EnB7号 目次
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■EYE詳細へ
再処理を継続できるのか

■INTERVIEW
中国の焼却炉市場に注力
リスクヘッジと技術提案で持続的成長
三菱重工環境・化学エンジニアリング 代表取締役社長 木村和明氏

■REPORT
多様化する世界のガス市場

■GLOBAL REPORT
韓国プラント・建設輸出、1-3月期は減少
4-6月期以降本格受注増が見込まれる

■TOPICS
Japan-GTL、プロセスを確立

新日鉄エンジ、独身寮でエコ技術実証

■NEWS Flash
・Toyo、エジプトでエチレンプラント受注
・住友商事、米国風力発電事業を共同開発
・Hitz、英国で都市ごみ焼却発電プラント受注
・丸紅、南アで鉱山廃水処理
・新日鉄エンジ、神鋼加古川向け溶銑処理設備受注
・川崎重工、松坂市向けゴミ処理設備受注
・JFEエンジ、熊本で大型都市環境プラント受注
・MCO、海外大型案件でコンプレッサー受注
・川崎重工、シンガポールからシールド掘進機
…日揮、米国天然ガス田が生産開始
…三井造船、シンガポールのブタジエンプラント受注
…日立プラント、中国で水インフラ事業
…荏原、浦安市の廃棄物処理で責任委託事業
…ウェスティングハウス社長、志賀氏が兼務
…日立製作、カナダの電力システム事業体制強化
…川崎重工、東京事務所を移転
…新日鉄エンジ、新副社長2名選任

■Projects News
…Aramco、Jizan製油所で11件の入札
…三星エンジ、イラクでGOSP受注
…韓国、ベトナム原発5〜6号で優先権
…米国初の洋上風力計画
…Shell、四川省シェールガスでPSC
…三星物産、英CCSプロジェクトに資本参加
…三星物産、メキシコでLNG受入設備
…Technip、ベネズエラで原油改質設備のFEED
…Fluor、マレーシアでLNGターミナルのFEED
…NRC、V.C. Summer原発計画にCOL
…Chevron Phillips、テキサスのNGL処理設備を増設
…Khafjiの輸出システムでPM業務発注
…GE、サウジPP10コンバインド化でST受注
…Willbros、ガスパイプライン受注
…Texas Express NGLパイプラインが前進
…FW、ドミニカのLNGターミナル設計業務受注
…Pertamina、チラチャップ製油所近代化でPM発注
…ケニヤの地熱発電に融資援助
…Foster Wheeler、アルバニアの製油所でFS
…第一三共とアステラスのサウジJV、FWに設計業務
…印IOC、エンプラポリマープラント建設へ
…LyondellBasell、中国にプロセス供与
…アブダビでFRSU計画
…Pertamina、FWにRFCCプロジェクト発注
…SabicとSinopecの天津PC、コスト17億ドル
…マレーシアRAPID計画でTechnipがFEED
…サウジで潤滑油プラント入札へ
…クウェート、酸性ガス回収設備で入札へ
…モロッコのCSP、価格入札

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■エンジニアリングダイジェスト

■最近のプロジェクト受注・契約状況

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EnB 7号 表紙

 

