○…日本の古代史に長年関心をもっている。昔は随分と日本の歴史シリーズを買って専門家が日本国の誕生、そいて日本の古代をどう考えているか勉強した。当時から文献だけでなく、考古学的発見・分析が大きな存在を占めていた。
最近のシリーズとして新・古代史検証 日本国の誕生というのを図書館で見る機会があった。卑弥呼、古墳、雄略朝・継体朝、飛鳥、天武朝・持統朝の5冊。考古学の比重がかつてより、格段に高くなった。前2冊は考古学者がまとめており、後半の3冊は歴史学者がまとめているものの考古学の比重が高くなっている。
考古学的発見が相次いでおり、乏しい文献に頼らず、考古学的遺物で語ろうとする傾向が最近は極端に強い。では考古学的手法が巧く機能しているかというと、最近成果を挙げているのは、絶対年代が判明する年輪年代法や炭素年代法などの理化学的手法なのである。例えばこれらによって邪馬台国近畿説は確定したとされる。しかし、理化学的手法も含めて考古学中心で日本国の誕生を語れるかというと、それは違う。邪馬台国近畿説にして文献的に有力であったのであり、考古学・理化学的な証拠は裏付にすぎない。中国史書、記紀などの日本史書といった文献こそがコアなのだ。文献を扱う歴史学者の奮起が望まれる。
○…6月8日に九州北部、中国・四国、近畿で梅雨入りが発表されたのに続いて東海地方、6月9日には関東地方が梅雨入りしたらしい。これから、約1か月半くらいはうっとうしい日々が続くのであろう。その後の夏の暑さも気になる。現在の見通しでは、一昨年のような酷暑は避けられるようだ。暑さの中での節電は、いっそう暑苦しさを倍増させる。
ところでこの原稿を書いている時点では、「消費税増税」の行方がどうなるのか全く予測がつかない。やれ、野党案丸のみだ、修正協議だ、3党合意だと梅雨空のうっとうしさが増すような駆け引きが続けれれている。今国会会期中にこの法案が可決成立に到るのか、はたまた継続審議として先送りされるのか分からないが、どちらに転んでも政治の世界は土砂降り状態になる様相が強い。
そして、大飯原発3号機、4号機再稼働問題だ。ここで脱原発だ、いやいや原発容認だと、いろいろ論拠を並べても影響力は全くない。
ただ一つだけどうしてもうなずけない点がある。夏のピーク時における節電対応だ。一番の節電対策があるはずだ。ゴールデンタイムに同じ顔ぶれのタレントによるクイズ番組、旅番組などを2時間も流す必要は全くない。昼間のピーク時のドラマ再放送などもやめた方がいい。甲子園の高校野球中継もラジオという手もある。今年の夏はピーク時はテレビ放送をやめるべきだ。 |