○…福島原発周辺町村が合併を検討しているそうだ。原発事故で人口が急減、原発立地に伴う交付金も減るため、一体となって取組もうというもの。原発立地交付金で財政が豊かだったので、他の市町村と異なり、これまで合併協議がすすまなかったものだ。
政府の原発関連予算を集計しただけも、原子力発電のコストは火力発電と同等となるということは本欄でもすでに紹介したところだ。資源エネルギー庁の資料によると、原発関連自治体に流れた原発マネー(交付金・税金・寄付)の総額は1966年以降で2.5兆円になるという。原子力発電は実は日本社会が膨大なコストをかけており、低コストを偽っていたことが具体的な数値で明らかになりつつある。
福島事故の結果、被害は直接・間接・風評すべて日本の社会が負った被害は天文学的なものとなった。地域的には原発立地は申すに及ばず広範な地域に及んだ。国策と称する原発優遇体制をこれ以上進めることは不可であり、新たなエネルギー政策が必要ということはだれもがいうことだが、方向性、具体策、速度全ての面で、政治的稚拙さとあいまって、混乱をきわめている。
ドイツは脱原発に関して、科学者・産業界・宗教界などの代表者による倫理委員会が勧告したという。イタリアは国民投票だ。原発問題は国民レベルの判断が必要だ。
○…このところ気候がおかしくなっているような気がする。夏の暑さにしても、若いころは35度を超えることなどめったになく、もちろん熱中症などもそれほど話題にならなかった。ところが、最近は連夜の熱帯夜である。そして、降雨にしても局地的に激しい雷雨が襲う回数が多くなっているような気がするのだが…。
そして地震である。地震は自分の小さいころからすると格段に増えたような気がしてならない。語り継がれた大正時代の関東大震災の恐ろしさに震えたものだ。それにしても東日本大震災は我々にとって大きな災難であった。ある意味での人災も加味して被害を拡大させた。米国でも最近、首都にマグニチュード5.8の地震があり、大騒ぎしている状況が報じられた。日本の震度表示によると多分震度4か3ぐらいの規模のようだ。その位で?と思ってしまうが、経験したことのない人にとっては脅威であろう。
しかし、これら異常と思える自然災害も地球規模からいえばそれほどの変動ではないのかも知れない。気候がおかしい、地震が多いなどの感触は実は、各地でのできごとを瞬時に伝える報道の発達によるものではないだろうか。報道が一種の増幅装置とかして我々を右往左往させているのではないかとも考えてしまう。 |