EnB10号 目次
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■EYE詳細へ
ボトムアップ出来てる?

■REPORT
グローバル展開を本格化するプラント業界
主要エンジ企業の2011年度決算状況

■REPORT
北九州スマコミ創生事業がスタート

■GLOBAL Report
ドイツプラント建設業界、「アジアの世紀」に対応

■TOPICS
三菱重工、CO2回収大規模化へ

東京スカイツリー熱供給プラントが完成

2011年度プラント受注は5倍に拡大

■NEWS Flash
・IHI〜東芝等、台湾向け超々臨界圧石炭火力受注
・東芝〜双日、ベトナムで石炭火力受注
・イクシスLNG向け受注、続く。
・日揮、新液体燃料JCF実証プラントが完成
・千代田、子会社統合でスマートシティ関連強化
・三菱電機、大船スマートハウスで独立運転実証
・新日鉄エンジニアリング「エンジ村」開村
・ダッソー、3D新プラットフォーム提案
…三井造船、高炉向け機器16基連続受注
…Hitz、精密機械センターを完成

■Projects News
…サウジMaaden、BecthelにFS
…SabicとExxonのエラストマーで入札実施
…レバノンの火力回収でアドバイザー入札へ
…エジプト、排水処理でテンダーへ
…UAE、ダス島のフレアガスPJでビッド
…トルコでPPプラント計画
…Alstom、米で水力リハビリ受注
…Badger、揚州石化にBPAプロセスを供与
…BASF、ルイジアナで蟻酸プラント
…Braskem、メキシコのエチレンPJ着工
…チェコ、2基の原発を計画
…テキサスでNGL蒸留設備
…Jacobs、Evonicのポリアミド生産設備で基本設計
…Fluor、NovelプロセスでEPCM受注
…Fluor、印Relianceから石化PJのPM受注
…Lavaca Bay LNG、米国初のフローティングLNGを計画
…Halliburton、イラクBadra油田で掘削業務
…イラクの大規模発電所計画で6グループが応札
…Jacobs、Solvayから中国の特殊ポリマーを受注
…KBR、シェールガス精製設備受注
…L&T、Sadraから機器を受注
…LG商事と現代エンジ、石油精製プラント受注
…加Kitimat LNG、JVでプラント建設へ
…Nizhnekamsk、LummusおよびLindeと契約
…マレーシアの石油石化計画、前進へ
…QPなどがチュニジアで製油所計画
…Sinopec、Atyrau製油所でAEGに電力設備
…Shaw、タイIPRCから製油所プロセス設計

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

■Editorial 詳細へ

EnB 10号 表紙

 

EYE
ボトムアップ出来てる?

 「腰が重い」それが日本企業の特徴と言える。トップダウンで決めたことは素早く対応できるが、ボトムアップではなかなか物事が進まないのが日本企業だ。韓国企業はイラクで、状況がまだ危険なうちから営業に入り込んでいたという。従業員の命を何だと思っているんだ?という批判もできるが、腰の軽さは見ならいたいものである。
 以前聞いた話では、日本の外務大臣が行こうとしない国でも韓国大統領は細かく足を運んで自国をアピールしているという。こうなるともう、国民性の違いだ、という事で話を済ませたくなるが…
 トップのフットワークの軽さは大きな武器となるのは確かだが、その点で日本企業と海外の企業で大きな違いが有るとは思えない。経済産業省の官僚からも「エンジニアリング会社のトップはとにかく良く動きますね」と言われるように、この業界は日本のなかでも最もトップのフットワークが軽い業界かも知れない。しかしその一方、ボトムアップの提案に対してはどうだろうか?日本企業は全般的にボトムアップ型での事業展開には非常に慎重になってしまう傾向が強い。組織というのはトップダウン型ではすぐに硬直化してしまうので、トップダウンとボトムアップとの双方向での意思疎通、情報交換からより迅速な意思決定がなされていく事が重要だが、日本企業にそれが出来ているところはあまりないように見受けられる。
 日本語には「越権行為」という言葉がある。他者の領域を侵すな、というメッセージだ。「責任問題」という言葉は「失敗したらお前のクビが飛ぶぞ」という意味。ことほどさように日本語には「でしゃばるな」というメッセージが非常に多い。その言霊の縛りを受けて、そもそも提案活動自体がやりにくいのだ。
 よしんば会社側が「もっと現場からの提案を」と求め、まんまとそれに乗っかって提案しようものなら、「実現性が担保されてない」だの「リソースが問題」だの、「計画が練られてない」だの、否定的な言葉でボッコボコにされるのがオチだ。−さて、エンジニアリング会社は一見、ボトムアップを取り入れているようにも見えるが、実際にはどうだろうか?

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EDITORAL
編集後記

○…恒例の米国コントラクター400社ランキング(2011年売上高による)が発表となった。デザインファームに続いて、コントラクターも2011年に不況からの脱出が明らかになった。詳細は次号で紹介する。
 国内ではプロセス産業・製造業・石油・電力分野の上昇が見えている。コントラクターのビッグストーリーとしてシェールガス開発を挙げている。環境・許認可・上流ガス抽出・パイプライン・石油化学・ガス発電など多様な分野でのブームを予想している。最近、数件の大手企業によるエチレンプラント受注が発表されている。またLNG輸出ターミナルでの動きも伝えられている。米国は長年の夢であったエネルギーの自給に成功し、LNG輸出国になりそうだ。
 シェールガス産出の可能性は北米にとどまらず中国・欧州・南米と世界中にあり、各国で熱心な探索開発が進んでいる。現代経済においてエネルギー資源の自給は一国経済の競争条件を大きく左右する。
 再生可能エネルギーの限界は世界的にすでに明らかになっている。ドイツの場合、冷静に見て原子力に代わるのは、再生可能エネルギーでなく、豊富にある亜炭という自給炭化水素による発電であろう。
 我が国は残念ながらエネルギー資源に恵まれていない。海外からの低廉エネルギー資源の安定調達が重要課題となる。

○…5月19日の土曜日午後、何もやることがなくボーとしていた。確か、午後2時少し前であろう。近所の公園にある「防災行政無線」放送が突然流れ出した。「こちらは水道局。午後2時から断水します」と。「浄水場汚濁?」といったことも言っているがよく聞き取れない。しかも何時まで断水など、時期的なことは何も言わない。慌てて、やかん、なべ等あらゆるものに水を溜めた。てっきり、放射線汚染との絡みと思った。
 早速ニュースを聞く。その時点で「○○市が断水。○○で臨時給水」などの情報しか流れない。原因は何なのか全く分からなかった。実は、数日前から利根川上流浄水場でホルムアルデヒドが検出されていたのだ。江戸川から取水している広域水道企業団から、わが居住する市に取水停止の連絡があったのは断水する前日だったとか。関東3県で取水停止し、わが千葉県では35万世帯が1日〜2日間にわたって断水した。ホルムアルデヒドはアミン類であれば、水の消毒に使われる塩素と反応することで生成される。可能性のある有機物は多岐。だが、汚染源が特定されそう。
 今後もうかうかしていられない。ところがその後数日のニュースはどの新聞、テレビも「金環日食」、「スカイツリー開業」一色。自分が直接体験したせいか、それらがそんなに大事なニュースなのだろうかと思う。

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