EnB06号 目次
詳細 のマークがついているものは記事の内容がご覧になれます。

 

■EYE詳細へ
我々はこんなにも思われていた

■Report
縮む原子力市場−震災で市場一転

新たなエネルギーインフラの構築へ

■GLOBAL Business
・Areva、Rolls-Royceと戦略提携
…Fugro、深海サービス事業を買収で強化
…Atkins、発電分野で買収
・現代グループの現代商船増資、総会で否決

■TOPICS
地震・津波災害復興にPFI活用を

第二の創業でより強い会社に

■NEWS Flash
・千代田化工建設、Marafiqから水処理設備FS受注
・豊田通商、イラクで変電設備受注
・三菱重工、カタールから大型ターボ冷凍機受注
・月島機械、下水汚泥焼却および燃料化を相次ぎ受注
…トーヨーカネツ、豪州向けLNGタンク受注
…伊藤忠、西豪州鉄鉱石増強投資決定
…IHIシバウラ、中国にエンジン部品会社設立
…新潟原動機、IMO NOx3次規制に対応試験を完了
…ドレーゲル、エンジ会社向けセミナーを延期

■Projects News
…Aker、プラットフォーム受注
…Eagle Fordシェールで韓国石油が参加
…山東省で新エネ計画
…FW、サウジで5年間のエンジサービス受注
…三星エンジ、Shaibah NGLプラント受注
…雲南省でグラスルーツリファイナリー
…BASF、ブラジルでアクリルコンプレックス
…アルゼンチンではSodium Methylateプラント
…露Yamal LNGプラントのFEED受注
…Chevronインドネシア、FEEDをTechnipに発注
…Gorgon-Janz LNG、FEEDステージへ
…南寧でバイオディーゼルプラント
…Dominion、MarcellusからのLNG輸出を検討
…DSM、印・中に合成樹脂プラント
…Echelon、スマ−トグリッド向けシステム受注
…Fluor、イラクWest Qurnaのアーリーワーク受注
…FW、ザクムの原油処理設備拡張でスタディ業務
…GS建設、クウェートでガス貯蔵設備受注
…現代建設、インドネシアで水力発電
…現代重工、BPからプラットフォーム受注
…CB&I、オイルサンド設備を受注
…Pertamina、小規模LNGターミナルを計画
…Jacobs、サウジEpichlorohydrin計画でPM

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

■Editorial 詳細へ

EnB 06号 表紙

 

EYE
我々はこんなにも思われていた

東北関東大震災で電力不足にあえぐ日本に向けて、韓国の現代重工が4基の発電機を送ってくれるという。ドイツのSiemensは、2,000〜3,000MW相当のガス火力発電設備を、つなぎの電源として供給する用意があると提案してくれているという。米GEもまた、東京電力に対して、代替電源として電源車の提供を申し出ているという。深く深く、さらに深く感謝したい。
 今回の災害はまさに未曾有の大災害だ。未だ1万人以上の不明者があり、死者・不明者合わせて2万7,000を超え、避難所生活を送っている方も24万人に上る。一つの町が丸ごと津波に飲まれ、全てが失われた。それに加えて福島原発の災厄が降りかかっている。まるで、パニック映画のようだが、それが現実であることを意識すると、まさに立ちすくむしかない。
 しかし、そこに各国からの支援の手が伸びてきている。被災者の救難や発電設備の支給だけではなく、LNGや石油の供給も持ちかけられている。世界から寄せられつつある義捐金の額も数百億円に達するという、にわかには信じられない額になっている。「我々は日本と共にある」というメッセージがこれほど暖かいものとは思わなかった。日本はこれほどまでに、海外から暖かく迎え入れられている。そのことを再認識できたことは、未曾有の大災害の中で最も良かったことの一つだ。このことは決して忘れないでおきたい。
 その一方で、福島原子力発電の状況は予断を許さない。少し安定したかと思えば、また新しい事象が生じる。炉心が溶融していれば、そのコントロールは不可能であり、とにかく水で冷却を続けるしかない。何カ月か、何年になるかは分からないが、再臨界を防ぐにはそれしかない。この福島原発への不安を抱えながらも、とにかく東北の復興を、諸外国からの支援と、国内での支え合いのもとに進めていく必要がある。
 復興事業がどのような形で進められていくのは、まだ先のこととなるが、そこにはエンジニアリング会社、重工メーカー、ゼネコンなどの力が求められていくことになるだろう。海外からの支援や思いに感謝しつつ、新しいインフラ構築に力を発揮すべき時が来る。
 被災された皆さまに心よりお見舞い申しあげます。

最新号目次へ

EDITORAL
編集後記

○…東日本大震災は当初の予測をはるかに超えて我々の生活を脅かしている。千葉県のはずれに居住するわが地域住民もよるとさわるとこの話で持ちきりだ。3月11日の地震時、わがおんぼろビルも揺れに揺れて、5階から階段を駆け?下りたが、後で事務所に戻ると事務所内は書棚が倒れ、滅茶苦茶になっていた。片付けなければと整理に取り掛かると、またもや余震、あわててまた階段を下りる。事務所内に止まった方が賢明なのか、外に飛び出したほうが危険が少ないのか、判断がつかない。
 その夜は、公共交通機関が利用できないため、結局上野の公会堂で一夜を明かした。指摘されてきた帰宅困難者を体験する羽目になった。居住地の友人に聞くと、殆どが会社に泊まったようだ。中には夜を徹して歩き明け方に帰宅した者もいる。
 政府の中央防災会議の資料によると、首都直下地震、東京湾北部地震(海溝型)など首都を襲う地震は、今後約30年間に70%の確率で起こるとしている。帰宅困難者は650万人が見込まれている。その対策には、「むやみに移動しない」、翌日帰宅、時差帰宅が望ましいとされている。図らずも今回、それを実践することになった。某保険会社が実施した自然災害リスクでダントツ世界一の都市に通う我々は覚悟しておかねばなるまい。

○…突然、ペットボトルの水が手に入らなくなった。東京都が金町浄水場の水から放射性ヨード13が乳児対象暫定基準値を超え、乳児用に水道水を使用しないよう呼び掛けたことから一斉に買いに走った結果だ。念のための規制で、止む得ず飲んでも長期(1年)にわたらなければ問題ないとの説明にもかかわらず、乳児以外も含めて水道水への不安をかきたて、不安はない人も確保に走らざるえなくなった。政府が追認し、他の自治体でも同様の呼び掛けがあって、ペットボトルの水不足は拡大した。翌日には東京都は基準値以下となったとして撤回したが、ペットボトル水不足は解消しない。
 暫定基準値というのは短期的ではなく1年間という長期摂取に対するもので、これをもっての「念のため」規制は正しくない。
 依然危険状態にある福島第一原発、地震津波による被災と復興、電力不足による停電の産業・交通への影響を考えれば、健康に問題ないレベルの規制はとんでもない。
 政府による暫定基準値「念のため」規制の悪例は福島・栃木・群馬・茨城などのほうれん草など葉菜、原乳の出荷停止だ。県単位の大雑把な調査、放射能があっても大量かつ長期でなければ健康に被害がないものを規制して、貴重な資源である野菜・原乳を廃棄、風評被害を拡大して、被災地を含む当該地の農畜産業を崩壊させるだけだ。

最新号目次へ

Copyright (C) 2002 ENGINEERING JOURNAL CO,.LTD. All Rights Reserved.