○…日本にはいくつか、競争がない市場が存在する。その最たるものが電力だ。大口需要家に対しては競争市場が一応はあるものの、一般需要家は言値で買わされている。東京電力なんか大キライだ、と言っても東電管内にいる以上、東京電力からしか電気を買うことが出来ない。しかも、電力会社がLNGを大量に購入しているので、価格交渉など熱心にやるわけもない。交渉しようにも、交渉の材料がないのも事実である。そのため、日本は欧米に比べて2割ほど割高なLNGを購入している。
韓国も同じような状況でやはり割高なLNGを買わされている。しかし韓国は日本に比べて遥かに戦略的だ。とっくに国内幹線ガスパイプライン網を整備している。これは海外からのパイプラインガス輸入を前提としたものだ。そして今、今年、ロシアから北朝鮮を経由してパイプラインでガスを輸入するという話が浮上してきた。もちろん、北朝鮮という厄介な国を通すということで、これがすぐに実現するわけではないが、東シベリアのガス資源の販売先が無くなってきているロシアにとっては魅力的であるのは間違いない。
ここに至っては、パイプラインによるガス輸入のチャンスがありながら、検討すらまともにして来なかった日本のエネルギー政策当局が少々、間抜けにすら見えてしまう。
○…プロ野球、クライマックス制導入以来、終盤に入っても混戦が続くが、本年は計画停電対応による開幕の遅れがあって、9月末現在、両リーグとも大混戦となっている。
今年は使用球を大リーグの使用球に近い統一球にしたことにより、打はホームランが大きく減少だけでなく打球の飛距離が短くなり、投手の防御率が大幅に向上した。今年の混戦の大きな要因となっている。
終盤の混戦の最中、なんとも不可解な人事があいついで発表された。両リーグで上位争い中の監督退任が相次いで発表、さらに球団経営で成功、球団成績も昨年日本一の球団社長・本部長の辞任である。
これらの背景にあるものは、球団経営の苦しさだ。選手給与など球団経費増に対し、観客数の伸び悩み・テレビ収入の減少・オーナー企業の負担の限界など大幅な収入増は見込めない。数年前から売却が既定路線と見られている球団もあり、ここ数年内の球団再編は避けられないようだ。
本当に黒字球団は球場と一体の関西鉄道系球団のみという。新聞社系球団は事実上新聞経営と一体で、日本のプロ野球を支配してきたが、どこまで永続できるか。もう一つ某地方球団、高額選手は放出、健全経営という。地元密着型で金満球団以外は目指すのはこれだが、金満球団の支配する球界での展望は開けていない。 |