EnB2号 目次
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■EYE詳細へ
原子力コールドアイレビュー

■TOPICS
イクシズLNGが始動へ
JKC/JVが150億ドルで受注

■TOPICS
「世界が認めるエンジ集団に」三菱重工エンジニアリング本部

重工コンプレッサ、資源分野を拡大

IHI、シェブロン向けFSOを完成

原発再稼動ゼロで経済活動制約へ−エネ研

■GLOBAL Report
2011年中国海外プロジェクト受注、1400億ドル超

■GLOBAL Business
・エジプトOrascom、建設事業を分離
・Schlunberger・Petrofac、新市場で事業協力
・フランスGTT、中韓企業が争奪戦
<2011年下期の業界再編・事業再編(1)>
・Shaw Group、エネルギー化学部門の売却交渉進展
・Bechtel・Linde、新規エチレンプラントで提携
・Uhde、ThyssenKrupp Uhdeに改名

■REPORT
案件が減少した上期プラント成約

■NEWS Flash
・動き出すか、ミャンマー・プロジェクト
・日揮など、チェンナイで都市開発
・TOYO、プラント受注相次ぐ
・米ホルコム石炭火力を日本勢が受注
・神鋼環境ベトナム法人、製鉄所向け水処理設備受注
・月島機械、神奈川県向け過給式流動燃焼システム受注
…IHI、東北電力むけLNG燃料設備を受注
…大成建設など、南相馬市で太陽光発電事業のFSへ
…新日鉄グループ、津波堆積土を再利用
…三井造船、福島県向け岸壁クレーン2基を受注
…三菱商事と北越紀州製紙、天然ガス発電事業に着手
…ウェスティングハウスの社長交代
…ENAA、事務所移転

■Projects News
…イラク、製油所リハビリでFS
…ウラジオストックLNGでFS完了
…Rosneft、ナホトカに石化コンプレックス
…Aramco、SinopecとYanbu製油所で合意
…バングラデシュで発電所リプレースへ
…米Montanaで風力発電計画
…ABB、世界最長の地下ケーブル受注
…AdnocとMasder、CCSを計画
…Alstom。中国で石炭火力設備受注
…BPとSempra Energy、米で風力発電
…CNPC/QP/Shell、台州で製油所建設へ
…IOC、EnnorのLNGターミナルの設計でFW
…FW、Bataan製油所でエンジサービス
…ドバイで32億ドルのソーラーPJ
…E.ON、Camster風力第二期に着手
…Evonik、Juron島にメチオニンコンプレックス
…Borouge、次期拡張計画を検討
…韓国のIGCCプラントでGEが技術供与
…現代建設、発電所受注
…KBR、Baij肥料プラントリバンプを受注
…KBR、エジプトでもアンモニアプラント
…KPCとSinopec、石油・石化PJを推進
…クウェート、PTA-PETコンプレックスを計画
…Reliance、ShellとLNGターミナルでJV
…三星エンジ、カタールでディーゼルユニット受注
…Sembcorp、ベトナムで1,200MW石炭火力を計画
…Sibur、トボルスクの石化PJで年内にもFID
…ベトナム、米国と原子力協定へ

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 2号 表紙

 

