EnB1号 目次
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■EYE詳細へ
行政にもダイナミズムを

■INTERVIEW
競争力強化で次のステージ目指す
千代田化工建設代表取締役社長・久保田 隆氏

長期的視野の活動の成果を
東洋エンジニアリング代表取締役社長 山田豊氏

荒波に果敢に挑戦していく
日揮代表取締役会長兼CEO・竹内敬介氏

原価力を強化し海外展開を加速
新日鉄エンジニアリング代表取締役社長 高橋誠氏

■Report
変貌する天然ガス市場

潰えた中国民活導入構想の深層⑩(最終回)

■GLOBAL Report
韓国プラント輸出・建設輸出、本年700億ドルの見通し- 2011年実績発表さる

企業、米国シェール開発で裨益 - 中東も依然有望な市場

■NEW YEARS MESSAGE
2012年 トップの年頭所感

■TOPICS
上半期プラント成約半期で最低レベル

三造、リチウムイオン正極材を事業化

■NEWS Flash
・TOYO、ぺトロブラスからユーティリティ設備受注
・丸紅〜東芝、インドネシアで地熱発電受注
・神戸製鋼とSAIL、インドでITmk3
・クボタ工建〜丸紅、バングラで上水道管路工事受注
・廃棄物処理設備相次ぎ発注
・日立プラント、海外拠点を拡充
・国内最大のバイオエタノールパイロットプラント完成
…千代田化工久保田社長が化学工学会会長に
…日揮、日中省エネ環境ファンドを組成
…三菱重工、エンジ本部を新設
…ウェスティングハウスのAP1000が設計認証を取得
…総合リスクマネジメントの解説書
…発電・送電の解説書

■Projects News
…クウェート排水処理でEOIを呼びかけ
…KBR、エジプトアンモニアプラントの基本設計を受託
…Jizan製油所でPQ招聘へ
…ラービグ2期、発注先決定遅れの可能性
…Chevron、テキサスのエチレン150万t/yでFS完了
…アルジェリア、DesertecとMOU
…Alstom、イラクでGT発電設備
…B&W、CCS開発PJでDOEからファンド
…CB&I、ロシアからクラッカーの基本設計業務
…PetronasとShell、EORでPS契約
…Haldor Topsoe、ロシアでアンモニアプラント
…現代重工、アフリカでオフショア設備受注へ
…現代エンジ、マラウィで灌漑施設
…Petronet、LNGターミナル拡張を決定
…インドネシアのOil&Gas投資が増加
…KBR、イラクで肥料プラントのリバンプ受注
…PNG-LNG、中国へのLNG供給で交渉開始
…米Pembina、NGLパイプラインを増強
…QP〜Shell、64億ドルの新規石化PJを計画
…Shell、米国でGTLを検討を開始
…Saipem、Safcoの尿素プラント受注
…カリフォルニアで地熱発電
…Sasol、米ルイジアナでエタンクラッカー
…POSEC、ブラジルで一貫製鉄所受注
…ABB、インドで直流送電を受注
…GE、サウジSECから発電所拡張を受注
…印NTPC、2件の発電所に35億ドル
…Petrobras、FLNGでFIDへ

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

■Editorial 詳細へ

EnB 22号 表紙

 

