EnB05号 目次
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偏狭なナショナリズムを超えて

■Report
海データ移転がボトルネックに?

混迷化するMENA地域

■Report
業績回復基調が見えたプラント業界
プラント・エンジニアリングの第3四半期決算

■GLOBAL Business
・AMEC、相次ぐ企業買収
・現代建設買収、現代自動車グループが本契約締結
・CDM、交通エンジニアWilbur Smithを買収

■TOPICS
明暗分かれた海外鉄道PJ

競争激化を予感させた新エネ週間

三菱電機、変圧器で米国市場を強化

■NEWS Flash
・丸紅、ベトナム石炭火力IPPでMOU
・三菱重工、米国で風力発電受注が2000基超え
・物産、南ア資源輸送用電気機関車を連続受注
・月島機械、豊田等6浄水場排水処置PFIを受託
・Hitz、鶴田ダム上流仮締切設備工事を受注
・三菱商事、スペイン太陽熱事業に参加
・三菱・日立、スペインのスマコミ実証事業に参画
…新日鉄エンジ、社長交代
…豊田通商、スリランカで水ビジネス
…大成建設、ボスポラス海峡横断トンネル開通
…ドレーゲル、エンジ会社向けセミナー開催

■Projects News
…FirstEnergy等、送電線計画を中断
…西豪州FLNG、今年半ばにEPC入札へ
…Amberjack Pipeline、詳細設計を発注
…豪AP LNG、環境認可取得へ
…B&W、フィンランドで廃棄物コージェネ受注
…Bechtel、Xcelの原発向けサービスを受注
…BP、中国でPTAを増強へ
…ペトロブラス、第3LNGターミナルを計画
…CB&I、Sohar製油所FEEDを受注
…中国、アザデガン油田に25億ドル投資
…大宇建設、ナイジェリアでガス処理プラント
…DESFA、パイプラインのFEEDを発注
…赤道キアナ、モジュラー製油所を計画
…Gladstoneのガスパイプラインで認可
…漢拏、サウジMarafiqの排水処理プラント受注
…印ONGC、Leightonに改装作業を発注
…イラク、Kerbala製油所を年内に発注へ
…Shell、イラクのガス生産プロジェクトが前進
…北海電力リンク計画でJV
…CNPC、カザフでガスコンデンセートPJ
…韓国KCC、サウジでポリシリコン工場受注
…Phoenix Solarがサウジでソーラーパーク計画
…PNOC、石油・石炭プロジェクトを計画
…POSCO Power、ベトナムの発電所計画に参加
…サウジでエラストマープロジェクト
…サウジアラビア、原子力導入で仏と合意
…Shaw、Qapcoのエチレン増強を受注
…SK建設、タイのガス昇圧設備受注
…ベトナムの大規模水力が着工

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■データ・ファイル
・2011年1月の重電機器受注実績

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 05号 表紙

 

EYE
偏狭なナショナリズムを超えて

 大林組が中国からの撤退を決めた。それは企業の判断であり、周りがとやかく言うことではない。だが、一部の報道機関が、この意思決定を妙に持てはやしていたのは、違和感を感じた。企業経営的な側面からの合理的な判断として、その意思を尊重するという論調なら理解できる。しかしその新聞は「中国嫌い」で有名であり、中国からの日本企業の撤退を「国益」として捉えていた。以前には、世界第2のGDPに達した中国との取引を全部停止しても日本経済には軽微な影響しかない、と断ずるコラムを掲載していた。つまり偏狭なナショナリズムの視点でしか、この件を論じていないのである。
 およそ経済活動全般で、日本だけが良ければそれで良い、という姿勢で成功することは無い。寧ろ逆に、そういった偏狭なナショナリズムに固まった姿勢で、経営が上手くいくことはもうない。それがリアルな現実だ。相手の利益をいかに確保できるか、という提案があってこそ、自分も利益を得られるし、そういう事を通じてこそ、信頼も得られ、継続的な活動に繋がっていくのだ。
 大企業の経営者で、自分の会社だけ、日本の国だけよければそれで良い、と考える人など見たことがない。全ての大企業経営者に会っているわけではないが、少なくともこの業界では「相手の役に立ちたい」というモチベーションが最も大きいように思える。
 相手が中国だから、イスラムだから、インドだからと最初から毛嫌いしているようでは、少なくともエンジニアリングの世界では良い仕事は出来ない。恐らく、他の業界でも同じく、偏見は利益の最大の障害となっている事だろう。
 最近、こうした偏狭なナショナリズムで経済やプロジェクトを語るという軽薄な風潮が目に付くようになってきた。システム輸出が動き出し、海外に人々の目が行くようになったことも一つの要因かもしれない。
 システム輸出とはある意味「文化の輸出」でもある。相手にこちらの文化を入れてもらい、それが発展してこそ、システム輸出の意味が生まれる。それには偏狭なナショナリズムを超えていかなければならない。

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EDITORAL
編集後記

○…ネットカンニング事件、泰山鳴動して鼠一匹、極めて単純な個人によるカンニングで、本来司直が乗り出しようなものではなかったようだ。それにしても短時間にかつ正確に携帯で手入力できるとは世の中の多くが思ってもいなかった。入試の監視体制がしっかりしていれば、防げるとの意見もあるようだが、今回のような常識を超えて発信し、解答を受信しているのを発見するのは困難だし、コストがかかり過ぎる。
 Q&AサイトYahoo知恵袋に投稿、試験中に解答があったのを見たのものだが、この知恵袋なるもの、インターネット検索で時々目にし、一度関連質問に回答したこともある。役立つQ&Aもあるが、どうも生徒・学生の宿題のアンチョコ(解答付きの教科書参考書)がわりに使っているケースがかなりある。方針を答えたものではなくズバリ解答そのものを質問者がベストアンサーとしていることが少なくない。試験のカンニング利用は起るべくして起きたといえよう。
 簡単に利用できるものがあるというのが今回の事件発生の大きな誘因なのだが、この知恵袋、とんでもない巨大サイトに成長している。宿題への安易な利用、カンニング利用をサイトの側から規制すべきだが、容易ではなさそうだ。いまのところ解答者の自主規制くらいしかないかも知れない。身分も明らかでない匿名サイトの宿命か。

○…米国務省高官の「沖縄蔑視発言」が論議を呼んでいる。特に沖縄での怒りは凄まじい。この発言は、前沖縄総領事で現在は国務省日本部長が、昨年末に学生を前に国務省内で行われたものだ。日本部長は「オフレコ」であったと弁明しているようだ。この発言に対して太田前沖縄県知事は「失言ではなく本気でそう思っている。オフレコと自己弁護しているが、単に本音が出ただけだ。メア氏は沖縄の人の心や魂を金で買い取れると思っている。発言は沖縄県民だけへの侮辱ではない。こうした発言に、日本政府はきちんと対応しておらず、主権国家の体をなしていない」と語ったと伝えられている。
 まさに、当初わが国の政府首脳(通常オフレコでは官房長官を指す)はメア氏の発言について根拠もなく「事実と異なる報道」と決め付けてもいる。「米国に照会していないのに、なぜ異なると分かるのか」と記者団からそう問われると、しどろもどろに「事実でないと(米国に)思われているんだろうなあということを想像して言った」と述べた。まさに、口をあんぐりだ。
 ところで「オフレコ」であるが、日本と違い米国では「政治家や権力者など公人のコメントは、原則としてオフレコが解除されて当然」と考えられているそうだ。私は公人ではないが、発言には気をつけたいと思う。

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