EnB07号 目次
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■EYE詳細へ
震災後対策で業界の力が必要に

■INTERVIEW
アライアンスで海外展開を本格化
国内は環境プラント市場環境の回復に期待
JFEエンジニアリング常務執行役員  幡多輝彦氏

■Report
用途拡大する3Dレーザースキャナ

■GLOBAL Business
・福島第1原発事故:海外企業との協力、総合的協力へ
・Aker Solutions、E&C事業を分離、上場へ
・現代自動車グループ、現代建設株買収が完了

■TOPICS
エンジ各社、新人への期待

エネ研、早急な脱原発政策を批判

燃料電池、2025年家庭用市場は85倍

■NEWS Flash
・TEC、インドネシア肥料プラントを内定
・東芝、ニュージーランドで地熱発電受注
・三菱重工、中国・広東省ごみ焼却炉更新を受注
・住友商事、カナダからディーゼル車両受注
…三菱2社と日立製作、水力発電統合で合意
…東芝、南米インフラ事業統括会社を発足
…月島機械、中国に子会社設立へ
…日立造船、ユニチカから環境事業譲り受け
…日揮、米司法省と和解

■Projects News
…ブラジル高速鉄道、入札再延期
…SK建設、シンガポールから地下鉄工事
…現代重工業、欧州で風力発電機受注
…TR、西豪州TANプラント受注
…トルコ原発計画に地中海隣国が不安視
…UOP、中国LABプラント計画に技術供与
…USunPower、TEPに太陽電池システム供給
…TransAlta、風力発電を拡張
…Technip、北海ガス田開発計画を受注
…Technip、アブダビZakum油田開発を受注
…アブダビでサブシー受注
…Alstom、マレーシアで超臨界圧石炭火力受注
…Siemens、米国で風力発電受注
…Petrofac、Shellからイラクの石油生産設備受注
…Saipem、Wasitオフショア設備受注
…Petrobras、肥料コンプレックスで認可取得
…ペルー、3つの水力発電を発注
…KPC、今年末に製油所入札を実施へ
…KPI、中国PJでBPなどと協議
…韓国企業、イラクで発電所受注
…Jacobs、JubailでECHプラント受注
…GS建設、クウェートでガス貯蔵施設受注
…Fluor、太陽光発電所受注
…エジプトでエチレン計画
…Technip、メキシコのエチレンプラント受注
…BASF、重慶のMDIプロジェクトで認可取得

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■データ・ファイル
・2011年2月の重電機器受注実績

■エンジニアリングダイジェスト

■Editorial 詳細へ

EnB 07号 表紙

 

EYE
震災後対策で業界の力が必要に

プラント業界としては、まず福島原発をいかに安楽死させるのかが、問われている。チュルノブイリに次ぐ重大事故となり、多量の放射性物質を環境中に撒き散らすこととなってしまった。しかも、肝心の冷却機能は未だ戻らず、安定的に冷却を継続できる見通しは立っていない。外部の熱交換機とポンプを設置することで冷却を行うという案も出されてはいるが、そのために高いレベルの放射線下での配管工事が要求されるとなれば、そのハードルは極めて高いだろう。
 そもそも、東京電力や政府の原発事故への対策には一貫した対応が見えてこない。次々と起こる事象に対して、ただドタバタと泥縄式で対応しているだけのように見える。プロジェクト・マネジメントが働いていない、と思うのは編集子だけだろうか?ここにこそプラント業界の知識体系とプロジェクトのノウハウが活かせるのではないだろうか。
 問題は原発だけではない。震災の復興のためにまずやらなければならないことの一つに膨大な量のごみの処理の問題がある。その総量は5,000万トンとも言われているが、これは全国の焼却炉の処理能力の8年分ともいわれる。その処理のためにどういうプラントがどれだけ必要となるのだろうか。復興事業を進めていくにもこれら震災ごみの処理がまず必要となる。また、津波で流された一般家屋の廃木材が大量にあるので、これを有効利用してバイオマス発電で不足がちの電力を補う、などの提案もプラント業界なら可能だろう。
 電力不足への対応も大きな課題だ。東京電力は既に4250万kWまで回復しているが、夏場のピーク時には5,500万kWを超える規模になる。まだ1,000万kW以上の供給力の確保を緊急に進めなければならない。東京電力では比較的早期に導入可能なガスタービン発電を積極的に入れていく考えだが、そのためにはガスタービンメーカーの製造能力が課題となる。また、産業界では計画停電を受けて、自家発電の導入拡大の機運もある。震災前には需要が低下していた、ガスエンジン発電、ディーゼル発電などに、また需要側のインテリジェント化による省エネ、スマートグリッドもエネルギー・セキュリティ技術として注目されるだろう。

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EDITORAL
編集後記

○…原発・放射能・電力に関して、ウソが蔓延している。政府、東電など電力関係者や政治運動家による故意や無知・無能、誤解による客観性を欠いた情報操作だ。放射能に関わる影響に関しては放射性医学の常識を外れた政府を初めとする対応が社会的混乱を招いていることは前回述べた。
 電力に関しても、政府・東電、そしてそれに操られているマスコミのうそには驚く。東京電力の稚拙で不公正な計画停電は大地震・原発事故の直接被害ならびに復興の支援基地である首都圏の経済・産業・生活に多大な損害を与えた。緊急時とはいえ、需要管理可能、不可能、社会的に停電不可のユーザーの区別のない東電の都合(一次変電所単位)を優先した停電であった。ようやく夏に向けて大手ユーザーの輪番操業など対策が動きつつあるが、夏のピーク時には再び計画停電の悪夢の可能性が高い。ユーザー種別の管理ができる単位(配電変電所)のきめ細かな対策が不可欠だ。
 節電が叫ばれ、地震後の自粛モードを加速した。そもそも一般的な節電が必要なのではない。ピーク時(1日単位や時期単位)の節電が重要なのだ。特に夏のピーク時期にはピーク2・3時間の節電が効果的だ。工場の夏休みの拡大などがある。家庭用では夏の甲子園の延期も効果ある。いっそ夏場は全テレビ局が2・3時間一斉に休止したらどうか。

○…毎年は行けないが、7月から8月ごろにかけて山に行くことを何回かやってきた。足腰の衰えが目立ち、若い頃の強行軍とは違って、2、3日をかけてゆっくりと登山を楽しむ。下山しての宿泊は、必ず温泉宿を捜してその土地の料理を楽しんできた。
 実は、今年は早くから東北の名山「早池峰」に行くことにしていた。かねてから憧れていた山である。いつも同行する近所の山仲間に「6月から7月の間に計画するので予定していて欲しい」と言ったあった。早池峰とは、岩手県にある北上山地の最高峰である。とはいっても、それほど難しい山ではなく、ふもとから日帰り登山が可能である。目当ては、「ハヤチネウスユキソウ」だ。ヨーロッパアルプスに咲くエーデルワイスの日本における最近似種である。早池峰は全山が蛇紋岩で、高山植物の宝庫だ。固有種としては「ハヤチネウスユキソウ」、「ナンブトラノオ」が有名だ。この山にしか咲かない。梅雨時の6月下旬〜7月初旬が「ハヤチネウスユキソウ」の最盛期だ。ゆっくり登山して花を愛で、帰りにはもちろん「花巻温泉」で楽しむという計画であった。
 ところが東北大震災だ。何と同行する予定のご夫婦がともに被災を受けた相馬市のご出身だ。のんびりと山に行ってはいられない。果たして来年はどうなっているか。

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