EnB04号 目次
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■EYE詳細へ
公益事業者の協業意識が問題

■Report
具体化進むCCS、日本とカナダの現状

■Report
業績回復基調が見えたプラント業界
プラント・エンジニアリングの第3四半期決算

■GLOBAL Report
・2010年の湾岸諸国のプロジェクト発注は減少
・浮揚式生産システムの将来は有望
・GE、Wood Groupから油田サービス事業を買収
・AMEC、オーストラリアのZektinを買収
…Subsea Services(S3)、地質コンサルタントを買収
・現代建設の精査終了、現代自動車は買収価格値下げ要求
・ABB、Baldor Electric買収が成立
…英国サービスプロバイダー業界のM&A

■TOPICS
不透明さ残るベトナムのPPP

INCHEM、グリーン産業国際会議と同時開催

2010年の産業機械受注、2年ぶり増加

■NEWS Flash
・千代田化工、豪ブラウズLNGの基本設計業務
・丸紅、バングラデシュから複合火力
・住友商事、アブダビの発電事業に参加
・月島機械、大阪で下水汚泥燃料化PFIで基本協定
・住商、モンゴル向け大型鉱山機械受注
・WH、米原発向け燃料供給を受注
・三菱コンプ、中韓で事業活発化
…川重、ベトナム向けセメントプラントを完成
…住重、ロータリーキルン納入
…丸紅、豪水処理エンジ会社に出資
…三菱重工、使用済原子燃料ラックの実用化
…Hitz、フラップゲート式可動防波堤試験装置完成

■Projects News
…Posco、インド製鉄所を着工へ
…SharサワーガスPJにOxyが参加
…Alstom、ブラジルで水力発電
…KBR、Jizan製油所計画でFEED
…現代建設、BorougeのXLPEプラント受注
…GE Oil&Gas、サブシー設備受注
…現代建設、UAEで設備工事受注
…現代エンジニアリング、イラクから発電所
…Banten製油所計画が停滞
…IneosとSinopec、フェノールアセトンでJV
…Shell〜三菱商事、イラクでフローティングLNG
…KBR、中国にアニリン設備の技術を供与
…PetroChina、カナダのシェールガス開発に参加
…Petrrofac、Berantaiフィールドを開発
…PGE、原子力技術で入札
…三星エンジ、バーレーンで下水処理プラント
…SantosLNG、最終認可獲得
…Saudi Kayan、ブタノールプラントでJV
…Sempra、アリゾナで太陽光発電
…Technip、マレーシアのFLNGでFEED
…韓国GTC、Ruwais製油所拡張工事受注
…Iberdrola、メキシコで発電設備
…Chevron、ベースオイルプラント計画
…中国とロシアがエクアドル水力計画でファイナンス
…Veolia Water、オマーンでマネジメント契約
…クェート初の原子力発電で3サイトを選定
…サウジShaybah NGLで韓国勢が優勢に
…クウェート第二の民間発電プロジェクトはJulaia
…サウジでCO2インジェクションプラント入札

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

■Editorial 詳細へ

EnB 04号 表紙

 

