○…フランスの大統領選でドイツのメルケルと組んでEUの財政規律条約を推進してきた現職のサルコジが敗北、同日ギリシャの総選挙でEUの要求に応じて緊縮策を推進してきた連立与党が敗北した。フランス新大統領となるオランドは緊縮と成長の両立を主張している。ギリシャは再選挙の可能性が高まっている。選挙民はこの2国に限らずユーロより雇用を選んでいる。EUの財政規律重視政策は変更せざるを得ない状況だ。
共通通貨採用により共通市場を形成し、EUは繁栄を謳歌できた。しかし金融危機発生でEUのバブルもはじけた。自国通貨をもった主権国家であれば、通貨切り下げという手段もあるが、共通通貨であるため、経済的弱国には緊縮財政しか経済再建の方法がなく、ドイツなど経済的強国の競争条件は維持されたままになる。さらに中国など新興国との競合でも、大きな打撃を受けた。
資本・市場のグロバール化はできるが、労働力のグローバル化は本質的にはできない。主権国家は各国の労働力=国民を基盤とする。共通通貨との共存は本質的に矛盾を抱えている。ギリシャは早急にデフォルトしてユーロ離脱がギリシャ国民・経済にとって最善の策だ。他国にとって強国ドイツとの共通通貨維持が自国にとっての本質的な得失を検討すべき時期になっている。EUはあと戻りしなければ、崩壊するだろう。
○…今年のゴールデンウイークは大きな交通事故で始まり、最終日には思いもよらぬ竜巻という自然災害が甚大な被害をもたらした。
関越自動車道でおきた46名もの死傷者を出したバス事故は人災であったろう。7名の方が亡くなった。もちろん防護壁に90キロで激突した運転手の責任は免れない。だが、道路運送法の改定で、ツアーバス事業を旅行会社に全面解禁した結果が事故の背景に見え隠れする。料金や運行区間も自由に設定できるようになった結果、格安ツアーが急増し、新規参入の貸し切りバス業者も爆発的に増えたのだ。規制緩和すれば全てよしとはいかないのかも知れない。
一方、竜巻は地震、台風、土砂災害などいつも自然の猛威にさらされている日本列島だが、それほど頻繁に起こるわけではない。だが、昨年の地震・大津波とその後の原発事故、さらには頻発した局地的な大雨による土砂災害などは人災の要素もあるような気がする。
ところで言語や数学、天文学、建築の分野で優れていたことで知られるマヤ文明の滅亡は、干ばつが原因だったというのが現在の定説である。降水量が減ったのは焼畑農業が影響したのだろうか。 火星や金星の軌道も計算していたという極めて正確な暦を持っていた彼らのマヤ暦によると2012年に、世界は終末を迎えるという。中って欲しくない。 |