EYE
原子力コールドアイレビュー

経済産業省で行われている、総合エネルギー調査会基本問題委員会は今、毎週のように審議会を開き、日本のエネルギー政策の見直しを進めている。ここで特に注目されているのが、原子力に関する議論だ。政府の審議会には珍しく、活発な議論が展開されており、こういってはなんだが、傍聴していてもエキサイティングである。
 原子力をどう考えるかというテーマで、原子力に批判的な委員と擁護する委員の発言は、拮抗するのかと思いきや、意外にも批判的な委員の発電がかなり活発なのである。どうやらこの委員会では、発言内容に対して事前に枠がかけられるようなことはないらしい。自由な発言が許され、しかも委員同士の議論も許容されている。これは今までの審議会では、無かったスタイルだ。その中で交わされた議論とは、一言で言うと原子力推進の論拠の見直しである。
 原子力擁護側の考えは、再生可能エネルギーを否定するものではないが、原子力はコストの面からしても、技術論としても、エネルギー安全保障の面からしても、残されなければならない、というものである。福島第一原発事故の収束、除染、復興、廃炉、賠償の問題はあるが、それを考慮しても原子力は残されるべきだとする。
 これに対して、まずコスト面では従来のコスト評価が間違っていることや費用負担に偏りがあること、さらに、未だに「見えないコストがある」ことなどをあげている。また、エネルギー安全保障に関しては、核燃サイクルが出来ていない以上、安全保障に寄与してはいないし、再生可能エネルギーこそ、直接に安全保障となると指摘する。また安全面に関しては規制当局に管理能力がないこと、技術論的にも安全性は保障されていないこと、いつまでたっても実現できない増殖炉よりも他の技術を育成すべきという指摘がされる。
 これまでの原子力の「安全で安い、準国産エネルギー」というキャッチフレーズは今、悉く批判に晒されているのだ。それはいわば、原子力政策の“コールド・アイ・レビュー”が審議会の場で進められているということだ。その結果は今春にもまとめられる。

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EDITORAL
編集後記

○…オバマの年次一般教書は米製造業復活、雇用増、エネルギー自給強化などの国内政策、外交面ではイラン制裁強化、太平洋国家を謳っている。就任当初のグリーン革命による経済復活・雇用増から様変わり、外交面でもブッシュに劣らぬ強権外交だ。日本へのTPP強制の背景がよく分かる。
 エネルギー自給の背景は、シェールガスだ。新式の採掘法フラッキングにより、米国の有望な自給エネルギーとして官民挙げてブームとなっている。新規ガス発電・新規エチレンプラント、さらには輸出LNGプラントと期待が大きくなっている。
 しかし大きな問題が内在している。フラッキング法は採掘抗に化学物質を混ぜた水を注入するのだが、漏れた化学物質が飲料水を汚染しているという疑惑だ。環境保護局が調査と指導に乗り出したが、天然ガス業界は徹底抗戦している。詳細が科学誌Scienseの記事の和訳が日経サイエンスにある。これほどの宝物となると、適当な規制と対策で見切り発車しそうな情勢だ。
 日本で自給資源として最近、日本近海のメタンハイドレードが注目され、税金も投入されている。しかし20年前から評価に携わる専門家は膨大な回収エネルギーがかかるメタンハイドレードの経済性評価ができる時期は不明という。日本には核となる自給エネルギーなないと考えるべきなのだ。

○…「ルール」の語源はラテン語の「regula ものさし」からきていると書かれたものを読んだことがある。なるほどと思う。ルールといえば規則、規定、規範などを連想する。明文化されていないマナーなども含めて、社会生活を快適に送っていくためには欠かせない「ものさし」ではあるまいか。
 もちろん、この「ものさし」は時代とともに変化する。明文化されていないマナーを考えればよく分かる。個人個人の解釈によっても変化するし、変遷しているのではあるまいか。甚だしくは、そのようなものは不必要だとの態度をよく見かける。さらに、おのれの欲望のためにこの「ものさし」を勝手に広げて解釈する輩もでてくる。腰に「竹のものさし」でも差して歩いてもらいたいくらいだ。
 スポーツにおいてはルールがなければ面白い試合は成り立たない。「俺がルールブックだ」とほざいた人もいたが、通常は審判が明文化されたルールブックに基づいて判定を下す。ところが、競技役員は存在しても審判がいないスポーツがある。ゴルフである。やってみて分かったが、自分でペナルティーを科すことは如何に難しいか。誰も見ていなければと「ものさし」を広げる。しかし、少なくとも自分は分かる。恐いスポーツだ。

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