EnB11号 目次
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■EYE詳細へ
今こそ倫理が必要

■GLOBAL Report
Shawのプロセス部門、Technipが買収

米国コントラクター、市場別に明暗分かれる
2012年の米国のエンジニアリング企業の動向(2)−コントラクター編−

■REPORT
TOYO、付加価値創生型で拡大目指す

医薬グローバル化を支援する千代田化工建設

■TOPICS
GE、水ストレス対応発電を提案

千代田化工建設、新オフィスへ

■NEWS Flash
・三菱重工、米IGCCプロジェクトのFEEDを受注
・住友商事、タンザニア発のGTCC受注
・川重〜東芝、台湾高鉄から鉄道車両
・双日と明電舎、香港地下鉄向け変電設備を受注
・神鋼環境、DBOでごみ処理施設整備・運営事業受注
・三菱重工トリプルコンバインド技術開発へ
・三菱重工、パイトンV石炭火力を完成
・新日鉄エンジ、ベトナムに駐在員事務所開設
・JSPE、日本人エンジニアのためのハンドブックを刊行
・クーパー、本質安全防爆オペレータステーション
…タクマ、災害廃棄物仮設焼却炉を受注
…IHI〜日鉄トピーJV、釜石湾口向けケーソン受注
…東洋エンジ・ブラジル合弁でMOU
…日立プラント、サウジで機器メンテ会社
…三井造船、LFP生産プラントを起工
…IHI〜フォイト、パルプ産業向けボイラ合弁設立

■Projects News
…ExxonMobil、米で石化PJ
…Jacobs、NuGenの原発計画をサポート
…Jacobs、マレーシアで化学プラント
…Alfa Laval、FLNG向け造水設備受注
…Technip-Daewoo、マレーシアのFLNG受注
…印Polyplex、トルコでPETプラント
…Gail、新プラントでAxens技術を導入
…ブラジル、セルロース系エタノール建設
…Reliance、ガス化プラントでPhillips技術採用
…PetroChina、製油所を計画
…AramcoとShell、米で製油所
…オマーン、ガスパイプラインで入札実施
…PDO、コンプレッサー4系列でテンダー
…豪Pacific LNG、ファイナンスを調達
…バーレーン、ソーラースマートシティ構築へ
…ロシア、ベラルーシの原発計画で融資
…米Watts Bar原子力計画、コスト超過で遅れ
…米First Energy、送電系統で7〜9億ドル
…Browse LNG、12.4億ドルを投資
…バングラデシュ、来年にも原発建設開始へ
…CPChem、イラクで石化コンプレックスのスタディ
…Ethylene XXI、環境認可および融資を獲得
…Rapidコンプレックスで二つのJV設立へ
…Atyrau石化コンプレックス、年末にも発注先決定へ
…Jacobs、サウジMa'adanのリン酸PJでFEED
…RelianceとShell、インド東海岸にLNGターミナル
…サウジKA-Care、2,850MW新エネ計画でテンダーへ
…サウジSEC、RabighのIPPで入札

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■エンジニアリングダイジェスト

■最近のプロジェクト受注・契約状況

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EnB 11号 表紙

 

