EnB11号 目次
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■EYE詳細へ
エンジニアの思いを声に

■Report
「生活」に根ざした日揮のスマコミ事業

千代田化工建設、バイオ医薬プラントに注力

■GLOBAL Report
米国エンジニアリング建設業界は、不況脱出の方向へ
2010年の米国のエンジニアリング企業の動向(1)

■TOPICS
新日鉄エンジ、グリーンエンジを展開

三菱重工、スマコミで3兆円目指す

富士古河E&C、海外200億円目指す

■NEWS Flash
・Toyo-Korea、インドネシアのブタジエン設備受注
・三菱日立製鉄機械等、インドで熱延プラント受注
・新日鉄エンジ、相次ぎ製鉄プラント受注
・川崎重工、中国合弁でセメント新工場建設
・三菱重工、国内最大規模の廃棄物複合リサイクル受注
・近大、JFEエンジ等バイオコークスを溶融炉で実証
・日立プラント、「ナノピコ」で液状食品配管を洗浄
…千代田化工建設、天然ガス上流分野でサイペムと提携
…JFEエンジ等、静脈産業海外展開でFS
…荏原製作所、韓国にポンプ事業の拠点設立
…東芝、マレーシアのT&Dメーカーを買収
…豊洲エネルギーサービス、東京都からトップ認定

■Projects News
…ベトナム、2025年までに製油能力を120万b/dに
…Shell、FLNGをTechnip-三星に発注
…Shell、ブラジルでエタノールPJ
…米DOE、ネバダ州のSolarプラントに融資保証
…イラクSCOP、ナシリヤ製油所にUOP技術採用
…PETRONAS、Johorのコンプレックスは200億ドルに
…サウジアラビア、16基の原発建設へ
…サウジSahara、大林産業にプラント発注
…JubailエラストマーはJacobs〜三井造船
…Sabicと三菱レイヨン、MMAプロジェクトを推進
…ロシア、10年間で6基のクラッカーを計画
…MGC、タイのポリアセタル生産能力を増強
…三星エンジ、サウジのアルミ圧延プラントを受注
…Lanxess、シンガポールでプラント建設
…仏Fos Faster LNGターミナル計画が前進
…CB&I、北海のプラットフォーム受注
…Lukoil、イラク油田開発で入札
…BP Aroma、ベルギーでPETプラント計画
…Qatfin、年内にもLLDPE拡張計画を決定
…煙台万華集団、PO/MTBEを計画
…Reliance、酢酸プラント建設へ
…Siemens、米で太陽光発電受注
…NRG Energy、米国初の大規模洋上風力を計画
…Vopak、マレーシアJohorでタンクターミナル
…三星エンジ、インドネシアで原油生産設備受注
…BASF、世界最大規模のTDIプラント建設へ
…台湾Kuokuang、エチレン建設を検討中

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■エンジニアリングダイジェスト

■Editorial 詳細へ

EnB 11号 表紙

 

EYE
エンジニアの思いを声に

日本プロフェッショナル・エンジニア協会(JSPE)の年次総会に参加した。毎回、この総会では外部から講師を呼んで、講義を行い、継続教育の場としても活用しているが、今年のテーマは「エンジニアの社会的責任、社会貢献 〜 千年に一度の大震災を受けて」というものであった。米NSPEのMichael Hardy会長、芝浦工業大学の工藤一彦教授、そしてJSPEの土屋雅彦会長の3名によるパネルディスカッションの形で行われたもので工藤教授からはJABEEの工学教育の現状と課題について、Michael Hardy会長からはエシックスについて、そして土屋会長は今回の災害からなにを教訓として受け取るべきか、が話された。
 この内容そのものも示唆に富む、有意義なディスカッションであったが、それ以前に、こうした内容のディスカッションがエンジニアの団体で行われた、といことに注目したい。
 通常、エンジニアは与えられた仕事に対してベストをつくすものである。だが、未曾有の災害を目の前にして、自らの業務を遂行するだけで、納得することのできるエンジニアはそう多くないのではないだろうか?放射線に恐れる人々、震災から逃れ不自由な生活を送らざるを得ない被災者に対して、エンジニアとして何か役に立つことはないか。そう考えるエンジニアは多いはずだ。しかしこれまで、エンジニアはあまり積極的に発言はしてこなかった。だが、こうしたディスカッションが行われるということは、皆が気にしているということの表れであり、今までのエンジニアとしての活動への反省を含めた、社会貢献への強い意志がそこに示されているように思えた。
 パネルディスカッションの後の懇親会で若手の会員と少し話す時間があったが、やはり「技術者としての声を出すべきではないか」と考える方もおられた。「もっと社会に発信してください」と言われた方もおられたが、今まで、エンジニアの団体は公式な声明を出してはいないのだ。例えば、プロジェクトマネジメントが今こそ生かされるべきだ、と筆者が思っていても、エンジニア団体が声を出してくれなければ、その意思を伝えようがないのである。

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EDITORAL
編集後記

○…NHKスペシャルシリーズ「原発危機」の放映が始まった。その第1回「事故はなぜ深刻化したのか」(6月5日日曜日1CH午後9時〜10時)を見た。3月11日から数日に焦点をあて、事故処理にあたった官邸・東電(本社と福島1原発)・保安院・原子力安全委員会がどう動いたかを当事者の証言と内部資料をもとに検証したものだ。事故処理責任者・責任機関の混乱・不適切な対応・不適切な人材・情報の共有連絡の無さなどなど、とんでもない実態が明らかにされており、国民の安全がノウハウ・経験・方法論のないこんなお粗末な組織・人材に托されているのかと思うと、ぞっとする内容であった。
 原発事故発生に伴って官邸に原子力災害本部が設置される。首相以下官邸が事故処理の最終責任者となるが、電源車探しなど個別の案件対応でおわれ、事故全体の展望を描けず、また現場を把握できなかった。SPEEDIシュミレーションを隠蔽(情報統制)、結果として避難者が危険な方向へ避難する。
 福島原発各炉の状況が優先であるのに、ベントの遅れのように人間側の事情が対策を遅らせた。現場は状況の悪化の展望を描けていなかった。現場と本社の齟齬、現場内でも情報共有がなされてなかったなど。
 斑目安全委員長が原子力安全神話の感想を聞かれ、「3月11日以降をなしにしてほしい」。ポストにふさわしい人材ではない。

○…いま梅雨の真っ最中であるが、間もなく暑い夏がやってくる。昨年のように酷暑になるのか、残暑は厳しくなるのか、いまのところ皆目見当がつかない。けれど、原発事故によって電力事情は相当逼迫するようである。
 そうなると、もし冷房が無ければ通勤電車の中、事務所の中では茹だるような熱さになるのかも知れない。それに、家に帰れば裸で寝たとしても熱帯夜で、寝不足はまぬがれないだろう。
 しかし、幸いなことに根っからの冷房嫌いである。もともと家にはクーラーが無いし、電車、会社で冷房装置が効きすぎていると体の調子が悪くなる。自然の風が一番だと思っている。それでも暑くて仕方が無いときは、うちわ、扇子の出番だ。家では窓をすべて開け放し、すだれもある。これで50年以上を過ごしてきた。少々の暑さではへこたれない。
 とは言うものの、我慢できない熱さがある。ヒートアイランド現象だ。酷暑の中、車が走り回る都心のビル街などは歩けたものでない。その時ほど、冷房装置の有り難味が身にしみることはない。けれど今年はそれも期待できないかも知れない。やはり携帯風送り装置の出番だろう。あるいは、ビル街の道路を皆で水播きする「打ち水」も良いかもしれない。

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