EnB01号 目次
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■EYE詳細へ
エンジニアリングは「実現力」

■INTERVIEW
新たなる領域拡大へ飛躍の年
課題はコスト競争力と幅広い人材育成
日揮代表取締役会長兼CEO 竹内敬介氏

2015年に向けさらなる変革を
価値共有化で真のグローバル企業に
東洋エンジニアリング取締役社長 山田豊氏

市場は活発、新分野にも挑戦
業務効率化で足腰の強化を図る
千代田化工建設代表取締役社長 久保田隆氏

「第2の創業」に向けて実行の年
海外は価格競争力、国内市場は正念場
新日鉄エンジニアリン代表取締役社長 羽矢 惇氏

■Report
プラント市場は活発も努力が必要に

■Global Report
・Jacobs、Aker SolutionsのP&C事業を買収
・Aker Solutions、エンジニアリング部門を分離
・韓国の2010年建設輸出・プラント輸出、史上最高
…国土海洋部、海外建設5大強国入り戦略推進
・現代建設買収、現代自動車グループが優先交渉権
…韓国産業銀行(KDB)、大宇建設支配権を獲得
・GE、Wellstreamを買収へ
・Wood Group、PSNを買収
…Schlumberger、ロシアのEurasiaと事業交換
…Halliburton、石油システムソフト企業を買収

■GLOBAL Business
中国60大コントラクター合計売上高2億元を突破
2010年中国承包商・工程設計企業双60強発表

■TOPICS
日中環境協力で新たなモデルを

上半期海外プラント成約は大幅増加

新日鉄エンジ、サブシー事業推進

JFEエンジ、標準化ごみ焼却を提案

■NEWS Flash
・住友商事、台湾で鉄道車両受注
・三菱重工、インド肥料会社にCO2回収技術を供与
・JFEエンジ、焼却炉を相次ぎ受注
・日立プラント、エジプト初の超臨界圧向けポンプ受注
・日揮、IBMと都市インフラ支援で提携
・伊藤忠、中国で複合型リサイクル事業
…日揮、シンガポールで軽油深度脱硫設備受注
…住友商事、次世代航空管制システムを受注
…Hitz、香港高速鉄道向けシールド掘進機受注
…三井造船、チュニジアの太陽熱複合発電で可能性調査
…伊藤忠商事、スペインで太陽熱事業
…千代田化工建設、トーヨータイに出資
…日揮、MWケロッグ売却で特別益

■Projects News
…斗山重工、べトナムで発電プラント
…豪AGL、小規模LNGを計画
…Aker、Subsea設備を初受注
…Aker、世界初のSubseaガスコンプレッション受注
…Alstom、中国向け水力発電設備受注
…サウジアラビアJubail計画のFEED完了へ
…CSJV、Gorgonのオフショア・ワークを受注
…Technip、ノルマンディ製油所増強PJ受注
…Equate、2012年にCCSをスター
…FW、石油ブレンディング設備受注
…GE、インドでGT受注
…Bayer、中国で能力増強
…印Uhde、JubailのLABプラントエンジ業務受注
…華能国際電力、超臨界圧石炭火力で認可取得
…米最大規模の沖合風力計画
…ペトロブラス、FWに製油所FEEDを発注
…POSCO、トルコで製鉄プラント
…POSCO、米国で太陽発電
…QPとShell、RasLaffan石化でMOU
…Saipem、クウェートで石油・ガス開発PJ
…韓国電力がマケドニアで風力発電
…STX重工、アゼルバイジャンでメタノールプラント
…Technip、アルジェリアで製油所リバンプ
…Fluor、トルコの製油所のPMC受注
…韓国LEESANA、カンボジアの空港開発を受注
…大宇建設、モロッコで火力発電

■NEW YEARS MESSAGE
2011年 トップの年頭所感

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

■Editorial 詳細へ

EnB 01号 表紙

 

