EnB15号 目次
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構造改革はチャンス

■Report
ロシア極東ガス資源は何処へ向かう

プラント関連企業、受注改善も円高、震災復興がカギ

潰えた中国民活導入構想の深層②

■GLOBAL Report
2010年の米国環境ビジネス、売上上昇

■TOPICS
秋にもエネルギー政策見直し議論へ-電力・ガス事業部長

■NEWS Flash
・千代田、アローLNGのFEEDを受注
・IHI、中国・海南LNG受け入れターミナル受注
・日立プラント、海洋深層水利用でFS受託
・GE日立、カナダ・サスク州と原子力で共同開発
…千代田、CTCIと非ハイドロカーボンで提携
…三菱電機、インドから地下鉄用電機品受注
…クラレ、中国で水処理事業会社
…三菱商事、チリで海水淡水化事業に参画

■Projects News
…DOWとAramco、JVを推進
…Fluor、SadaraコンプレックスのU/O受注
…UOP、MTOプロセスを中国に供与
…ポリプラスチックス、マレーシアにプラント建設
…FW、アゼルバイジャン石油とJV
…Socar、肥料プラントでITB
…Saipem、ナイジェリアで肥料プラント受注
…Stamicarbon、中国に尿素プロセスをライセンス
…SolvayとSadaram、過酸化水素でJV
…マレーシアで製油所・PPコンプレックス
…BASF、ブラジルでアクリル酸・SAPプラント
…Saudi Kayan、SinopecEngにアルコールプラント発注
…Ichthys LNG、PM支援サービスを発注
…CSG-LNGでFID
…イラクで製油所計画
…Linde、DOEのCCS開発を受注
…B&W、Bruce Powerの原子力メンテナンスを受注
…大宇建設、オマーンから火力発電受注
…三星エンジ、インドネシアから原油プラント
…Sinopec、AP-LNGに資本参加
…イラク石油省、新ビッドラウンドへ
…AREVA、英国にEPR売り込み
…ベトナム、電力開発に約500億ドル投資へ
…ブラジル政府、アマゾンのダムPJで環境認可
…Siemens、タイでGTCC受注
…Saipem、イラクの原油輸出設備を受注
…Petrobras、FLNGプロポーザル3件受領

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 15号 表紙

 

EYE
構造改革はチャンス

 福島原発事故を受けて、政府はエネルギー基本計画の見直しを表明したものの、これまで行政サイドでは具体的な動きがなかった。しかし漸く、秋口にもエネルギー基本計画の見直しを含めた議論がスタートする見込みとなってきた。
 政府のエネルギー環境会議が7月29日にまとめた中間整理では、原子力発電の依存度低減が一つの方向性として打ち出されている。議論は基本的にこの方向を見据えつつ、ゼロベースでエネルギーベストミックスを考えていく事になる。そこでは、電力事業の発送電分離などについても俎上にのせられ、透明性を保ちつつ議論が進められていく、という。
 脱原発に関しては政府が方向性として打ち出しているので、今後増強する、という話はならない筈だ。現実的に、これほど大きな経済的影響を日本に与えた事故を見て、小手先の対策ぐらいで増強することが出来る、とは殆どの人が考えても居ないだろう。とはいえ、原子力をゼロにして良いのか?という疑問もまた、現実的な視点である。
 また電力の発送配電分離は電力が非常に強く抵抗する。しかも分離して本当に送電ラインの増強が可能か?という疑問もある。その一方で、分離しなければ分散型で、スマートなネットワークを構築できず、結局成長と構造的なセキュリティ対策とはならない、という話も正当な話である。
 エンジニアリング業界にとって、効率的な社会の構築というのは、大きなビジネスチャンスだ。硬直的なシステムのままでも、勿論ビジネスは成り立つし、その中で最適な設備の構築による貢献は可能だ。だが社会システムが大きく変わろうとしている時に、最も重要なベースとなるのが「色のついていない」立場からの工学的サジェステョンであり、提言だ。
 その点、エンジニアリング業界というのは、電力にどっぷり依存しているわけでもなく、原子力代替エネルギーにもチャンスを見出す事が出来る。その意味では今後の日本エネルギー構造について、工学を踏まえた提言のできるセクターとしての存在意義は大きい。構造改革は大きなチャンスだ。

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EDITORAL
編集後記

○…福島原発周辺町村が合併を検討しているそうだ。原発事故で人口が急減、原発立地に伴う交付金も減るため、一体となって取組もうというもの。原発立地交付金で財政が豊かだったので、他の市町村と異なり、これまで合併協議がすすまなかったものだ。
 政府の原発関連予算を集計しただけも、原子力発電のコストは火力発電と同等となるということは本欄でもすでに紹介したところだ。資源エネルギー庁の資料によると、原発関連自治体に流れた原発マネー(交付金・税金・寄付)の総額は1966年以降で2.5兆円になるという。原子力発電は実は日本社会が膨大なコストをかけており、低コストを偽っていたことが具体的な数値で明らかになりつつある。
 福島事故の結果、被害は直接・間接・風評すべて日本の社会が負った被害は天文学的なものとなった。地域的には原発立地は申すに及ばず広範な地域に及んだ。国策と称する原発優遇体制をこれ以上進めることは不可であり、新たなエネルギー政策が必要ということはだれもがいうことだが、方向性、具体策、速度全ての面で、政治的稚拙さとあいまって、混乱をきわめている。
 ドイツは脱原発に関して、科学者・産業界・宗教界などの代表者による倫理委員会が勧告したという。イタリアは国民投票だ。原発問題は国民レベルの判断が必要だ。

○…このところ気候がおかしくなっているような気がする。夏の暑さにしても、若いころは35度を超えることなどめったになく、もちろん熱中症などもそれほど話題にならなかった。ところが、最近は連夜の熱帯夜である。そして、降雨にしても局地的に激しい雷雨が襲う回数が多くなっているような気がするのだが…。
 そして地震である。地震は自分の小さいころからすると格段に増えたような気がしてならない。語り継がれた大正時代の関東大震災の恐ろしさに震えたものだ。それにしても東日本大震災は我々にとって大きな災難であった。ある意味での人災も加味して被害を拡大させた。米国でも最近、首都にマグニチュード5.8の地震があり、大騒ぎしている状況が報じられた。日本の震度表示によると多分震度4か3ぐらいの規模のようだ。その位で?と思ってしまうが、経験したことのない人にとっては脅威であろう。
 しかし、これら異常と思える自然災害も地球規模からいえばそれほどの変動ではないのかも知れない。気候がおかしい、地震が多いなどの感触は実は、各地でのできごとを瞬時に伝える報道の発達によるものではないだろうか。報道が一種の増幅装置とかして我々を右往左往させているのではないかとも考えてしまう。

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