○…東北震災の瓦礫受け入れが「絆」のシンボルのような扱いが、政府や大マスコミがなされている。一方反対の市民運動は残存放射線量を問題視する。被曝した福島ではなく宮城・岩手の瓦礫なのだから、反対運動の言い分は過剰だ、放射線量を測ればすむことだ。問題はそんなところにない。震災瓦礫を日本全体で処理することが、極めて不合理なことであることだ。
処理すべき瓦礫の量は阪神大震災のときとさして変わらないという。阪神のときは基本的に現地で処分した。瓦礫=廃棄物を遠隔地に輸送することはコスト的に不可であるのは当然の理だ。瓦礫量が多ければ、現地にごみ処理炉を作ればいい。用地は十分にあるはずだ。大船渡はセメント工場があるため、瓦礫処理が進んでいるという。復興資材としてのセメント需要は多いはずだ。現地で処理すれば、経済の復興にも役立つ。絆とか義務などでなく経済判断が肝要だ。
連帯とか義務というなら、もっと真剣に取組むべき問題がある。米軍基地問題だ。鳩山内閣の首相補佐官岡本氏が衆院で、沖縄の政治状況は辺野古移設を困難としており、日米で県外移設を再検討すべしと提言した。日本国土の0.6%しかない沖縄が米軍基地の75%を占めるという不平等な事実に沖縄県民の怒りがあるのであり、日本全土で負担する義務があるのではなかろうか。
○…調べものをする際、インターネットのサイトは非常に便利だ。「これは何」、あるいは「この言葉の意味は」といったようなことを知りたいとき、検索サイトへ行けば殆ど解決する。それでも解らない場合は、いろいろな質問コーナーがある。それらを時々利用している。そこで、最近気になる点が一つある。
「○○について知りたいのだが、教えてください」という時に、教えを請うからか「○○についてご教授ください」という言い方が目につくのだ。以前は「ご教示ください」が多かったような気がするが、意味は通じる。だから「ご教授くださいはおかしい。この場合ご教示くださいが正しい使い方」などこだわる回答者はまずいない。そして「言葉の使われ方は時代とともに変わる」、「その時代に多用され、流通している言葉は市民権を得ている」という点を強調する人も多い。
そういえば、言葉の誤用がいつのまにか大手を振って飛びかっているケースによく遭遇する。例えば、マスメディアで最近よく使われる言葉に「放射能を浴びる」「放射能に汚染される」などがある。検索したら放射能とは原子核が崩壊して放射線を出す能力のこと。「放射能と放射性物質と放射線とが混同されているが、その意味は明確に異なる」そうである。ニュアンスは通じるし、多用されている。だが間違いは間違いだ。 |