EYE
再処理を継続できるのか

 昨年4月、米国下院外交問題委員会で、原子力法改正案が可決された。この法案は、核不拡散をより強化していくことが目的であるが、そのために日本での核燃料の再処理事業ができなくなる恐れがある。
 米国は2008年にインド、2009年にはUAE、そして2010年にはロシアとそれぞれ原子力協定を結んだが、さらに今後、ヨルダンやベトナム、サウジアラビアやモンゴルなどの国とも原子力協定を結ぼうとしている。これらの動きが、核の拡散に繋がっていくという懸念が米国議会のなかで広まってきたのだ。特にインドはNPTにすら参加していない。UAEは中東という政情不安定な地域にある。さらにロシアは米国にとって仮想敵国でもあり、全面的な協力関係の構築にはアレルギーもある。
 UAEに関しては、濃縮、再処理の禁止を義務つけてはいる。今後、核兵器を持たない国との原子力協定は、これと同様のやり方で結んでいくとすれば、問題は今後、新たに協力関係の期限が切れる国との整合性をどうするかは問題となる。
 はっきり言えば、日本が問題なのだ。非核兵器国で再処理を行っているのが日本だけだからだ。韓国も核兵器を持っていないが、再処理も行っていない。そのため韓国は以前から、「日本が認められて、何故我々は認められないのか」と抗議している。それに対する明確な答えはない。一部には「それだけ日本が信頼されている」という言い方もされるが、実際には、それが大きな問題にならなかったというだけ。むしろ「日本は米国の属国だから」という認識なのかも知れない。
 少なくとも米国の改正原子力法がこのまま成立してしまえば、日本の再処理の継続が認められるにはハードルが高くなる。これまでは議会で不承認されなければ良かったが、これからは承認決議が可決されることが前提となる。だが前述のように、日本にだけ、再処理を認める積極的理由がない。核拡散への懸念が増していけば、なおさら承認され難くなる。「潜在的核兵器力の維持のため原子力発電が必要」という声があるが、むしろその言葉は日本の核燃サイクルを止めてしまう可能性がある。

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EDITORAL
編集後記

○…「ソニー、年内に従業員1万人を削減」、「シャープ堺工場、台湾・鴻海が筆頭株主」、ここ一両日の経済紙1面を飾った記事だ。2011年度の決算で日本の電機業界の多くが大幅な赤字に落込むこむという。上記2社はテレビ事業の不振が大きいが、パナソニックもグループ従業員削減目標を明らかにしている。テレビ以外の家電分野も不振を極める。昨年は三洋電機の白物家電事業を中国のハイアールに売却した。倒産したエルピーダの支援企業は米国マイクロン、韓国ハイニクス・東芝、中国レノボ関連投資グループの争奪戦になったという。
 崖っぷちに立たされた電機業界、これは日本の製造業のおかれている立場を象徴している。韓国に代表されるNIES諸国に続いて、中国などBRICS諸国、東南アジア諸国の工業化は、安価な労働力を鍵に日本など先進国の製造業を急激に代替している。日本は特に21世紀初頭以来、「モノつくり」に絶大な自信をもって、製造業生き残りを図り、産業構造・ビジネスモデルの転換を回避してきた。それが2009年以降の世界経済危機で、問題が明らかになってきている。
 エンジニアリング・プラント分野でも、通常のEPCプロジェクトでの競争力は韓国企業に及ばない。プラント分野でのコア機器供給はどこまで続くか。大きなビジネスモデルの変革が必要だ。

○…将来の姿が予測されている事象はいろいろだ。だが、それが現実となりあらためて愕然とするということもある。その一つが日本の少子高齢化社会の到来である。先月半ば東京都は、統計開始以来最少の1世帯当りの平均人数が1.99人となったことを公表した。実に1世帯の構成人数が2人を割ってしまったのだ。その理由について東京都は、「一人暮らしの高齢者や独身の若者が都市部で増えている」と分析している。
 少子高齢化の波は全国に及んでいる。確か全国平均についても1世帯当りの平均人数も2.36人という数字をみたことがある。いずれ、全国平均でも2人を割る時代がくるのであろうか。
 私の近辺を見回しても、一人住まいの高齢者が珍しくなくなった。我が近隣でも、何日間も気づかれない孤独死を防ぐ方策を検討せざるを得ない状況になった。また親との同居が益々減少している。一方、一人っ子の家庭も増えている。上記のような結果かどうかわからないが、人とのつながりが希薄になり、社会性を喪失した若者が増えているような気がしてならない。わがまま、家庭内暴力、ひきこもり、ニートなどがはびこるのは社会性の欠如の現われではなかろうか。そして、モンスターペアレントをも生み出す。社会性を喪失した人間だらけになった世の中をあまり見たくない。

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