EYE
エンジニアリングは「実現力」

プラント・プロジェクトのEPCはエンジニアリング産業のコアとなる事業だ。そこにはプロセスや機器、工法などに対する知識とともに、プロジェクト・マネジメントの力が重要となる。そういう意味では、エンジニアリング産業のコアとなる能力はプロジェクト・マネジメントである、と言ってもよい。だがプロジェクト・マネジメントは、プロジェクトを与えられて初めて機能するものであり、かつてのエンジニアリング産業であれば、それで良かったかも知れない。
 しかし今、新興国のエンジニアリング産業に追い上げられ、仕様が決まった所から競争が開始されるようなプロジェクトでは、必ずしも優位性を確保することはできなくなってきている。従って、ある一定の規模を確保するには、事業領域を拡大していかなくてはならない。市場の側の意識も変化し、単純なプラント建設の請負業を求めるのではなく、ソリューションを提供しつつ、それを形づくることのできる企業体が求められつつある。その最たるものが、環境対応だ。地球環境対策の最大のポイントは、如何にエネルギー効率を高めるか、そして如何に非CO2ソリューションを提供していけるかである。その技術的研鑽の積み重ねをまさに世界が待っている。
 日本でも昨年から、「インフラ・システム輸出」が展開されつつある。日揮が「Program Management Contractor & Investment Partner」を目指すのも、こうした市場の変化への対応の一つの姿勢と言える。
 あらゆるニーズが全方位に広がりつつある中で、エンジニアリングは単なるプロジェクト・マネジメント・コントラクターであって良いのだろうか?これからのエンジニアリングは、コンサルタントでもあり、時に投資事業も含めた展開も求められることなろう。
 エンジニアリングの真の力とは「実現力」にあるのだ。社会に必要なシステムを一つ一つ形にしていく「実現する力」がエンジニアリングであるのだ。よりよい社会インフラを実現することで、人々の生活はより安全で快適になっていく。エンジニアリング産業の「実現力」は世界が求めている。この力を積極的に社会が活用してもらえるようになることを願う。

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EDITORAL
編集後記

○…本号Global Businessで報じたように、Akerがプロセスエンジニアリング事業を売却撤退した。96年企業買収により進出して苦闘のすえ、もとの石油上流企業にほぼ戻ってしまった。HalliburtonからのKBR分離もHalliburtonの石油上流専業への回帰だ。
 本文で述べたGE・Wood Groupの買収した企業は旧Halliburtonからの独立企業だ。前副大統領チェイニーがHalliburton CEO時代に行ったDresser買収がアップストリーム・エンジニアリングの広範な事業分野にわたったことが分かる。石油上流・下流、機器・サービスなど事業モデルの違いを克服できず、株主の圧力もあり、石油上流企業に回帰したといえる。Akerもほぼ同様だ。この問題は欧州の他の石油上流・下流兼業企業などにも波及するかも知れない。
 長年グループ事業であった大手プロセスエンジニアリング企業の売却は、結構ある。ABBのLummus売却、これはエンジニアリング事業全般からの撤退で、石油上流分野売却が先に行われた。GEA GroupのLurgi売却、傘下となった企業がグループ主事業となり、Lurgiなどプラントエンジニアリング事業を追い出した。やや古いケースだが、Raytheonが、多くのエンジニアリング企業を買収、エンジニアリング事業を構築したが失敗、Washington Groupを経て、現URSの一部となっていることなどが挙げられよう。

○…「あけましておめでとうございます」という言葉を聞くと、若い頃は何がめでたいんだ、単に一つ歳を経た、1年が過ぎただけではないか。という天邪鬼らしい感慨をもったものだ。だが、老齢に達した現在の考えは違う。年が明けたことを互いに喜び合う区切りとして新年の挨拶は大切だと思うようになってきた。まがりなりにも、無事1年を過ごせたことを喜ぶべきだろう。たとえ、足腰が痛み、身体のあちらこちらに異変が起きるようになったとしてもだ。
 そして、この挨拶にもう一つの意味を込めている。明けた年が、文字通り明るい年になるようにという期待を込めている。もちろん、「そんなことは当たり前の話だ。今更何を言うか」という方も多いだろう。迂闊ながら、そう認識したのは最近のことだ。たとえ苦難に満ちた1年であったにしても、明けて心機一転したいものだという願いも込められているはずだ。
 とすれば、明けた本年に大いなる期待を持ちたい。しかし、今年の先行きを考えると決して社会全体が明るくなるとは思えないのだ。個人的には政治、経済の日本の現状はとても期待を持てるような状況にないような気がしている。なぜ、こんなことになってしまったのだろうか。せめて、明るい話をかき集めて気持ちを明るくするほかない。

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