○…辞めるような辞めないそんな内閣が庶民に負担を強いる悪政を残そうとしている。最後の土産ともいうべきものの一つが、首相が固執する再生可能エネルギー法、再生可能エネルギー電力を高額で買い取る制度だ。高い自然エネルギーを全てのユーザーの電気料金に上乗せするもので、事業者や自家発電できる個人が得して、持たざるものが損する仕組みだ。高い自然食品は買いたい人間が買うもの。高い自然エネルギーも買いたいユーザーが買う制度でなければならない。電力自由化がまず最初なのだ。
もうひとつの悪政は復興資金のための増税。復興構想会議は復興に臨時増税を提言した。さきごろ成立した復興基本法にもとづいており、今後の内閣も縛るものになる。議長五百旗頭は最初から財源について、「将来の世代にツケをまわさず、今の世代で支えあう」と増税ありきでスタートしていた。わが国の国家債務が巨額に達しており、財政再建により将来世代へのツケを減らすこが急がれている。しかし、災害復旧のような将来世代に大きく影響するものについては別と考えるのは、経済学・財政学の常識だ。さらにわが国の国債はほぼ国内で引受けられている。当面はギリシャのようなことはありえない。景気の足を引っ張る増税ではなく、別枠の復興債、PFIなど民間資金活用が中核となるべきなのだ。
○…懐メロしか歌わないので最近まで知らなかったが、「奇蹟の地球(ほし)」という歌があるようだ。1995年に桑田佳祐の作詞作曲でエイズ患者救済募金活動の一環として発売され、ミリオンセラーとなっている曲だそうである。一方で、「奇蹟の地球物語」というテレビのシリーズ番組がある。そこで、地球が“奇蹟である”という意味を考えた。海があり、大気があり、高度な知識を有する人類が生存する地球の誕生・歴史は奇蹟であると捉えてそれほど間違いではないだろう。
あるところに書かれていたことを思い出した。地球が誕生して約46億年。その46億年を1年間に例えると、恐竜の出現が12月12日の未明。約15日間恐竜は生息した。人類が類人猿から分かれて猿人が誕生したのが500万年前で、12月31日の午後2時ごろ。人間が猿から分かれて1日も経っていない。現人類である「ホモ・サピエンス」が誕生したのが15万年前で、これは12月31日午後11時42分。日本の歴史は、縄文時代から始まったとして約1万年。計算すると、なんと1分8秒。つまり12月31日午後11時58分52秒から日本の歴史が始まったことになる。こうして見てみると、人類の歴史は、地球の歴史から見たらほんの一瞬に過ぎない。
さしずめ、1千年に1度のことなど、ほんの瞬きのあいだ。自然を征服しようなどとは…。 |