EYE
今こそ倫理が必要

「・最大限の努力を払います ・誠実な仕事にのみ参画します ・人間が守るべき普遍的原則、および専門家としての最高の規範に従う生き方をし、糧を得ます ・金銭を得ることよりも奉仕の精神を優先させ、また個人的な利益よりも専門家としての名誉と立場を優先させ、さらに公共の福祉を全てに優先させます」
 言わずと知れた、プロフェッショナルエンジニアの信条である。ここに示された倫理観は、決して「綺麗ごと」でも無ければ「精神論」でもない。専門家としての基盤であり、これを踏みにじる事は犯罪行為とみなされる。そういう厳しさに裏づけされてこそ、初めて公益性というものが担保され得るのだ、と思う。
 日本のエネルギー政策を決める、総合資源エネルギー調査会基本問題委員会で、「原子力を倫理面で評価してこなかったことは明記すべき」という意見が出た。これに対して、他の委員からは「各委員がベストミックスを提出した時点で倫理は織り込まれている」「電力を安定供給することも倫理だ」という反論が出た。だが、倫理というものが上記のように、より厳しい現実的なものである、ということを認識していれば、この反論は有り得ないだろう。甚大な被害を齎した原子力発電という存在を、倫理の面から再評価するということは、今後の日本のエネルギー目標を構築する上で、欠かせない作業であるはずだ。
 それを各委員の個人の倫理観に依存したままにしてしまうことや、あまつさえ電力事業そのものの倫理と混同したままで話を進めてしまうのは、いかに日本人が倫理に疎いか、ということを、端的に示してしまった瞬間だったと言える。
 公共事業とは、公益を供するものである。しかも現状、日本の電力事業は独占体制がほぼそのまま維持されている。独占されている公益事業者が本来依拠するべきなのは倫理と透明性だ。しかし今、日本全体にそうした公益性を見出せるだろうか?
 プロフェッショナルエンジニアの信条は何故、生まれたのか、それは倫理のない、公益を損なう仕事が横行したからだといわれている。今こそ、エンジニアの信条が求められるのではないか。

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EDITORAL
編集後記

○…日本の古代史に長年関心をもっている。昔は随分と日本の歴史シリーズを買って専門家が日本国の誕生、そいて日本の古代をどう考えているか勉強した。当時から文献だけでなく、考古学的発見・分析が大きな存在を占めていた。
 最近のシリーズとして新・古代史検証 日本国の誕生というのを図書館で見る機会があった。卑弥呼、古墳、雄略朝・継体朝、飛鳥、天武朝・持統朝の5冊。考古学の比重がかつてより、格段に高くなった。前2冊は考古学者がまとめており、後半の3冊は歴史学者がまとめているものの考古学の比重が高くなっている。
 考古学的発見が相次いでおり、乏しい文献に頼らず、考古学的遺物で語ろうとする傾向が最近は極端に強い。では考古学的手法が巧く機能しているかというと、最近成果を挙げているのは、絶対年代が判明する年輪年代法や炭素年代法などの理化学的手法なのである。例えばこれらによって邪馬台国近畿説は確定したとされる。しかし、理化学的手法も含めて考古学中心で日本国の誕生を語れるかというと、それは違う。邪馬台国近畿説にして文献的に有力であったのであり、考古学・理化学的な証拠は裏付にすぎない。中国史書、記紀などの日本史書といった文献こそがコアなのだ。文献を扱う歴史学者の奮起が望まれる。

○…6月8日に九州北部、中国・四国、近畿で梅雨入りが発表されたのに続いて東海地方、6月9日には関東地方が梅雨入りしたらしい。これから、約1か月半くらいはうっとうしい日々が続くのであろう。その後の夏の暑さも気になる。現在の見通しでは、一昨年のような酷暑は避けられるようだ。暑さの中での節電は、いっそう暑苦しさを倍増させる。
 ところでこの原稿を書いている時点では、「消費税増税」の行方がどうなるのか全く予測がつかない。やれ、野党案丸のみだ、修正協議だ、3党合意だと梅雨空のうっとうしさが増すような駆け引きが続けれれている。今国会会期中にこの法案が可決成立に到るのか、はたまた継続審議として先送りされるのか分からないが、どちらに転んでも政治の世界は土砂降り状態になる様相が強い。
 そして、大飯原発3号機、4号機再稼働問題だ。ここで脱原発だ、いやいや原発容認だと、いろいろ論拠を並べても影響力は全くない。
 ただ一つだけどうしてもうなずけない点がある。夏のピーク時における節電対応だ。一番の節電対策があるはずだ。ゴールデンタイムに同じ顔ぶれのタレントによるクイズ番組、旅番組などを2時間も流す必要は全くない。昼間のピーク時のドラマ再放送などもやめた方がいい。甲子園の高校野球中継もラジオという手もある。今年の夏はピーク時はテレビ放送をやめるべきだ。

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