○…原発・放射能・電力に関して、ウソが蔓延している。政府、東電など電力関係者や政治運動家による故意や無知・無能、誤解による客観性を欠いた情報操作だ。放射能に関わる影響に関しては放射性医学の常識を外れた政府を初めとする対応が社会的混乱を招いていることは前回述べた。
電力に関しても、政府・東電、そしてそれに操られているマスコミのうそには驚く。東京電力の稚拙で不公正な計画停電は大地震・原発事故の直接被害ならびに復興の支援基地である首都圏の経済・産業・生活に多大な損害を与えた。緊急時とはいえ、需要管理可能、不可能、社会的に停電不可のユーザーの区別のない東電の都合(一次変電所単位)を優先した停電であった。ようやく夏に向けて大手ユーザーの輪番操業など対策が動きつつあるが、夏のピーク時には再び計画停電の悪夢の可能性が高い。ユーザー種別の管理ができる単位(配電変電所)のきめ細かな対策が不可欠だ。
節電が叫ばれ、地震後の自粛モードを加速した。そもそも一般的な節電が必要なのではない。ピーク時(1日単位や時期単位)の節電が重要なのだ。特に夏のピーク時期にはピーク2・3時間の節電が効果的だ。工場の夏休みの拡大などがある。家庭用では夏の甲子園の延期も効果ある。いっそ夏場は全テレビ局が2・3時間一斉に休止したらどうか。
○…毎年は行けないが、7月から8月ごろにかけて山に行くことを何回かやってきた。足腰の衰えが目立ち、若い頃の強行軍とは違って、2、3日をかけてゆっくりと登山を楽しむ。下山しての宿泊は、必ず温泉宿を捜してその土地の料理を楽しんできた。
実は、今年は早くから東北の名山「早池峰」に行くことにしていた。かねてから憧れていた山である。いつも同行する近所の山仲間に「6月から7月の間に計画するので予定していて欲しい」と言ったあった。早池峰とは、岩手県にある北上山地の最高峰である。とはいっても、それほど難しい山ではなく、ふもとから日帰り登山が可能である。目当ては、「ハヤチネウスユキソウ」だ。ヨーロッパアルプスに咲くエーデルワイスの日本における最近似種である。早池峰は全山が蛇紋岩で、高山植物の宝庫だ。固有種としては「ハヤチネウスユキソウ」、「ナンブトラノオ」が有名だ。この山にしか咲かない。梅雨時の6月下旬〜7月初旬が「ハヤチネウスユキソウ」の最盛期だ。ゆっくり登山して花を愛で、帰りにはもちろん「花巻温泉」で楽しむという計画であった。
ところが東北大震災だ。何と同行する予定のご夫婦がともに被災を受けた相馬市のご出身だ。のんびりと山に行ってはいられない。果たして来年はどうなっているか。 |