EnB13号 目次
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■EYE詳細へ
業界の“やる気”を歓迎

■INTERVIEW
エンジニアリングは社会に不可欠
プログラムマネジメントで貢献を
日揮 代表取締役社長兼COO 川名浩一氏

■Report
Toyoグループで遂行したタイ・エチレンPJ
潰えた中国民活導入構想の深層①
−香港国際空港の未来拓くのはキャセイか− 加藤隆

■GLOBAL Report
米国エンジニアリング市場、公的分野にも陰り
2010年の米国のエンジニアリング企業の動向(3)

■TOPICS
エンジ協会として政策提言等を発信−ENAA、久保田新理事長

IHI、藻類バイオ燃料開発で新会社

■NEWS Flash
・TEC、インドに尿素プロセス供与
・Hitz、英国のごみ焼却発電プラント受注
・日立プラント、LG電子と水事業で合弁
…神鋼環境、栃木・芳賀地区ごみ処理事業を受注
…三菱重工、新見市クリーンセンター延命化を受注
…東芝、ブルガリアの超臨界圧+CCSでFS
…Hitz、インドネシアで廃棄物発電事業調査
…川崎重工、シンガポールにGT発電設備納入
…日立製作、CCS-IGCC燃焼器で低NOx化に見通し
…PMAJ、理事長交代

■Projects News
…Bapco、Sitra製油所拡張で資金アドバイザー選定へ
…Sasol等、カナダでGTL計画
…Solvay、常熱市でPVDF、FKMを生産
…シンガポール、LPGターミナルでFS
…Sabic、カーボンファイバーでライセンス取得
…三星エンジ、インドでHDPEプラント受注
…Sibur、PVCでファイナンスクローズ
…PDVSA、製油所拡張でローン調達
…タンザニア、100MW発電設備を発注
…Minnesota Power、風力を増強
…Petronas、サバ州に肥料プラント
…ヨルダン原発商談、3グループが参加
…IberdrolaとArevaがフランスで風力開発
…Hanwha建設、サウジで受注
…Evonik、中国にHPPO技術をライセンス
…EC、再生可能エネルギーでテンダー
…ブルネイで中国企業が製油所コンプレックス
…豪州、イクシズLNGを認可
…Alstom、インドで大規模水力発電受注
…Aramco、Jizan製油所で入札前倒し
…FW、リヤド製油所のクリーン燃料PJのFEEDを受注
…Petrofac、ルメイラ油田O&Mを受注
…中国シェールガス開発でテンダー
…BP、オマーンで150億$投資計画
…Al-Zour製油所、認可取得
…ニュージーランドで地熱発電計画
…Shell、カタール・オレフィンでテンダーへ

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■エンジニアリングダイジェスト

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■Editorial 詳細へ

EnB 13号 表紙

 

EYE
業界の“やる気”を歓迎

 エンジニアリング産業は長らく、産業インフラの構築でのEPCビジネスという範疇で事業を行ってきた。産業インフラを顧客の望むとおりに具現化するため、多種多様な文化を背景としたマルチナショナルなチームを纏め上げ、プラント建設を完成させる。その一連のマネジメントの中に、大きな喜びがある。プロジェクト・マネジメントというのは、ロジカルにプロジェクトを進めていくものだが、その最後に感動が待っている。今まで、そういう話を沢山、聞いてきた。
 そのプロジェクト・マネジメントはしかし、産業インフラだけを対象とした物ではない。P2M試験の受験者の多くがIT系というのも、プロジェクトという概念の範囲が幅広いといことを示しているが、水道事業や交通インフラなどの公共分野だけでなく、最近では都市コミュニティそのものだったり、あるいは住宅だったり、農業だったり、病院だったりと、プロジェクトとして捉える事のできる対象範囲はかなり広がってきている。
 こうした新しい「プロジェクト」は、プロジェクトマネジメントやエンジニアリングということをエンジニアリング会社の社員が再確認し、自分たちが社会にどういう貢献をできるか。現状の社会で何が課題で、エンジニアリングとしてどういうソリューションを提供できるか、という思索の賜物だと思う。
 一般財団法人エンジニアリング協会(ENAA)の久保田新理事長は「外に向かって積極的にアピールしていく」と延べ、日本プロジェクトマネジメント(PMAJ)の光藤新理事長も「今こそプロジェクト&プログラムマネジメントの役割が一段と重要となる」としている。震災および原発事故への対応には、まさにプログラムマネジメントやエンジニアリングが必要だ。
 エンジニアリング産業が何をできるのか、プロジェクトマネジメント、プログラムマネジメントで、どういう復興を描けるのか。今までこの業界は社会へのアピール力があまりなかった。けれど今、日本の未来が問われているこの時期に、積極的に声を上げていくことはとても重要なことだ。エンジニアリング業界が「やる気」になっているのが頼もしい。

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EDITORAL
編集後記

○…原子力発電のコストは、発電ソース別でもっとも安いことになっている。実際電力会社ベースでは事実で、最新の例でいえば、原発再開の遅れで赤字決算を予想している。しかし、国民経済的には原子力発電が負うべきコストは、電力会社負担分以外にも相当にあり、またいわゆるバックエンドコストにおりこまれていない、今回の大事故の費用などなどを考慮すれば、決して安いとはいえないといわれていた。
 政府も試算を外部に依頼したようだが、会計評論家細野氏が有価証券報告書と政府の予算を合算したことでコストの優位性がないことを示している(ZAITEN8月号)。東電の22年3月期でキロワット時水力7.86円・火力9.08円・原子力6.09円だが、これは民間企業の負担分にすぎない。これに政府一般会計・エネルギー特別会計の原子力関連予算を加算すると、原子力のコストは8.33円となる。火力よりこの時点では若干安いが、原油高騰以前の20年3月期では火力発電より高くなる。このベースでも原子力のコストは火力と大して変わらない。今後必要な安全強化コストを考えれば、原子力にコスト優位性は考えらないと思われる。
 反原発・原発撤退の動きは避けられそうにない。日本の社会経済にビルトインされた原発から撤退するには、冷静・緻密・総合的かつ長期的戦略が不可欠である。

○…7月上旬に早くも梅雨が明けた。明けたと同時に暑い夏がやってきた。今年も昨年と同じく熱中症が多発する酷暑が予想されている。今年はさらに節電が暑さを一層促進させることになる。こうなると、暑い夏をいかに過ごすか考えざるを得ない。
 まず、こう考えた。家にいるときは、窓を開け放して風とおしを良くする。さらにはくだらない番組が多いテレビなどは絶対につけない。身体を動かすと汗が吹き出るので、じっとしているのがいい。たまには、水風呂につかる。風呂から上がったら、団扇をあおぎつつ読書するのもいいかも知れない。
 この暑い夏に読んでみようと思う本がいくつかある。「3.11」あの日の被災地に行ってもいない私は、その惨状を想像するしかないが、被災地の惨状を経験、目の当たりにしたルポを読んでみようと思う。編集された映像では窺い知ることができないものがあるのではなかろうかと想像する。きっとその現実に背筋が冷たくなるに違いない。
 厄介なのは原発だ。これまで深く考えもせずに電気を使ってきた。まして被爆する可能性などは全く考慮してこなかった。たとえ自分が内部被爆したとしても、先行きはそう永くないのだから…とは思いつつ、では福島の子供達はどうなるのかと思う。暗澹たる思いだ。

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