV
…Jacobs、Saudi KayanのFEEDを受注
…Jacobs、SadraからEPCm受注
…Linde、ロシアのオレフィンでエンジ業務
…印Kakinadaで、尿素肥料プラント
…Petrobras、2016年までに石化分野で50億ドル
…タイPTT、2020年までに110億ドル投資
…タイ・オイル、18億ドルの投資を計画
…Sabic/Exxon、Jubailでエラストマー
…三星エンジ、カザフで発電プラント
…Linde、SiburのエチレンPJでFEED

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■エンジニアリングダイジェスト

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■Editorial 詳細へ

EnB 13号 表紙

 

EYE
倫理が足りないのでは?

 オイルメジャーのHSEスタンダードは、企業の側が自らを律するために作り上げたものである。それは、それまで外部化していたHSEコストを内部化することによってこそ、正当な収益に繋がるという認識の下に進められたものと言える。企業自身の社会的責任を果たしつつ、より洗練された企業へと進化していくことが、自らの意思で行われた例だ。
 欧州では、業界挙げての効率化の動きが、まさに業界の自身の主導によって進められている。医薬品に関する国際的ハーモナイゼーションにしても、CADデータの相互運用を目指すISOの動きにしても、それは業界が主導的に進めている。それが業界全体の利益となるからだ。しかしそれも急がず、用語の統一に10年近い時間をかけて進めていくことが、常態となっている。欧州人は重要な事にはじっくりと時間をかけることを厭わない。
 振り返って日本はどうだろう?日本企業が業界標準を自らの意思で作り上げたというのは、殆ど聞かない。外部コストを内部化して企業としての責任を自ら拡大しつつ、企業としてより洗練した姿を目指す、ということもまず聞かない。
 全ては「国が…」という定冠詞ではじめられてしまう。自らは動かず、何かあれば国の基準・規定の問題としていることが多いようだ。情報を伝える側としても、「国の基準(規制)に問題がある」と結べば、自分の責任にはならない。が、常に腑に落ちないものを感じてきた。何故日本企業(行政もだが)はリスクを外部化しようとばかりするのか?
 地震で石油タンクが延焼したときも、法律に基づいた消火設備を備えてたが、全く役に立たなかった。原子力では「新品と同様」という保守の指標に無理だと解っていても、その見直しを提言もせずに放置し、結局情報隠しを招いたあげく「基準が悪い」という。
 法の遵守など企業にとって当然のことだが、それ以上に、こうした外部リスクに対して、積極的に内部化し、企業を向上させていくこと。それが企業や組織における倫理というものだと思う。そうしてみると日本の企業には倫理が根本的に足りないのかも知れない。

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EDITORAL
編集後記

○…オバマが再任をかけて、ロムニーとの激しい選挙戦を繰り広げている。オバマは4年前グリーンニューディールなるエネルギー環境政策を掲げて実行を図った。地球温暖化問題・エネルギー安全保障・雇用創出を一挙に実現しようという世界の潮流に乗った一見賢明に見える政策であった。
 しかし現在ではオバマの演説から消えてしまった。風力・太陽光などの再生可能エネルギーの振興は図ったものの、さしたる成果はなく、補助金スキャンダル・中国製品の跋扈といったマイナス面が生まれた。結局シェールガス革命が米国のエネルギー問題を解決し、産業復興で雇用創出も生まれそうだ。炭化水素エネルギーへの回帰だ。
 欧州の再生可能エネルギーも問題はらみだ。スペインなど財政危機にある国は再生可能エネルギーへの補助金カットに乗り出している。ドイツは原子力撤退、代替として再生可能エネルギー増大を政策として掲げたが、ドイツは既に太陽光・風力が高度に普及している国だ。ドイツも太陽光補助金の縮小が予定されている。再生可能エネルギーのコスト競争力は依然として高くない。コストが低下していることに中国製品の力が少なくない。税金や料金による補助金が他国に持ちさられるというのは自国民にとって不条理だ。ドイツにしても結局は自国の資源=亜炭に回帰するのではないか。

○…まもなく小中学校、高校も夏休みに入る。1カ月以上も休みがあるのだから、生徒にとっていろいろなことを体験できる絶好の機会だろう。有意義に過ごすか、否かは本人のこころがけ次第だ。とはいえ、有意義かどうかの価値判断は個々に違うのは当然だ。一見、周囲の大人にとって無意味に見える行動も、本人にとっては大事な経験になるかもしれない。
 「思いっきりゲームをやる」とか、「遊びまわる」、あるいは「本を読む」、「旅行する」等々いろいろある。どれが有意義で、有意義でないかなど軽々に判断できない。休みの期間中にも生活のリズムを狂わせないためもあってか登校日も設定されている。一方で田舎を持っていない生徒にとっては、日常と違った異空間を体験できる「林間学校」なども思い出深い時間を過ごせるかもしれない。
 だが、今だから貴重な体験を得ることができる対象がある。東日本大震災の被災地に出かけることだ。放射線被ばくの問題もあるから場所選びは慎重にしなければならない。けれど、岩手、宮城などには、被災の爪痕がいまだに生々しく残っているが、被ばくの恐れがまずない地域もある。避難生活を余儀なくされている人々の体験を聞くのもよい。修学旅行として行ってもよい。何ものにも代えがたい体験が得られるのでは。

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