○…やっと内閣が交替した。思いつきで振り回されることから解放されたかと思ったら、増税内閣の出現だ。財務省の内閣ジャックと言われているが、他官庁も政治空白をいいことに勝手なことをやっており、電気料金値上げなど国民負担は増えるばかり。
復興の財源を当面復興債とし、時期を見て、復興税を掛けるという。国債に頼るのは将来世代に負担を残すことは良くないと新財務相は述べる。この議論は福祉財源についてそのとおりだ。福祉は現役世代の利益であり、現役世代の処理すべきもの。税と福祉の一体改革、消費税増税は止むを得ない。しかし、未曾有の災害の復興は現役世代だけの利益ではない。将来世代に負担を求めることは過去の通例ではないか。
公的債務問題は全世界の諸国が直面する問題だ。フランスの著名な経済学者ジャックアタリの「国家債務危機」は政府の諮問に根本問題から答えた書物だ。前首相も買ったそうだが、主権債務は将来ののためになる支出に限定する、本当の解決策は経済成長、競争力ある投資が必要で、そのための公的インフラは欠かせない。債務解消の前提として健全な債務の増加と述べている。
現下の経済情勢で増税は不可だ。震災復興は間違いなく実需が生まれる。官(復興債)だけでなく、民(PFI・PPP)の資金も投じて速やかな景気回復につなげるべきだ。
○…あることを調べていたら、今回の東日本大震災で、世界最大の被害分野があったということを知った。過去に例のない最大の被害規模であったのは液状化現象だそうだ。この液状化現象が最初に注目されたのも日本のようだ。「1964年の新潟地震の際、信濃川河畔や新潟空港などでこの現象が発生したことから国内でも知られるところとなる」とある。同年のアラスカ地震でも液状化被害が発生、土質力学で液状化研究が本格化したという。
3月11日の東日本大震災では浦安市、千葉市美浜区、潮来市などで液状化が発生した。さらに東京・お台場など東京湾埋立地の一部でもこの現象がおきた。なかでも浦安市の被害状況はテレビで生々しく報道された。実は、調べていたのは千葉県の面積である。そしたら、「浦安市の埋め立てが進み、県の面積は一時、愛知県を上回った。しかし、中部国際空港の建設によって再び愛知県が上位」になったと、シーソーゲームのようだ。国家間では領土問題は抜き差しならぬが、国内で埋立てを推進するにはそれほど問題にはならない。しかし、この液状化対策は必須であろう。阪神淡路、新潟中越、東日本の経験をここでも活かすべきだ。なによりも、都心部が河口に位置し、埋め立て地が多い東京は要注意だ。 |