EYE
公益事業者の協業意識が問題

公共・公益事業というのは、広く市民の利益に還元されるものであり、だからこそ補助金、交付金が国から供出されたり、制度面のサポートを受けて成り立っている。しかしその運用のやり方には、色々な面で問題が生じることがある。特に問題となるのが、工事での住民との関係である。公共・公益であると言っても、立地住民にとっては土地の改変や周辺環境の変化を伴うものであり、しばしば事業体と住民との間で対立が生じてしまう。自分の知る限り、この対立構造を乗り越えて行くには、地道な対話しかない。以前千葉県松戸市にごみ焼却炉の取材に行ったが、その際、松戸市の担当者は反対を唱えていた地域住民と徹底的に話し合いを行い、最終的には住民との合意を取り付けていた。環境問題を心配する住民に対し、国が設けた環境水準を、一桁下回るような、高度な水準に仕様を変更してまで、整備を進めた。プラントメーカーもその要求水準には驚いたが、住民との合意事項であるので、何とかこれを履行。結果、高い水準での環境対応技術を学ぶことができた。当然、国はこれに対し難色を示したが、松戸市は理論武装で対抗。その数年後、国の規定がようやく、松戸市に追いついていた。
 先般、三菱重工が焼却炉を納めた自治体から、談合賠償の不足金を支払うよう提訴された。以前に住民訴訟で支払った金額では談合の損害額に届かない、として新たに提訴されたものだ。焼却炉の入札は、見積価格から数割程度引き下げられた価格が予定価格なので、入札時点でコスト低減が要求される。それに加えて競争もある。そのままでは利益を出して事業を継続することは難しい。談合があったとしても、それは価格を吊り上げるためではなく、価格をこれ以上下げないためだ。自治体が価格だけで決めているのであれば、こうしたことは今後も繰り返されることになる。
 エネルギー産業でも、エンジニアリング会社にコストダウンばかり求めるところがある。それは、必要な技術を持った企業を潰しかねないところまで、既にきているのだ。発注先が無くなったら、どうするつもりなのか。共にプロジェクトを進めるという意識のない事業者こそが、最大のリスクだ。

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EDITORAL
編集後記

○…中東を起点とする世界情勢の混乱、そして国内政治の混迷に隠れて、大相撲の八百長問題はマスコミでの露出度が低くなっているが、新弟子暴行問題・大麻・不良横綱問題・野球賭博に続くそれらよりもさらに本質的な根幹にかかわる不祥事だ。にもかかわらず、当事者である相撲協会幹部・年寄・力士の問題意識の低さにはあきれてしまう。公益法人として税の優遇をうけているにも関わらず、納税者である国民への謝罪の言葉が全くない。
 公益法人としての公益性が現在の大相撲にあるかといえば皆無に等しい。国技だからという。国技とは現代社会の言葉でいえば、国民のスポーツということだろう。筆者が少年時代には男の子にとっては日常的なスポーツであった。いまがどうだろう。古来から言えば相撲は現在のような肥満漢のものでなく、だれでも取組むものであった。江戸時代に興行として大相撲が成立して肥満漢が脚光をあびた。明治になって大相撲は丁髷を残して特殊世界として残った。
 大相撲はプロレスと同様の興行であり、営利組織として再出発すべきだ。それには興行として成立つためには、力士以外の人員・力士予備軍の削減、江戸時代以来の習慣の見直しなど抜本的リストラが必要だ。そして国民スポーツ(国技)としての相撲はアマスポーツの役割とすべきだ。

○…2011年が明けたと思ったら、はや3月である。3月3日は「桃の節句」だ。けれど、雛祭りといっても子供がいない家庭では、何にもしないのではあるまいか。あまりに情報が多すぎるせいなのか、こういう昔ながらの季節の変わり目、行事などがますます顧みられなくなっているのではあるまいか。
 そういえば、5節句のうち、3月3日の桃の節句、5月5日の端午、7月7日の七夕はまだ、世間の認知度が高いような気がする。何かとビジネスに結びつけることができるから、コマーシャルで目にする機会が多いからだろう。5月5日みたいに休日にすれば、さらに認知度は高まる。気の毒なのは9月9日の菊の節句だ。一部、皇室の行事に残っているとも聞くが、一般的にはとんとその噂を聞かない。
 1月7日は別にして、奇数の重なりをもって暦に意味を見いだすとすれば、当然考えられるのは11月11日があってしかるべきだ。6節句とまではいかずとも、何らかの記念日では?と調べた。あった。サッカーは11対11人で対戦するスポーツで有ることから、日付をこれに見立てて、「サッカーの日」であるそうな。スポーツメーカーが商魂たくましく提唱したそうだが、もう少しましな記念日であって欲しいものだ。

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