○…ネットカンニング事件、泰山鳴動して鼠一匹、極めて単純な個人によるカンニングで、本来司直が乗り出しようなものではなかったようだ。それにしても短時間にかつ正確に携帯で手入力できるとは世の中の多くが思ってもいなかった。入試の監視体制がしっかりしていれば、防げるとの意見もあるようだが、今回のような常識を超えて発信し、解答を受信しているのを発見するのは困難だし、コストがかかり過ぎる。
Q&AサイトYahoo知恵袋に投稿、試験中に解答があったのを見たのものだが、この知恵袋なるもの、インターネット検索で時々目にし、一度関連質問に回答したこともある。役立つQ&Aもあるが、どうも生徒・学生の宿題のアンチョコ(解答付きの教科書参考書)がわりに使っているケースがかなりある。方針を答えたものではなくズバリ解答そのものを質問者がベストアンサーとしていることが少なくない。試験のカンニング利用は起るべくして起きたといえよう。
簡単に利用できるものがあるというのが今回の事件発生の大きな誘因なのだが、この知恵袋、とんでもない巨大サイトに成長している。宿題への安易な利用、カンニング利用をサイトの側から規制すべきだが、容易ではなさそうだ。いまのところ解答者の自主規制くらいしかないかも知れない。身分も明らかでない匿名サイトの宿命か。
○…米国務省高官の「沖縄蔑視発言」が論議を呼んでいる。特に沖縄での怒りは凄まじい。この発言は、前沖縄総領事で現在は国務省日本部長が、昨年末に学生を前に国務省内で行われたものだ。日本部長は「オフレコ」であったと弁明しているようだ。この発言に対して太田前沖縄県知事は「失言ではなく本気でそう思っている。オフレコと自己弁護しているが、単に本音が出ただけだ。メア氏は沖縄の人の心や魂を金で買い取れると思っている。発言は沖縄県民だけへの侮辱ではない。こうした発言に、日本政府はきちんと対応しておらず、主権国家の体をなしていない」と語ったと伝えられている。
まさに、当初わが国の政府首脳(通常オフレコでは官房長官を指す)はメア氏の発言について根拠もなく「事実と異なる報道」と決め付けてもいる。「米国に照会していないのに、なぜ異なると分かるのか」と記者団からそう問われると、しどろもどろに「事実でないと(米国に)思われているんだろうなあということを想像して言った」と述べた。まさに、口をあんぐりだ。
ところで「オフレコ」であるが、日本と違い米国では「政治家や権力者など公人のコメントは、原則としてオフレコが解除されて当然」と考えられているそうだ。私は公人ではないが、発言には気をつけたいと思う。 |