○…NHKスペシャルシリーズ「原発危機」の放映が始まった。その第1回「事故はなぜ深刻化したのか」(6月5日日曜日1CH午後9時〜10時)を見た。3月11日から数日に焦点をあて、事故処理にあたった官邸・東電(本社と福島1原発)・保安院・原子力安全委員会がどう動いたかを当事者の証言と内部資料をもとに検証したものだ。事故処理責任者・責任機関の混乱・不適切な対応・不適切な人材・情報の共有連絡の無さなどなど、とんでもない実態が明らかにされており、国民の安全がノウハウ・経験・方法論のないこんなお粗末な組織・人材に托されているのかと思うと、ぞっとする内容であった。
原発事故発生に伴って官邸に原子力災害本部が設置される。首相以下官邸が事故処理の最終責任者となるが、電源車探しなど個別の案件対応でおわれ、事故全体の展望を描けず、また現場を把握できなかった。SPEEDIシュミレーションを隠蔽(情報統制)、結果として避難者が危険な方向へ避難する。
福島原発各炉の状況が優先であるのに、ベントの遅れのように人間側の事情が対策を遅らせた。現場は状況の悪化の展望を描けていなかった。現場と本社の齟齬、現場内でも情報共有がなされてなかったなど。
斑目安全委員長が原子力安全神話の感想を聞かれ、「3月11日以降をなしにしてほしい」。ポストにふさわしい人材ではない。
○…いま梅雨の真っ最中であるが、間もなく暑い夏がやってくる。昨年のように酷暑になるのか、残暑は厳しくなるのか、いまのところ皆目見当がつかない。けれど、原発事故によって電力事情は相当逼迫するようである。
そうなると、もし冷房が無ければ通勤電車の中、事務所の中では茹だるような熱さになるのかも知れない。それに、家に帰れば裸で寝たとしても熱帯夜で、寝不足はまぬがれないだろう。
しかし、幸いなことに根っからの冷房嫌いである。もともと家にはクーラーが無いし、電車、会社で冷房装置が効きすぎていると体の調子が悪くなる。自然の風が一番だと思っている。それでも暑くて仕方が無いときは、うちわ、扇子の出番だ。家では窓をすべて開け放し、すだれもある。これで50年以上を過ごしてきた。少々の暑さではへこたれない。
とは言うものの、我慢できない熱さがある。ヒートアイランド現象だ。酷暑の中、車が走り回る都心のビル街などは歩けたものでない。その時ほど、冷房装置の有り難味が身にしみることはない。けれど今年はそれも期待できないかも知れない。やはり携帯風送り装置の出番だろう。あるいは、ビル街の道路を皆で水播きする「打ち水」も良いかもしれない。 |