EnB21号 目次
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■EYE詳細へ
不信感の連鎖

■Report
ワイヤレス計装、本格普及へ

プラント業界、超円高下でも市場は堅調

潰えた中国民活導入構想の深層⑧

■GLOBAL Report
中国60大コントラクター売上高、29%増
2001年中国承包商・工程設計企業双60強発表

■TOPICS
具現化するイラク・プロジェクト

上半期産業機械受注、17.3%増

■NEWS Flash
・TEC〜重工等、アンゴラの肥料で先行エンジ契約
・Hitz、中国から脱硝触媒連続受注
・三菱重工、CO2回収装置評価プログラム受注
・前川製作所など、新型アイススケートリンク開発
・JFEエンジ、亜鉛リサイクル技術確立
・三菱重工、F1の廃棄物貯蔵設備に着工
・HITZ等、新タイプの可動式防波堤を開発
…新日鉄エンジ、北米現地法人が営業開始
…Hitz、ベトナムAsia Pacific Solutionsを子会社化
…三井造船、子会社でゼオライト膜増産
…IHI、非接触給電試験用電気自動車の試験を開始

■Projects News
…オマーン、Ghubrah IWPのPQを延期
…Lukoil、イラクのパイプラインでプレFEED入札
…サウジNWC、排水処理設備でバイオガス発電
…KOC、太陽光のパイロットプランで入札へ
…モロッコで石炭火力入札
…AkzoNobel、寧波でDicumyl Peroxideプラント
…アラスカ政府、LNGパイプラインを検討
…Alstom、仏国内2カ所で洋上風力
…Alstom、バングラデシュからGT受注
…Browse LNGでEIS公表
…BHP Billiton、豪PilbaraでGTCC
…Dowと三井物産、ブラジルでエタノール
…Bechtel、Sabine Pass LNG液化設備受注
…大林産業、フィリピンの石化プラント増強を受注
…Davy等、南京のOxo-alcoholにライセンス
…PetronasとShell、マレーシアでEOR
…Exelon、中国原発でコンサル
…First Solar、NRGのSolarPJを受注
…Foster Wheeler、QatargasからEPCm
…GE日立、スペインから原子力信頼性向上業務受託
…GE日立とFluor、フィンランドの原子力協力を拡張
…Shell、イラクで随伴ガス回収事業
…Jacobs、Sadara ChemicalからEPCm受注
…Petroperu、Braskemと石化JVへ
…Isacc、Jubailにソーダ灰プラント
…英SSEとShell、CCSプロジェクトを推進
…STX重工、サウジで鉱山開発PJ受注

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 21号 表紙

 

EYE
不信感の連鎖

 イラン・イラク戦争が起こるまで、イラクは日本のプロジェクト産業にとって、大きな市場の一つだった。今回、イラクのマーリキー首相が来日し、日イラク産業協力会議がはじめて行われたことで、再びイラクと日本との協力関係が動き初めていくことになると思うと、なかなかに感慨深いものがある。
 その一方、イランでは核兵器開発疑惑が再び浮上し、石油化学産業を含めた経済制裁を米国が言い出している。イランもまた、ケシム島やサウスパース開発など多くのプロジェクトで日本が係わってきている国だが、今は日本が自由に経済協力を進めていくことはできなくなってしまった。
 イランとイラク。この両国はイランのイスラム原理主義革命による戦争後は、米国の思惑によって大きく国の運命を狂わされた国である。特にイラクは「大量破壊兵器」疑惑のもと、米国が強行に戦争に突入。結果サダムフセインの死と国土の破壊以外に何も成果を上げる事はなかった。それと全く同じ事がイランで再び繰り返されるような状況を見るに、ほとほとウンザリするのである。
 イランのアハマデネジャド大統領が欧米に対する敵意をむき出しにしている以上、不信感の連鎖は止めようがないのも事実だ。だが、イランの核開発疑惑には、決定的な証拠がないのもまた、事実なのである。IAEAはイランがウランを20%に濃縮することに成功した、としているが、現時点では確認されたことではない。
 不信感の連鎖が、事実認識を歪めてしまうことは多々ある。米国のイラクへの攻撃はまさにその好例といえる。しかし、それで迷惑するのは現地の国民であり、産業界だ。欧米にはそういう視点が欠けている。
 イランの石油化学産業といえば、日本のエンジニアリング会社が建設に係わったものも多い。これまでの関係を考えれば、出来れば、今後に関しても日本とイランの産業協力は続けて行って欲しいところだ。アザデガン油田では、日本が持っていた権益を中国に持っていかれてしまった。米国との付き合いを重視しすぎて、石油資源を失った事例とも言える。米国の外交には付き合いきれないものがある。

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EDITORAL
編集後記

○…原発依存体制からの脱却が必至となり、炭化水素燃料へ回帰するとなれば避けて通れないのがCO2温暖化論。最近刊行された深井有著「気候変動とエネルギー問題」を読んでみた。深井氏は物理学者で、まえがきで日進月歩の気候変動科学を伝えることで、CO2温暖化という俗論の悪夢を振り払うように力を尽くすとしている。
 序章で、2009年に暴かれた「クライメートゲート」事件の経緯を明らかにする。CO2による地球温暖化を世界の政策レベルで認定させ、CO2削減を主導してきたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書に基幹的なデータを提供した英国の研究所の内部データが流出、温暖化データが意図的に作られたことなどが発覚した。CO2による地球温暖化説の科学的根拠は失われたといって良い。この経緯とIPCCへの影響を論じた後、第1章で気候変動の科学を紹介する。気候変動の要因は、地球が宇宙につながっていることから=自然要因から生ずるものである。CO2による急激な温暖化説にたったIPCCなどの温暖化論者の種々の主張の多くを、最近の気候変動関連諸科学は否定している。
 CO2温暖化説が科学的に誤りであることは間違いない。しかし世界政治に埋め込まれたCO2削減政策は容易には転換できない。それにより生み出された経済システムは無駄であっても解消は容易でないのだ。

○…12月の声を聞くと、我がマンションの自治会は大忙し。12月中旬に恒例の「餅つき大会」があるからだ。用具の準備、食材の買出し、薪割りなどの準備を経て、前日から約百kgのもち米をとぎ、水に浸す。当日朝はカマド3基で火をおこし、セイロでもち米を蒸す。二つの臼で餅をつくが、子どもにもサービスでチャレンジさせる。幼児用の杵まで用意してある。しかし、ご多分に漏れず我がマンションも高齢化が進み、何臼ついてもへばらない若手が激減している。翌日の腰痛を覚悟してよろよろと杵を持ち上げる。やっとつきあがった餅は集会所に運び入れ、伸し餅にする他は加工する。30年近くいろいろ試みたが、定番はあんころ餅、きな粉餅、からみ餅、ネギ餅(一番人気。特に酒飲みに)に落着いた。
 問題はこのお餅を利用して作る「お雑煮」である。350世帯あるから、全国あらゆるところの出身者が居住する。毎年、お雑煮担当の女性に味付け等は任せるが、これが出身地によって全く違ってくる。まず大雑把にいえば、東日本は角餅、西日本は丸餅だ。味付けは昆布が主流で東はしょう油、西は白味噌など。具沢山もあれば餅と青菜だけというところもある。全国の味を経験できるのはいいが、「これは雑煮ではない」というぼやきもたまに聞く。しかし、この餅つき大会は、大規模災害時に備えた防災訓練に一番適している。

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