○…お盆というのは全国的には8月15日前後に行われることが多いようだ。企業もこの前後を夏休みとして、帰省ラッシュもここに集中する。お盆を7月15日に実施するのは東京の一部だけらしい。お盆は本来旧暦の7月15日前後に実施されたもので、正月行事に対応する年半ばの行事という性格があった。明治政府の新暦切替でそのまま7月15日というのでは、農作業・気候などから支障があり、政府の旧暦行事廃止との妥協で新暦で1月遅れが定着したらしい。
中国など東アジア各国が、旧暦正月を祝うなど旧暦行事が残存しているのに対し、日本では残っているものは少ない。中国は旧暦を農暦としているように、中国伝来の旧暦は中国北部の農業を前提としたものが多く、日本の農業では新暦で対応が可能だったのが政府の旧暦行事廃止推進とともに、新暦への徹底した移行の原因だろう。
旧暦2033年問題というのがある。太陽暦が閏日を入れて実際の太陽の動きと調整するのに対し、旧暦=大陰太陽暦は閏月を入れることで調整する。日本の旧暦は天保暦と呼ばれ、中国の暦から独立したものだ。その天保暦のルールでは2033年の閏月をいついれるか決定できない。日本旧暦には決定する管理者がいないという事態だそうだ。中国旧暦でも別の年次で生ずる可能性があるが、公的な管理を受けており対処可能だ。
○…7月末にドイツ・ベルリンで走行中の老朽化した二階建てバスが発見され、警察当局に押収されたというニュースが報道された。そのバスの走行距離は実に180万キロに達していたという。地球の45周分にあたる。押収されたときは60名以上の乗客を乗せ、スイスに向かって走行中であったという。車体はさび付いており、フロントガラスに大きなひびが入っていたそうだ。想像するに運賃は格安だっただろう。タイヤもすり減り、ブレーキにも欠陥があったという。乗客もまさか180万キロも走行しているバスとは知らなかったろう。
180万キロという数値を換算してみると、時速50キロで走行したとして、毎日12時間、8年間以上も休みなく走らなければならない。そんなことは物理的に不可能と思われるので、多分20年間以上をかけてそのバスは運行していたものと推測される?
写真で見る限り、外観はそれほどお粗末ではない。しかし、そんなおんぼろバスとは知らずに乗っていたとしたら、乗客は怒り出すに違いない。バス経営者は誰だか知らないが人命軽視も甚だしい。
とはいえ、不謹慎かもしれないが一つ感心することがある。状態から考えると常に整備をしてきたバスとも思えない。それでも180万キロ走ってきた。そのバスの製造会社の技術力に感心する。
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