EnB18号 目次
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グローバル化がBCP

■Report
IHI、世界最大のLPGプラント完成

■GLOBAL Report
本年も中国企業が大きく増加
2009年の世界エンジニアリング企業の動向(3)−その他編−

■GLOBAL Business
・現代建設買収戦開始
…Hochtief、ACSのTOBを敵対買収として抗戦
…Atkins、PBSJの買収が完了
・GE、Dresserを30億ドルで買収

■TOPICS
利益向上を担う三菱重工技術本部

富士電機、基盤技術で省エネ革新

■NEWS Flash
・TOYO、モンゴル・中国・タイで受注
・千代田、海外で連続受注
・新日鉄エンジ、サウスマハカムPJ受注
・Hitz、福岡バイオ水素プロジェクト大牟田プラント受注
…日揮、インドネシアでJCF事業
…TOYO、アルバータのエンジ会社を買収
…川崎重工、稲わらからバイオエタノール
…三菱重工、米サンオノフレ原発向けに取替用SG納入
…三井造船、風力トレーニングセンター納入

■Projects News
…斗山重工、米に原子力機器供給
…現代建設、リビアで発電所受注
…WorleyParsons、カナダでプラットフォーム関連受注
…Willbros、フレアガス回収設備受注
…Nghi Son石油・石化計画が遅延
…Veolia、香港の汚泥処理プラント受注
…Chevron、中国のシェールガス開発に参加
…STX重工、サウジで化学プラント受注
…Statoil、カリフォルニアでバイオエタノール
…Tecnicas Reunidas、珠海LNGタンク受注
…Sonatrach、製油所近代化等を発注
…カリフォルニアで集中太陽熱発電計画
…Shell〜Petrofac、北海でCCS
…Sasol、高純度エチレンユニット建設へ
…オマーン、インド肥料産業に30億ドル投資
…米Bakkenシェールで投資計画
…LyondellBasell、中国にPPプロセスを供与
…ロッキー東部で49.9MWソーラー発電
…JuronAroma、プロジェクト再開
…サウジMaraselr、バングラ製油所拡張に10億ドル
…Saipem、アルジェリアでガスセパ等受注
…GS建設、バーレーンで廃水処理プラント
…GE、リヤドPP11を受注
…FW、サウジLAB拡張計画でPMC
…Fluor、マレーシアで軽油ユニット受注
…チェコ、原発のDBOプレイヤー選定へ
…揚子江LNG、浮体式設備を採用
…B&W、中国で石炭火力受注
…AMEC、スコットランドのCCSでFEED
…AES、比マシンロック発電所の能力を倍増

■フォーラム

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■最近のプロジェクト受注・契約状況

■データ・ファイル
・2010年8月の重電機器受注実績

■エンジニアリングダイジェスト

■Editorial 詳細へ

EnB 18号 表紙

 

EYE
グローバル化がBCP

 日本が中国にレアアースを100%依存していたのは「企業の側のリスクマネジメントの問題」と、某官僚は吐き捨てるように言った。流行言葉で言えば“BCP(事業継続計画)が出来ていなかった”ということになる。言いえて妙である。企業にとって、緊急時でも事業を継続するためにどうするか、を常日頃から考えておくのは重要だ。
 当面、日本のエンジニアリング会社にとって大きなリスクは円高か。海外のプラント・プロジェクトが漸く動き出しつつあるなかで、為替は15年ぶりの円高となった。今後の展開は予想つかないが、急速に円安に振れる可能性はあまりないようだ。
 この円高下でも、プラント輸出案件では調達の面では有利となることもあり、良し悪しということもあるが、さすがにこのレベルの円高が継続するのは価格競争力の面から言って厳しいものがある。
 しかしその厳しい状況の中で韓国や、さらに韓国以上にディスカウントしているイタリアと競り勝つことのできる案件もある。どうして、世界一コストの高い日本が海外でプラントを受注できるのか?
 技術や知識の蓄積、といったことも当然ながらあるだろう。しかしここでは日本の企業の世界展開が大きな力となっているではないか。
 日本のエンジニアリング会社は各地にサテライトを持ち、設計コストの低減を図ってきたが、今は機能分担会社から、プロジェクトを担う会社へと個々のサテライトが育ってきている。個々のサテライトは現地でのコスト体系の中にあるため、コスト競争の面では、日本のオフィスほど厳しくない。しかも日本は多くの国のエンジニアと多くの仕事をこなしており、異文化対応力は比較的高いものがある。新興国は自国でのコストに優位性があるため、これほどグローバルに展開していることは比較して少ない。
 グローバル化の成否は異文化の許容・対応力如何で大きく左右される。それが為替を乗り越えた競争力となっていく。為替予約とか、マルチポーションといった操作も含め、企業の為替変動への対応力は、次第に高まっていっている。

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EDITORAL
編集後記

○…明治維新は近代日本の出発点だ。現代の話題となることも多い。NHKの大河ドラマが坂本竜馬だ。六月菅内閣発足時に自分の内閣を「奇兵隊内閣」と名づけた。もっともその趣旨はよくわからない。
 明治維新を「ヒト・モノ・カネ・情報の流れの変化」という側面から考察した講演を聴いた。江戸期の制度から明治の新たな制度−鉄道・蒸気船・円・銀行・株式会社・郵便・電信・新聞など−への変化・確立と意義を分析したもの。
 その変化の基盤に江戸期の身分制社会の解消がある。江戸時代には士農工商というより、武士・百姓・町人という身分、百姓と町人には身分差がないというの方が正しいそうだ。身分差別は厳しく、直接会話することもできなかった。当然、政治は上級武士層のものだった。ところが、幕末混乱期には身分に関わらず全士民が日本の将来への参画を求め、それが必要となっていた。
 長州の奇兵隊はその象徴で、身分平等の先駆けといわれている。構成は上級武士1割、下級武士4割、農民4割、その他1割、長州征伐という、藩存亡の時にあたり長州藩全士民が立ち上がった姿になっている。維新後の近代国民国家・軍隊の魁とみる見方も的はずれではない。もっとも専門研究によると奇兵隊の実態は身分差は厳然とあるなど近代的組織とはほど遠かったようだ。

○…「平成お笑い劇場」が絶好調だ。テレビのゴールデンアワーをみるがいい。ひな壇に並んだお笑いタレントなどがクイズ、身内ネタ等々を競い合う。2時間あまりにわたっての特番は、警察もの、子たくさん、芸能人の旅番組でいろどられ、どこの局も横並びだ。たまに政治番組があれば、芸能人と見紛う政治家、評論家?が政治ネタで討論する。それもお笑いでおちをつける。そして、朝のニュースワイドショーもその範疇に入るような気がする。コメンテータと称する知識人とやらが、「国民は…」と連発し、あたかも自分が国民全ての意見を代弁しているかのように断罪する。知識・意見の多様性を感じさせる人はごく少数だ。テレビばかりではない、新聞の劣化も著しい。横並びの記事ばかりだ。独自の視点で取材したものなど、殆どお目にかからない。
 この「お笑い劇場」がバラエティー番組にとどまっているうちはまだいい。テレビを消せばいいからだ。ところが、いまや政治の世界でも「お笑い劇場」が上演されるようになってきた。誰もが責任を取らず、身内をかばいあう。大衆受けするような言動につとめる。こうなると笑ってばかりいられない。今後、日本の政治・経済はどうなってしまうのだろうか。行く着く先は、痴呆国家であり、全体主義国家のような気がしてならない。為政者には都合のいい状況になってきた。

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