○…経済産業相にマクロ経済をエコノミストが進講したところ、経済産業相が経済成長を格差社会の元凶と否定、日本は自給自足を目指すべしとした話が某メールマガジンに載っていた。財政再建にしても、復興にしても、社会保障・税の一体改革にしろ経済成長なしに実現できないのは常識だ。社会主義中国は高成長を維持しなければ崩壊の危機に瀕する。輸出主導でない経済でも経済成長は必須だ。江戸時代の日本全体で自給自足の経済でも経済成長が必要であった。
経済産業相は経済成長は否定したが、雇用拡大は必要という。経済がグローバリゼーション化した今日において、政府の役割は雇用の創造・維持だ。米国の為政者はこのことをよく認識している。オバマが米国の輸出振興を企てて、TPPを推進しているのは米国におけるJob Creationが目的だ。
雇用創造には経済成長が必要だが、雇用創造にどう繋がるかが問題だ。近年自動車などの輸出産業が成長しても、国内の雇用拡大に繋がる程度が少なくなっている。今後とも輸出産業の海外流出は、避けられない。経済産業相が雇用拡大を考え、自給自足を目指すのは、輸出主導経済が行きづまったことを感じているのかも知れない。答えは雇用創造には、内需主導の経済成長が正解だ。経済産業相は内需型成長を唱えるエコノミストの進講を受けて欲しい。
○…未曾有の災害にみまわれた今年の干支は「卯」だ。来年は十二支で唯一、想像の動物である「辰」年である。最近ではこの干支を意識するのは年賀状を作成するとき描く動物と、「私の干支は○○」というときくらいのものだ。だが、我々の祖先は暦、方角、時刻を表すにも十干、十二支を使用した。本来、干支(えと)とは十干、十二支の組み合わせをいい、60通りになる。従って60年経つと還暦だ。なぜ、干支が気になったかというと、よくその年の干支によってその年の政治・経済状況、災害状況などを予測する占いに出くわす。果たして今年の当初の予測はどうであったか。
こうあった。残念ながら卯年は歴史的な大災害や事故の当たり年なのだ。幕末には江戸の町を襲った安政大地震(1855年)が発生、1783年には日本の火山災害で最大規模の浅間山大噴火が起きている。明治以降も濃尾大地震(1891年)や、丹後地震(1927年)があったと。
だが、大災害は卯年ばかりではない。亥年にも宝永の南海・東海地震と富士山噴火、関東大震災と阪神淡路大震災、伊勢湾台風など大災害が起きている。どうやら、卯年と亥年が大災害の当たり年の双璧のようだ。だが、大災害は両年に集中しているわけではない。思わぬときに災害はやってくる。来年が平穏であることを願う。 |