EnB19号 目次
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■EYE詳細へ
弱点を見据えて

■INTERVIEW
会員企業にメリットあるENAAを目指す
プロアクティブに情報提供/提言活動を
ENAA専務理事 前野 陽一氏

■GLOBAL Report
韓国のプロジェクト輸出、受注増加傾向鈍化

■Report
転換期の太陽エネルギービジネス(下)
エンジニアリング各社の太陽熱事業戦略

■TOPICS
日中韓Eng業界ラウンドテーブル

■Report
潰えた中国民活導入構想の深層⑥
−香港国際空港の未来拓くのはキャセイか−

■NEWS Flash
・三井造船、トルコからエチレンプラント受注
・IHI〜NTS、香港空港向け新交通システム受注
・Hitz、福岡バイオ水素PJ大牟田プラント完工
…新日鉄エンジ、マレーシアでバイオマスコークス事業
…川崎重工、潮流発電システムを開発へ
…Hitz、米国向け世界最大のシールド機を受注
…新日鉄エンジ、小牧岩倉衛生組合ゴミ処理施設を受注
…丸紅、バングラからDE機関車受注
…東芝、田原で太陽光・風力事業に参画
…JFEエンジ、コンビニに地中熱空調システム

■Projects News
…American Transmission、送電線整備に44億ドル
…Air Liquide、トルコでガスプラント
…Areva、ウラン濃縮プラントでライセンス取得
…BASF、ブラジルと中国でSAPプラント建設
…Chevron、太陽熱EORで実証試験
…豪Wheatstone LNGでWorleyParsonsがPMCに
…中国で新規プロピレンプラント
…ConocoPhillips、西豪州シェールガスPJに参加
…大宇建設、アルジェリアでコンテナターミナル受注
…DOE、太陽光発電PJに12億ドルの融資保証
…エマソン、中国の火力発電を自動化
…Evonik、L-リジンプラント建設へ
…Fluor、アブダビからオフショア設備のFEED受注
…GE〜Greenko、インドで風力開発JV
…GS建設、チラチャップ製油所を受注
…SCOP、ナシリヤ製油所でAxens技術を採用
…KBR、中国に新オレフィンプロセスを供与
…Lanxess、ブラジルで能力増強
…モロッコの肥料プラントをJacobsが受注
…南ア、2030年までに6基の原子力で入札へ
…印原子力計画でArevaが受注活動活発化
…イラク3油田のアップグレードに1000億ドル
…印MRPL、LNGターミナル建設で協議
…オマーン、ガス開発に11億ドル
…RWE、リグナイト火力を計画
…Saipem、イラクでオフショア設備受注
…Aramco、Jizan製油所でテンダーへ
…Sipchem、ポリマープラントのEPC発注
…サウジSWCC、Yanbu PJで入札
…CCC、ダス島の生産設備アップグレード化を受注

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

■Editorial 詳細へ

EnB 19号 表紙

 

