○…オバマの年次一般教書は米製造業復活、雇用増、エネルギー自給強化などの国内政策、外交面ではイラン制裁強化、太平洋国家を謳っている。就任当初のグリーン革命による経済復活・雇用増から様変わり、外交面でもブッシュに劣らぬ強権外交だ。日本へのTPP強制の背景がよく分かる。
エネルギー自給の背景は、シェールガスだ。新式の採掘法フラッキングにより、米国の有望な自給エネルギーとして官民挙げてブームとなっている。新規ガス発電・新規エチレンプラント、さらには輸出LNGプラントと期待が大きくなっている。
しかし大きな問題が内在している。フラッキング法は採掘抗に化学物質を混ぜた水を注入するのだが、漏れた化学物質が飲料水を汚染しているという疑惑だ。環境保護局が調査と指導に乗り出したが、天然ガス業界は徹底抗戦している。詳細が科学誌Scienseの記事の和訳が日経サイエンスにある。これほどの宝物となると、適当な規制と対策で見切り発車しそうな情勢だ。
日本で自給資源として最近、日本近海のメタンハイドレードが注目され、税金も投入されている。しかし20年前から評価に携わる専門家は膨大な回収エネルギーがかかるメタンハイドレードの経済性評価ができる時期は不明という。日本には核となる自給エネルギーなないと考えるべきなのだ。
○…「ルール」の語源はラテン語の「regula ものさし」からきていると書かれたものを読んだことがある。なるほどと思う。ルールといえば規則、規定、規範などを連想する。明文化されていないマナーなども含めて、社会生活を快適に送っていくためには欠かせない「ものさし」ではあるまいか。
もちろん、この「ものさし」は時代とともに変化する。明文化されていないマナーを考えればよく分かる。個人個人の解釈によっても変化するし、変遷しているのではあるまいか。甚だしくは、そのようなものは不必要だとの態度をよく見かける。さらに、おのれの欲望のためにこの「ものさし」を勝手に広げて解釈する輩もでてくる。腰に「竹のものさし」でも差して歩いてもらいたいくらいだ。
スポーツにおいてはルールがなければ面白い試合は成り立たない。「俺がルールブックだ」とほざいた人もいたが、通常は審判が明文化されたルールブックに基づいて判定を下す。ところが、競技役員は存在しても審判がいないスポーツがある。ゴルフである。やってみて分かったが、自分でペナルティーを科すことは如何に難しいか。誰も見ていなければと「ものさし」を広げる。しかし、少なくとも自分は分かる。恐いスポーツだ。 |