○…恒例の米国のENRランキングの第一弾として設計売上高を対象としたENR500が発表された。2009年の合計売上高800億ドル前年11%減、国内592億ドル13%減、海外208億ドル7%減となった。またドイツのVDMAのプラント受注統計では2009年の受注高は221億ユーロ、前年33%減、国内39億ユーロ40%減、海外183億ユーロ31%減となっている。なお、以上2統計の内容は次号以降で紹介する。わが国は経済産業省エンジニアリング業統計によると、2009年暦年で受注高7.86兆円前年21%減、国内5.75兆円12%減、海外2.1兆円38%減となった。
このように先進国の2009年の業況が不振になっているの対し、韓国は2009年の海外プラント受注は463億ドル0.2%増、中国の海外コントラクト売上高777億ドル37%増、受注高21%増と高水準を維持している。韓国はアブダビ原発受注があって、前年の6倍となるなど本年第1四半期に入っても好調を維持している。一方中国は売上は上昇を維持したが、受注が前年減となった。
中国は、援助プロジェクトが多い、国内外資向けが算入されている可能性があるなど特殊な状況があるようだが、韓国の好調は本物だ。今回の不況をいち早く脱して、唯一の大型プラント・インフラの好況市場となった中東産油地域でのプレゼンスがこの好調の唯一最大の要因だ。
○…「第三セクター」と聞くと、イメージは悪い。やれ「住民の税金を無駄食いしている法人だ」、やれ「殆どが赤字経営だ」。あるいは、「経営幹部はほとんど天下った公務員であり、余剰人材の受け入れ先だ」等々、あまりいい評判は聞かない。巨大な債務を抱え、その処理に苦慮する地方自治体の話題がメディアを賑わす。これではイメージが悪いはずだ。
だが、これは日本で言われている第三セクターの話だ。
公企業でもなく、私企業でもない「サードセクター」とは、国際的には「NPO、市民団体その他の非営利団体を示し、イギリス等では、NPOや慈善団体など、公共サービスを提供する民間団体のことを指す」とされている。つまり、公共サービスを市民レベル、「民」が担うという方式である。
公共サービス・公共事業を「民」が担うと聞くと、民間資金とその経営ノウハウを活用した「PFI」を想起させる。今はやりの「PPP」もその範疇に入るかもしれない。PPPの形態も取り入れるなど工夫次第では日本の第三セクターは、まだまだ有意義な方式ではあるまいか。
現在、事業仕分けなどで目の敵にされている公務員。その人材活用という点では大きな意味を持つのでは…。彼らも我々と同じ国民なのだから。
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