EnB20号 目次
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もう一つの方向性

■Report
米国での成功モデルとなったガルフLNG
IHI、KvaernarとのJVで完成

潰えた中国民活導入構想の深層⑦

■GLOBAL Report
世界エンジニアリング企業ランキング、中国企業が躍進
2010年の世界のエンジニアリング企業動向(3)

■GLOBAL Business
・中国の海外プロジェクト1-9月期受注、13.6%増
・2012年の世界HP産業支出、2,220億ドル

■TOPICS
原発停滞で2035年までに3兆ドル

HSEを支えるドレーゲル

■NEWS Flash
・TEC、アンモニアプラント省エネ改造PJ受注
・豊田通商など、ケニアから地熱発電設備受注
・三菱商事、米国でGT発電所
・新日鉄エンジ、「PlantPAD」の活用を開始
…三菱重工、インドに原動機統括会社設立
…三井造船、トランステーナハイブリッド化を受注
…JFEエンジ、省エネ技術を装備した社員寮を完成
…新潟トランシス、日暮里・舎人ライナー車輌を引渡し
…丸紅、洋上風力の権益取得

■Projects News
…三菱重工、米Los Vientos風力発電向けに風車受注
…オマーンZauliyahガスプラントで入札
…ヨルダンでリン酸プラント
…サウジ、Damman7PJが延期
…ラービグ2、入札実施
…大林産業、サウジで発電所受注
…Takreer、Carbon blackの入札延期
…クウェート、オレフィンPJでパートナー選定へ
…Mubadarah、鎮江に焼成コークスプラント
…イランNIOC、LNGプラント建設で中国と協議
…Air Liquid、神華寧夏石炭からMTPプラント受注
…Jacobs、米国でアクリル酸増強PJを受注
…North West Shelf LNG、2012年にFIDへ
…Badger、中国企業にキュメン技術を供与
…BASF、南京にブチルアミンプラント建設へ
…Kitimat LNGでB&VがFEED
…ヨルダン、Fichtnerを新エネアドバイザーに起用
…GE、BPから風車発電機受注
…Haldia、ブテン-1・SBRユニットを計画
…Pequiven、樹脂製造能力を増強
…インドの太陽熱発電PJで154社が応札
…Indorama、中東で石化コンプレックス
…Saipem〜Tecnimont、UAEから鉄道工事受注
…Gazpromのナフサクラッカーに伊藤忠も参加ヘ
…韓国電力、米で太陽熱発電
…Orascom、ブラジルで窒素肥料プラント

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■エンジニアリングダイジェスト

■データ・ファイル
・2011年度第2四半期の重電機器受注実績

■最近のプロジェクト受注・契約状況

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EnB 20号 表紙

 

EYE
もう一つの方向性

 「技術」とか「事業」のネタを出せ、とトップからのプレッシャーに晒されている人は意外に多いようだ。既存の事業の成長が伸び悩むなかで、新分野に活路を見出そうとするのは、どの会社でも同じだろう。だが、技術開発はやればいい、というものでもない。
 日本の企業は技術がウリ、という自己評価は非常に心地良いこともあって、日本の産業界は「技術」に邁進してきた。確かに高品質の技術は、それだけで事業の拡大に繋がってきたという経緯もあった。中国や韓国の低コストに対抗するには、高い技術でアピールしていくしかない、と誰しも思っている。もちろん、そういう面は当然ある。日本の高い技術力が評価されているのも本当だろう。だが、いかんせん価格が高いのである。
 しかも品質に関して、韓国製が日本をキャッチアップしてきている。「韓国車と日本車は5万kmで差がでるというが、5万km走らなければ解らない差をユーザーは気にするだろうか?」という話もある。高品質で安い製品を生み出すことも技術のうちである。
 今後、日本が世界、特に途上国インフラに貢献していくためには、やはりコストは避けて通れない。日本の技術を使うことが前提となるODAの本邦技術活用条件(STEP)でも日本の技術のコストが高ければ、導入国側は二の足を踏んでしまう。
 例えば水インフラ。日本や欧米なみの水道システムは大変高価である。これを貧困国にそのまま適用できるわけが無い。いや、適用できても、それを利用できるのは、水道料金を負担できる一部の階層だけだ。現金収入に乏しい、途上国の農村地帯でどれだけ、水道を普及できるだろうか?しかも、こうした階層が世界で最も多いのだ。それなら、このようなニーズに対して、どういう技術で対応し、資金スキームを作って、対価を受け取りつつ、事業を広げていけるのか、を考えていくこともあって良いのではないだろうか。
 高度な技術開発は無論、進めていかねばならない。得意とする巨大システムの構築も重要だ。その一方で、数十億人に必要とされている低コスト技術・スキームの構築についても心に留めておきたい。

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EDITORAL
編集後記

○…「日本経済が何をやってもダメな本当の理由」を読んでいる(櫨浩一著日経新聞6月発行)。刺激的な題名だが、言っていることは極めてまともなことだ。先進工業国となったのに、生産優先の考え方から脱することができない日本。供給力でなく消費の不足こそ、長期低迷の原因だと喝破する。
 日本はエネルギー・資源・食糧の自給は難しく、輸入せざるを得ず、そのための輸出により稼がざる得ない。国際貿易は不可欠だが、外需に頼って経済を維持することは似て非なる話だという。輸出は必要な資源・製品を輸入する手段でなくなり、とくに80年代以降は国内需要の不足を補う手段となった。一方では輸入は構造的・政策的に拡大しない。日本の黒字は海外の赤字であり、最終的には世界の保護貿易主義を助長する。また円高が進み、外需依存の成長が不可能になるという。
 日本のGDPに占める消費(家計消費+政府消費)の割合が他の先進工業国に比べて小さい。欧州諸国は一般に高福祉高負担で医療福祉サービスを政府消費として提供している。米国は低福祉低負担で個人の可処分所得が大きく、個人が多くの消費支出をしている。日本には医療・介護・福祉という満たされないかつ今後も拡大する内需がある。これを政府・民間消費のミックスで対応すべきという。

○…最近、さる大学附属病院に約1ヵ月入院した。こんなに長期の入院経験は初めてである。そこで驚いたことがいくつかある。まず、病院施設、医療機器が進んでいることに驚かされたが、最初にビックリしたのは、病院施設内で携帯電話が使用可能であったことである。もちろん、私の入った4人部屋の中ではほかの患者さんに遠慮して使用はできなかったが、廊下、供用施設などでは使用可能であった。
 これまでの知識だと、医療機器に携帯電話の電波が影響を及ぼすために病院内では使用禁止と思っていた。早速、入院当日からあちらこちらに電話した。部屋に電話がかかってきても、即座に廊下に出て受け答えが可能であった。突然の入院であったのでこれは助かった。携帯電話が使用可能ということは、医療機器への影響はないということだろうと思う。それほど現在の医療機器は優れているのかも知れない。
 そしてもう一つ驚いたのが、看護師の対応だ。当然の事ながらローテーションで毎日、毎夜、看護師さんは変わる。けれどその対応は一律だ。患者の情報は一元化されているのだ。一日に何度も様子を聞きに来るが、すべて情報はパソコン持参で入力していくのだ。医療機器も含めてITの進展によって病院も大きく変貌しているのを実感させられた。

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