EYE
弱点を見据えて

最近、テレビ番組を見ていて、何となく薄気味悪くなってしまうことがある。「日本っていいな」「日本の技術は凄い」「日本の文化に嵌っている日本好きな外国の人達」というような内容があまりにも多く目に付くのだ。確かに日本の文化や技術などを誇りに思うのは良いことだろうが、それ一辺倒ではかえって日本の将来に対するそこはかとない不安感さえ抱く。
 現実に経済の状況を見てみれば、GDPは中国に抜かれて2位から3位に転落。一人当たりGDPでも先進国間では最低。長引く景気低迷に打つ手もなく、さらには東日本大震災と福島原発事故で、国力は衰退へ向いつつある。いくら「がんばろう日本」とアピールされても、原発補償も除染も遅々としてい進まず、食品等の放射線暫定基準も大幅に緩和されてしまい、国の制度に対する信頼感はゼロ。追い討ちをかけるように増税や、第一次産業を破壊する可能性を秘めたTPP論議など、不安はいや増すばかり。
 韓国大統領は日本の商社のトップさえ行かないような小国にも積極的に訪問し、その営業手腕を遺憾なく発揮したが、日本は1億円の援助金を約束してくれたカタールにさえ、安倍元総理大臣の経済ミッション以後、大臣クラスすら一人も訪問していないという。
 地球環境問題を話し合う場であるCOPは毎年開催されているが、日本の担当大臣はいつも1回だけの参加でさっさと変わってしまう。「これで他の国からマトモな交渉相手として扱われますか?」とENAAシンポジウム基調講演で小松製作所の坂根会長は嘆いたが、全くその通りだ。
 日本には良い所が沢山ある。それは当然だ。しかしそれを認めたうえで、日本のダメな所を正面から見据えていかなければ、日本の発展のための方策が出てくるわけが無い。何も日本を貶めよう、という訳ではないのだ。日本のウィークポイントを改善したい、と言っているだけだ。
 ただ、問題なのは弱点を見つけたとしても、有効な対策が打ち出せるかどうか、だ。この国を変えていくのは、相当に骨の折れる仕事となる。そこにどんな知恵を出していけるのか、が重要となりそうだ。

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EDITORAL
編集後記

○…2013年に開催される第3回ワールドベースボールクラシック(WBC)に日本の参加が正式に決ったようだ。2006年の第1回大会では10対6でキューバを破り、2009年の第2回大会で宿敵韓国に5対3で勝利、二連覇を飾っている日本が次の大会に参加しないわけがない、と思っていた。
 ところが、参加に躊躇していたのは日本プロ野球機構とプロ野球選手会である。なぜなのかは、ある報道を読むまでは理解できなかった。
 その報道によると、「スポンサー料や収益金の分配について日米間に大いなる不平等がある事」だという。米国の不当な要求に対して日本プロ野球機構と日本プロ野球選手会は一体となって正当な権利を求めて米側(WBCI)と交渉していたが、米国は一歩も引かない。
 例えばWBC収益金の配分は2009年では優勝チーム日本が13%、準優勝チーム韓国が9%だ。これに対して米国のメジャーリーグ機構(MLB)が33%、MLB選手会が33%で計66%をとるという。そもそも、米国のメジャーリーガーはこの大会への参加にはそれほど力をおいてない。
 けれど、WBCIの最後通牒に日本は屈した。日本の外交下手の典型のような図式だ。こうなるとTPPの行く末も心配になってくる。

○…「天皇陵の謎」という新書、古代天皇陵40の内被葬者に問題ないのは2基あるいは数基と広告していた。昔聞いたことのある言い分だな、今の考古学では、そんな事は無い筈だと買ってみた。この主張は考古学の老大家M先生の40年以上前の本の表のM先生による改訂をもととしたものだった。M先生は何々天皇陵はおかしい、地名古墳とすべし(仁徳陵→大仙陵)として教科書を変えさせるなどある時期の日本考古学・古代史のリーダーだった人だ。
 つい最近までの古代史は、戦前・戦後10数年の年代設定に対し、やたら繰り下げてきた。M先生もそれを推進したリーダーの一人だ。しかし最近の考古学は絶対年代のわかる年輪年代法や放射性炭素年代法などの発達もあり、年代が元に戻り始めている。箸墓=卑弥呼=倭百襲姫が確実視され、応神陵・仁徳陵の大型陵墓もまず間違いがなさそうだ。M先生はこの新しい年代遡及の動きに全くついていけていない人に属する。
 この本にもあるように継体陵・斉明陵が宮内庁管理の陵墓とは異なることが学問的に確定した。正しい陵が宮内庁管理でなかったから発掘調査可能だった。宮内庁は天皇家の祖先として200弱の陵墓を聖域としている。数十代前の陵墓は天皇家のものではなく、国民の文化財として、この本のいうように発掘など学術調査の対象であるべきなのだ。

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