EYE
行政にもダイナミズムを

 東日本大震災から既に10カ月が経過、復興事業も漸く、少しずつ動き始めてきているように見える。だがこの間、震災を政局に利用することに躍起となる国会議員と、利権や権威の保護のために奔走する役人の姿ばかりが目立っていた。
 昨年暮れの福島原発事故の収束宣言など、政治家と官僚による「言葉遊び」に過ぎない。原子炉が単に100℃以下となったというだけであり、溶融した炉心がどこにあるかも特定できないのに「冷温停止状態」という言葉を平気で使ってしまうことにも違和感を覚える。プロジェクトマネジメント的に見て、政府と東京電力の「工程表」が、とても完成度の低いものであることは周知の事実だが、その幼稚な工程表に沿って事故処理が進んでいる、ということをアピールするのが宣言の目的なのであるから、信頼されるわけが無い。
 冷却を続けなければいまだに再臨界の可能性は残っているし、新年となってからも放射性物質の放出は続いている。現実はまだまだ、厳しい状況なのだ。
 そもそも、永田町や霞ヶ関に国民を守る力があるのかどうかすら、疑問だ。
 農地法では農業用地は農業以外に使用することができない。だが、日本の農業は概して利益率の低い事業である。その割には農協が豊富な資金力を持っているのが不思議でしょうがないのだが、それはともかく、農地に太陽光発電を設置し、収益を増やして農家の生活を少しでも助けようという試みに対して、霞ヶ関は「農地法違反だから撤去せよ」と平気で言うのである。農家ではなく、農地法を守るのがお役人の仕事なのだ。法律が闊達な農業を阻害しているのであれば、法律を変えていこうというのが本来の役人の仕事であるはずだ。しかしそういう動きは役所の中でつぶされる。
 かつて阪神大震災のとき、欧州からやってきた救助犬を「狂犬病予防してないから」と一週間近くも足止めした、という話がある。ガレキの下で救助を待つ人がいたにも係らず。まさにクレイジーである。
 こうした行動原理の人々が、企業や個人に対して、よりダイナミックであれ、と言うのである。だが、まずは自分たちの行動をダイナミック化すべきだ。

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EDITORAL
編集後記

○…2112年の干支は壬辰(みずのえたつ)である。十干では「壬」は新しい命が育つさま、十二支の「辰」は形が整う・伸びるさまなどを表しているそうだ。このことから、今年は経済的にも実り多い年になるであろうという占いが多く見受けられる。
 もしこれが当っているのなら喜ばしい限りだ。だが、ユーロ圏が破綻の連鎖を止められるか、これまで経済成長を牽引してきた中国、インド、ブラジルなどの成長速度が減速しないか等々世界経済が順調に進むには多くの課題が控えている。
 さらに今年は、世界の主要国で指導者が交代するかも知れない年である。アメリカ、フランス、ロシア、韓国は大統領選挙がある。そして中国は国家主席が代わる予定だ。そして日本でも総選挙があるかも知れないと、マスコミが囃している。まあ最近は、マスコミが一斉に囃し立てることに殆ど信をおけないことが明らかになってはきているが…。
 世界は、経済的にも政治的にも今年は大きな変換点に立っているのかも知れない。その中で日本は昨年、過去例を見ない苛酷な体験をしてきた。さらにその影響は今後も続くだろうことは予測に難くない。
 しかし、干支では今年は実り多い年になると予想されている。こちらの予想が実現して欲しいものだ。

○…「稲作以前」という40年以上前に発刊された本が改訂新版として再刊された。民俗学者佐々木高明の著、考古学の常識であった縄文時代が採集狩猟の時代という通説に反して、焼畑農耕が存在するという仮説を提唱したものだ。もっとも一部在野の考古学者が農耕の存在を指摘していたことはあったが異端とされていた。この著は、京都学派の照葉樹林文化論を基盤としてナラ林文化論を提唱するなど学際的な研究成果で、稲作以前の農耕文化の存在の可能性を世の中に広く知らしめたものであった。
 若干の補訂を加えて、再刊されたのだが、その最後に最新のDNA分析などによる稲作等農耕起源論で知られる佐藤洋一郎が40年間の発見・学説を踏まえながら解説を書いている。縄文時代に農耕の要素があったのは、考古学的発見も相次ぎ、常識化したという。佐々木や佐藤のいうことに間違いはない。しかし主流の考古学者は水稲以前の農耕を農耕と認めず、「園耕」(ガーデニング)として別の概念とする学者まである。
 稲作の起源ということでは、稲が長江流域ということが、考古学的証拠(遺跡)やDNA分析などから、極めて確度の高い仮説となったことだ。この書でも引用されている「照葉樹林文化とは何か」(佐々木著、佐藤も参画)が佐々木の最近の到達点で、この著とあわせて読むと参考になる。

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