○…東日本大震災は当初の予測をはるかに超えて我々の生活を脅かしている。千葉県のはずれに居住するわが地域住民もよるとさわるとこの話で持ちきりだ。3月11日の地震時、わがおんぼろビルも揺れに揺れて、5階から階段を駆け?下りたが、後で事務所に戻ると事務所内は書棚が倒れ、滅茶苦茶になっていた。片付けなければと整理に取り掛かると、またもや余震、あわててまた階段を下りる。事務所内に止まった方が賢明なのか、外に飛び出したほうが危険が少ないのか、判断がつかない。
その夜は、公共交通機関が利用できないため、結局上野の公会堂で一夜を明かした。指摘されてきた帰宅困難者を体験する羽目になった。居住地の友人に聞くと、殆どが会社に泊まったようだ。中には夜を徹して歩き明け方に帰宅した者もいる。
政府の中央防災会議の資料によると、首都直下地震、東京湾北部地震(海溝型)など首都を襲う地震は、今後約30年間に70%の確率で起こるとしている。帰宅困難者は650万人が見込まれている。その対策には、「むやみに移動しない」、翌日帰宅、時差帰宅が望ましいとされている。図らずも今回、それを実践することになった。某保険会社が実施した自然災害リスクでダントツ世界一の都市に通う我々は覚悟しておかねばなるまい。
○…突然、ペットボトルの水が手に入らなくなった。東京都が金町浄水場の水から放射性ヨード13が乳児対象暫定基準値を超え、乳児用に水道水を使用しないよう呼び掛けたことから一斉に買いに走った結果だ。念のための規制で、止む得ず飲んでも長期(1年)にわたらなければ問題ないとの説明にもかかわらず、乳児以外も含めて水道水への不安をかきたて、不安はない人も確保に走らざるえなくなった。政府が追認し、他の自治体でも同様の呼び掛けがあって、ペットボトルの水不足は拡大した。翌日には東京都は基準値以下となったとして撤回したが、ペットボトル水不足は解消しない。
暫定基準値というのは短期的ではなく1年間という長期摂取に対するもので、これをもっての「念のため」規制は正しくない。
依然危険状態にある福島第一原発、地震津波による被災と復興、電力不足による停電の産業・交通への影響を考えれば、健康に問題ないレベルの規制はとんでもない。
政府による暫定基準値「念のため」規制の悪例は福島・栃木・群馬・茨城などのほうれん草など葉菜、原乳の出荷停止だ。県単位の大雑把な調査、放射能があっても大量かつ長期でなければ健康に被害がないものを規制して、貴重な資源である野菜・原乳を廃棄、風評被害を拡大して、被災地を含む当該地の農畜産業を崩壊させるだけだ。 |