○…世界経済に回復の兆候が見えるのに日本経済のデフレは続いている。円高にもかかわらず、輸出産業に若干の回復の兆候が見えるのに対し、国内景気・個人消費はながらくデフレ状態が続いたままだ。なぜデフレが続くのか、どうしたら脱出できるのか、に関心を持っている諸兄に是非とも読んでほしい本がある。
それは「デフレの正体−経済は『人口の波』で動く 藻谷浩介著 角川ONEテーマ」だ。昨年6月発行され版を重ねている本だから既にお読みの方も少なくないかも知れない。この本の要旨は「経済を動かしているのは、景気の波ではなく人口の波、つまり生産年齢人口=現役世代の数の増減だ」ということだ。デフレの根本原因は「生産年齢人口の減少と高齢者の激増」という客観的事実であり、この認識の共有が本書の動機という。その観点から、生産性上昇・経済成長・マクロ政策によるデフレ対策・技術革新・出生率上昇などの対策はいずれもピントがずれているとする。上記事実に対処する案として若者への所得移転、女性就労、ブランド商品化などを挙げている。
政府は税・社会保障の一体改革が叫び、定年延長・年金支給年齢引上げの発言もある。高齢者を労働人口に加えるメリットもあるが、そのことが若年層のデメリットをもたらすリスクも少なくない。
○…少し時期はずれの話だが、昨年の夏はとにかく暑かった。連日の猛暑、いたるところで熱中症が話題となり、私の間近でも運動中に熱中症でダウンしてしまった知人がいた。熱中症対策の飲料、グッズが飛ぶように売れたという。斯く言う私も首まわりを冷やすグッズを購入してしまった。この暑さも、やはり地球温暖化のあらわれかと妙に納得したりした。
ところがである。その酷暑をすぎて秋になると、寒さが急速にやってきた。過ごしやすい秋、その秋がこんなに短かっただろうかと感じるほど、瞬く間に冬がやってきた。昨年の12月から正月にかけては寒い日が続き、日本海では連日の大雪。そして温暖と思われる九州でも数十年ぶりという積雪があった地域まででてきた。この寒波は日本は言うに及ばず、世界的にみられたとそうだ。今が夏の豪州でさえ積雪があったという。
こうなると、地球温暖化はどうなってしまったのだ、と言いたい。もしかすると、地球寒冷化の方がふさわしいのか。いずれにしても、我々一般はマスコミが集中的に流す情報に流される。地球温暖化だと言われれば、「なるほど。この現象がそうか」と思ってしまう。また、今年も地球温暖化の影響で酷暑がくるのであろうか。寒いのもあまり好きではないが、寒冷化のほうがまだいいと思ってこの寒さをガマンしよう。 |