EnB20号 目次
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■EYE詳細へ
ポジティブであること

■Report
日本の原発輸出、ベトナムで勢いづくか?

日本の強みを活かすエンジ産業

■GLOBAL Business
・中国海外コントラクト、1-9月受注6.5%減
・Fluor第3四半期、風力プロジェクトなどで最終赤字

■TOPICS
2050年のCO2排出量最大4割削減へ

知識可視化、新たなトレンドに?

学生から注目されるエンジ産業

■NEWS Flash
・TOYO、ブラジル向けFPSO船上処理設備受注
・丸紅〜ビスキャス、アブダビで海底電力ケーブル受注
・三井物産、スペインで太陽熱発電
・東芝、米国でABWR設計認証更新申請
・関電/川重など、ニッケル水素電池で多機能電力貯蔵
・東G、荏原など、工場未利用温水を蒸気転換
・タクマ、英廃棄物発電プラントを竣工
・IHI、リオティント向けGT発電を納入
…三菱日立、現代製鉄向け熱延設備竣工
…丸紅、チリで水事業会社を買収へ
…エネ庁、日米で国際原子力協力WG設置

■Projects News
…住友商事、シュワイハットで優先権
…ベネズエラ、イランSouth Pars Phase12に投資
…SINOPEC、シェールガス開発でBPと交渉
…イラク、製油所建設でPQ参加呼びかけ
…Shell、イラク南部ガス開発を受託へ
…Technip、イエメンのガス火力受注
…Greencol台湾、バイオエチレン建設へ
…米コロラドで30MW太陽光発電
…Siemnes、伊Enelから風力発電機受注
…韓国、大規模洋上風力開発へ
…韓・東国製鋼、ブラジルに製鉄所建設へ
…韓国、モザンビークで太陽光発電
…印NTPC、石炭火力BTGで入札へ
…韓Samchang、UAEでポリシリコンプラント
…KBR、FPSO船上モジュール受注
…カリフォルニアに太陽熱発電
…GE、インドからGTCC
…GE日立、次世代高速炉技術でMOU
…GE、ペルーからコンプレッサー受注
…GDF Suez、カメルーンのLNGプラントに出資
…FW、ベネズエラで生産設備のプレFEED
…FW、ベトナムで微粉炭ボイラ
…Fluor、南アのソーラーパークのMP作成
…Alstom、南アで脱硫プラント受注
…インドネシア、洋上LNG受入基地PMCを発注
…斗山重工、SiemensからHRSG受注
…CNOOC,珠海LNGターミナルを着工
…BG、Curtis LNGでFID
…AMEC、アブダビで原油生産増強を受注

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■データ・ファイル
・2010年9月の重電機器受注実績

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 20号 表紙

 

EYE
ポジティブであること

 「〜ではダメだ」「〜が問題だ」とか、とかく世の中の話題は暗い方に走りがちである。ただでさえ、円高が続いて国内景気への不安感が払拭されず、外交面でもキナ臭い話が多いなど、なかなか明るい話題も少ない。実を言うと記事を書く際に、問題点を挙げていくほうが書きやすいということは確かにある。評価できるところを最初に書いて、最後で「〜が課題だ」という感じで記事をまとめてしまうのはありがちだ。その方が記者として高く評価されるような気がするのだ。
 しかし本音では、そんなに世の中悪くない、と思っている。機械受注は徐々に上がってきているし、円高も調達面を考えれば、影響はあるが、さほど大きいものではない。海外のローコストエンジニアリングの台頭は頭の痛い話だが、それでも日本の会社に対する信頼性はさほど揺らいではいないように見える。従って、何とかなるんじゃないの?という楽天的な見方をするようになってきた。
 それに企業のトップに立つ人は、基本的に明るい人が多い。特にエンジニアリング産業ではそういう傾向が強いように思える。そういえば、「ロジカルシンキングのポイントはポジティブであること」という文章をどこかで見たことがある。であれば、ロジカルシンキングの得意なエンジニアリング産業は基本的にポジティブな産業であるということか。
 先般行われたエンジニアリングシンポジウムでも、日本人の実力の高さに自信を持ち、ポジティブに進んでいくことが重要というメッセージが含まれていた。その後開かれたENAA業界セミナーでも、同様のメッセージが学生に対して伝わっていたと思う。
 その学生さん達は実に真剣であった。長引く景気低迷のお陰で就職活動はまだ厳しい状況が続くので、当然かも知れない。しかし数名、ちょっと話させていただいたが、真剣ではありつつも、明るさがあった。そして、システム輸出で注目されているせいか、エンジニアリング産業に対する高い意識を持っていたようだ。このような、ポジティブな姿勢を持った学生たちが集まってきているのだ、こっちがうな垂れていては申し訳ない。

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EDITORAL
編集後記

○…空港、道路、上下水道など料金収入を伴うインフラ整備にコンセッション方式の導入を、という機運が高まっている。コンセッション方式とは何か。簡単にいうと、事業運営権を民間に付与するものだ。PFI方式で言えば、独立採算型の形態だ。これら公共事業の事業権を長期にわたって民間に売却し、公共は財政的な負担を軽くすることができる。フランスの水道事業、米国の高速道路などが有名だ。けれど、これら諸国ではいろいろな課題を解決しながら長い年月を経て整備を進めてきた。特にフランスでは、数世紀に及ぶ歴史を有する。
 この方式をわが国で導入する場合、形態をそのままなぞるだけでは成功は覚束ない。課題が幾つかある。まず、果たしてプレイヤーが十分に存在するかだ。事業権獲得のために巨額の資金を投入できるところがどれだか存在するか。経験の多い外国企業にも積極的に門戸を開くべきだろう。
 なによりもの課題は、公共サービスの受け手である利用者の十分な理解である。例えば、事業会社が利益を出したとき、「水道料、有料道路代を値下げしろ」という意見は必ず出てくる。逆に赤字になり、事業会社が破綻したときはどうするか。利用者が負担増になるケースもあるかもしれない。これらに対する合理的な対応と、解決策を事前に検討しなければならないだろう。

○…オバマの信任投票の性格も帯びる米国の中間選挙で、オバマの与党民主党が大敗した。その結果グリーンディールと称するオバマのエネルギー・環境政策は、共和党主導の下院という大きな障害に直面する。温暖ガス排出規制問題や再生エネルギー依存政策は変更を迫られる。ただし、上院では民主党が主導権を維持でき、大統領の拒否権もあり、共和党の主張が法案化するわけでもなく、オバマ政権は妥協を重ねながら政策運営すことになると見られている。
 石油ガス・石炭産業はプラスに、再生・代替エネルギー産業にはマイナスという構図だ。石炭産業は、石炭火力プラントへの排出ガス規制は1月から発効するなどの環境保護庁の攻勢に対抗する手立てを得た。原子力にはプラス。風力プロジェクトは米国全土で盛んだが、輸入が多く米国の雇用につながらないとの批判がある。補助事業全般にバイアメリカンが強まる可能性がある。GEは米国製品への回帰を計画する。
 共和党は、地球温暖化炭酸ガス説を唱え温暖化ガスを規制しようとしている環境保護庁や一部気候学者への議会による持続的な調査を計画している。
 欧州でも気候サミットでの欧州の炭酸ガス削減目標が過大との声が出始めた。日本も現実的で国益に沿った地球環境政策と外交が必須である。

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